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陳宗懋氏、国際お茶の日の意義について語る

国際お茶の日にあたって、中国の茶業界の重鎮である陳宗懋(ちん・そうぼう)氏がコメントを発表したようです。

5月21日は、初めての”国際お茶の日”で、これは我が国が主導して設立した農業分野における国際デーです。中国工程院院士で中国農業科学院茶葉研究所の研究員である陳宗懋氏は、お茶を飲むことは健康に有益であり、茶葉は中国、インド、スリランカとケニアなどの国家や地域において、人々の生活を支える重要な産業になっていると話します。

茶の起源は中国にあり、世界へと広がっています。古代のシルクロード、茶馬古道、茶船古道から今日のシルクロード経済ベルト、21世紀版海上シルクロードに至るまで、茶は歴史を越え、国境を越え、世界の多くの人々に受け入れられ、愛されてきました。現在、世界の産茶国と地域は60あまりあり、喫茶人口は20億人を超えます。我が国の茶葉総生産量は、全世界の産量の半分近くを占めており、茶葉の生産と消費大国として、世界の茶産業が持続可能で健全な成長を推し進めるよう努力をし、より多くの人にお茶を知ってもらい、好きになってもらうことに力を入れていく必要があります。

陳宗懋氏によると、現在、広く認識されている言い方では、世界の茶の原産地は我が国の雲南、貴州の西南部地区です。1997年、雲南省臨滄市の双江県で発券された、世界で最高海抜にあり、密度が最大の野生古茶樹群落は、大部分の樹齢が千年以上で、多くの学者によって、ここが世界の茶樹の起源の中心の1つであるとみなされています。
中国の喫茶の歴史は4000年あまり前の秦漢の時期であると考えられており、文字による茶の記載があってからは既に2000年あまりの歴史があります。茶は唐の時代に興り、宋の時代に栄えました。6世紀には茶は近隣の国家や地区との文化的な交流によって、日本、韓国などのアジア地区に伝わりました。16世紀には、海運の発展を通じて、オランダに伝わり、さらにイギリスに伝わり、それから欧州のその他の国に伝わって、アメリカ大陸にまで伝わり、現在では世界三大飲料の一つとなっています。

陳宗懋氏によると、史料の記載によれば、16世紀に茶は英国に伝わり、アフタヌーンティーを飲むことがすぐに流行となり、”一日としてお茶が無くてはいられない”という状況にまでなりました。当時のヨーロッパでは、人々はコーヒーハウスに行くことでお茶を飲むことができましたが、お茶を買うには薬屋に行かなければ買うことはできませんでした。茶葉の発展と伝播の過程を振り返ってみれば、我々は茶葉が薬用として徐々に人々が飲用するものへ変わってきたことが見てとれます。

このほか、茶葉は多くの発展途上国家や地域にとって貧困を抜け出すための重要な手段になっています。陳宗懋氏によると、浙江省では茶業は主に貧困地区で産業となっており、一畝の茶園が二年後には1万元あまりの収入をもたらすようになり、同時に地元への旅行収入などをもたらす効果もあり、まさに環境に配慮した持続可能な貧困を抜け出す手段なのです。

今では、山一面に青々とした茶園が広がる雲南省臨滄市の双江県は、まさに1枚の葉っぱが貧困を抜け出すための一筋の緑色の道路となりました。2019年、双江県では優良生態茶園が累計25.3万畝となり、そのうち4228戸あった貧困世帯は茶葉を3.2万畝植え、貧困世帯の一人あたりの茶園は1.12畝あります。

陳宗懋氏は、”国際お茶の日”の設立は、世界にとって茶文化の認識を高め、各国の茶文化の相互の交流と比較に役立ち、茶産業が協調して発展し共同して茶農家の利益を保護する上で有効な施策になるだろう、と話しています。

 

お茶の歴史や伝播について、きちんと文献を踏まえて発言されているので、さすがだと思います。

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