中国茶ファンのためのデータベース&ニュース

  1. 茶と旅
  2. 392 view

カシュガルの百年老茶館

カシュガルの旧市街地(古城)にある茶館が紹介されていました。

 

カシュガルに来なければ新疆に来たとは言えなくて、カシュガル古城に来なければカシュガルに来たとは言えず、百年老茶館に来なければカシュガル古城に来たとは言えません。この老茶館の名声は古城よりもさらに大きくて、中央電視台のドキュメンタリーもここで撮影したことがあり、十分にその地位があると思います。カシュガルに旅行に来たのであれば、自ずと行って見てみたくなるものです。

茶館はエイティガール寺院のそばの”吾斯塘博依老街”にあり、この道に沿って歩いて行くとすぐに、それほど大きくはない入口が見え、その上には”百年老茶館”の5文字が見えます。ここがまぎれもなく、百年の歴史のある茶館で、私たちの今回の目的地です。

この老茶館はカシュガルの歴史の見届け人であるとも言え、カシュガルの変遷を見ていて、風がどこから来て雨がどこへ去って行ったのか、周囲の店舗の閉店や移転などがあっても、ここにずっと立っていました。ここの営業時間は朝の10時から夜の23時迄で、地元の茶飲み客の他に、あまりにも有名なので、多くの旅行客がやって来ていて、ネット上でも非常に有名な人々の映えスポットになっており、外国人までもがここへやって来ています。

ウイグル族の建築様式をとても良く備えたこの小さな茶館は2階建てになっています。1階にはお茶のテーブルや営業スタッフはおらず、1枚の簡単な紹介があり、そこではこの茶楼の歴史が紹介されています。古代のシルクロード上で唯一残された百年茶楼であり、ここにはカシュガルの豊かな歴史文化の蓄積が満ちています。いつの頃からか、ここは情報をシェアし伝える情報センターとなりました。なぜならば、茶館の中には様々な人種の人がいて、世間話や珍しい出来事など様々なことがここで広められていて、人々はここでお茶を飲みながら、シルクロードの輝かしい歴史を知ることができるのです。

現在は旅行客が大変多くやって来るので、ここの茶館のメニューは中国語で書かれていて、1ポットのお茶の平均価格は50元前後で、紅茶、花茶、フルーツティーなど基本的には大体の茶類をカバーしていて、最も特色のある百年老茶は1ポットが88元です。しかし、カシュガルの地元の人たちが実際に一番愛飲しているのは茯茶で、それは中国語のメニューの中には書いておらず、店の主人に茯茶が飲みたいといえば良くて、1ポットは10元です。しかし、友人に聞いたところによると、地元の人が来た場合は、1ポットが3元だけであって、それで一日中、座っていることができます。

私たちは今回が初めての訪問だったので、何も経験がなかったことからフルーツティーを1ポット注文しました。ウイグル族の衣装を着たおじさんがやって来て、1ポットのお茶の他に無料の黄色い氷砂糖を持ってきていて、それは透き通っていて、水晶に非常に良く似ていました。このお茶自体は特に味も無くて、非常に清らかで淡いので、地元の人たちはこれに1つの氷砂糖を加えて、甘い水のようになることで、非常に楽しい気持ちになります。

どうしても言っておきたいことは、この老茶館の中にはカシュガルの地元の人がやはり絶対的な多数を占めているということです。彼らは一人でお茶を飲み、絨毯の上に座ってナンを食べながら午後のひとときを過ごしている人もいますし、友人と一緒に来て、何人かで1ポットのお茶を注文し、ウイグル語を使って世間話をしたり、笑い話をしたりしています。これが百年茶館での人々の過ごし方の一つです。

日光が降り注ぐ茶館は、温かくまた静謐です。私はこのようなのんびりとした午後が好きで、友人とこの茶館でお茶を飲みながらのんびりとした時間を楽しみました。一定の時間ごとに、二階の廊下のところが賑やかになり、2名の演奏者がルバーブを弾き、ハンドドラムを打ち鳴らし、調子の良い音楽が微かに流れ始めると段々大きく遠くまで届くようになっていって、歌ったり踊ったりし始め、観光客と地元の人が盛り上がるという一幕があります。

老茶館で売っている地元の特色ある小吃はどのようなものがあるかと見てみたのですが、その価格は外で売っているものに比べて少し高く感じました。それでも、ここで購入することもできますし、持ち込みをすることもできます。店の主人も非常に寛容で気にしないでしょう。しかし、88元をかけてここでお茶を飲む価値はあるでしょうか?ある人に言わせると価値は無いと言います。外では数元のコストでしかないからです。またある人はその価値があると言います。なぜならば、ここへ来ることは本来お茶を飲むためだけではなくて、カシュガルの地元の文化を感じ、地元の人の生活の様々に近い距離で触れることができるからで、これこそが老茶館に来る真の目的なのです。

 

地球の歩き方にも出てくるような、有名茶館であり、観光客満載の茶館なのですが、地元の人々には廉価でお茶を提供しているようで、地元民も多数いる人気茶館になっているようです。88元という料金設定も、そうした舞台装置としての演出コストだと考えれば、悪くないのかもしれません。
台湾でも中国でも観光地の茶館は旅先での消費ということもあり、客単価が高めで上手く行っているケースがあるのですが、これもその一つの例かもしれません。

茶と旅の最近記事

  1. 武夷山燕子窠”三茶”統籌館、今月下旬に一般開放

  2. 雅安蔵茶博物館が開館

  3. 2021年1月に開館した潮州市鳳凰単叢茶博物館の様子

  4. 連休で賑わう貴州省湄潭県の中国茶海景区

  5. 天福集団、福州に茉莉花茶史館を開設

関連記事

PAGE TOP