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陳香型鉄観音についてのQ&A

今年の4月、鉄観音の国家標準に新たに加わった陳香型鉄観音(いわゆる陳年鉄観音)。
その内容については、今ひとつ理解が深まっていないということなのか、Q&A形式の記事がありましたので、ちょっと長いですがご紹介します。

陈香型安溪铁观音知识问答

近年来,陈香型安溪铁观音备受广大茶人欢迎,2016年4月19日正式实施的国家标准,使其成为继清香型、浓香型之后第三类具有国家标准的安溪铁观音产品。那么,陈香型安溪铁观音究竟如何定义?其与清香型、浓香型安溪铁观音三者的关系如何?有何功效?如何贮存?对此,安溪县农茶局茶叶站给出了权威的解释。

本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://tieguanyin.t0001.com/a/201609/00005339.html

近年、陳香型安渓鉄観音はより多くの茶人の歓迎を受けていて、2016年4月19日には国家標準が正式に施行され、清香型、濃香型に続く、第三のタイプの国家標準がある安渓鉄観音製品となりました。それでは、陳香型安渓鉄観音とは一体どのように定義されるのでしょうか?陳香型と清香型、濃香型安渓鉄観音の三者の関係はどのようなものなのでしょうか?どのような効能があるのでしょうか?どのように保存したら良いのでしょうか?これについて、安渓県農業茶業局茶葉所が権威のある解釈を出してくれました。

1.陳香型鉄観音は、国家標準でどのように定義されていますか?

国家標準委員会が発表した公告によれば、陳香型鉄観音は鉄観音の荒茶を原料とし、茎取り、篩分け、ブレンド、焙煎、5年以上の貯蔵などの独特の工程によって製造され、陳香の品質特徴を持った鉄観音製品です。

2.市場で言われるところの”老茶”、”陳茶”、”老鉄”とはどのように区分されますか?

”老茶”、”陳茶”、”老鉄”はいずれも消費者が陳香型鉄観音についての愛称で、三者にはいずれも具体的な基準がありません。

3.陳香型鉄観音の貯蔵のスタートは最低どのくらいですか?

五年以上です。

4.陳香型鉄観音と陳香型安渓鉄観音にはどんな区別がありますか?
主な区別としては原産地の違いです。陳香型安渓鉄観音は、原産地が安渓県の区域内の鉄観音荒茶を、独特の工程で製造し、陳香の品質特性のある鉄観音製品のことです。陳香型鉄観音は、その原料は安渓に限らないというだけです。

5.清香型、濃香型と陳香型鉄観音の三者にはどのような区別がありますか?

製造工程が違うので、三者の外観や内質も違います。清香型鉄観音は、濃香型、陳香型鉄観音の原料となることができます。荒茶→製品茶の過程で、濃香型鉄観音は焙煎などの工程があり、陳香型鉄観音は”焙煎+貯蔵(5年以上)”などの工程があります。

”国家標準”によれば、清香型、濃香型と陳香型鉄観音の加工工程は以下のように分けられます:

清香型鉄観音:生葉の摘採→晒青→晾青→揺青→殺青(炒青)→揉捻→包揉→焙煎

濃香型鉄観音:荒茶→検査→帰堆→投放→篩分け→風による選別→茎取り→ブレンド→焙煎→攤涼→匀堆→選別→包装→製品茶

陳香型鉄観音:荒茶→茎取り→篩分け→ブレンド→焙煎→貯蔵(5年以上)→製品茶

6.陳香型鉄観音はいつ頃から出現しましたか?

陳香型鉄観音は昔からあります。安渓だけでなく福建、台湾、東南アジアでは、昔から鉄観音を貯蔵する伝統がありました。ここ数年、老茶の収蔵ブームが茶業界を席巻し、陳香型鉄観音は独特の味わいと効能から、市場にどんどん歓迎されるようになりました。

陳香型鉄観音の標準が出たことにより、主に4つの点が推進されるとされています。1つは多くの茶葉会社、茶商、茶農家に対して強い要求をすることです。2つめは、安渓県委員会、県政府が高度に重視し、また大きく後押しをすることです。3つめは、国家茶標準委員会の関心と支持を得ることです。4つめは、市場全体が業界の標準化、規範化に向かっていくことです。

7.陳香型鉄観音にはどのような効能がありますか?

陳香型鉄観音の効能は、民間の言い方では、主に炎症を取り去り、火を取り除く、消化を助け、脂を取り去る、胃腸を整えるなどです。現在、安渓県政府の招聘の下、国家植物機能成分利用工程技術研究センター、清華大学中薬現代化研究センター、北京大学中薬現代化研究センター、国家教育部茶学重点実験室などの4つの国家の権威ある機関が、合同で陳香型安渓鉄観音の保健機能の研究を行っており、研究成果は近いうちに発表されることが見込まれています。

陳香型鉄観音の効能を宣伝する際は、必ず「保健食品広告は疾病の予防、治療の効能について触れてはいけないこと。広告する商品が健康に必ず必要であることを保障するようなことを明示もしくは暗示させない」などの国の関連法律の規定を守らなければなりません。”陳香型鉄観音の効能は特別で、どんな病気も治す”のような宣伝はしてはいけません。

8.陳香型鉄観音は寝かせれば寝かす程良くなり、年数が増していけば、効能はより高まるのですか?

陳香型鉄観音の効能とその年数の関係、その効能のピークが出現する年数については現在研究している最中です。効能に関してだけいえば、陳香型鉄観音は古くなればなるほど良いわけではありません。

9.陳香型鉄観音はどのようなものを原料とするのですか?
陳香型鉄観音の国家標準は、陳香型鉄観音は”鉄観音荒茶”を原料とすると規定しています。

陳香型鉄観音の国家標準が発表される前は、陳香型鉄観音は細々とした加工と貯蔵が主で、多くは濃香鉄観音が自然に陳化し、まろやかになることで作られました。現在、陳香型鉄観音は量産の新しい段階に入っており、陳香型鉄観音は”鉄観音荒茶”を原料とし、焙煎、5年以上の貯蔵などの独特の工程を経て製造されます。

鉄観音荒茶は、科学的な貯蔵を経ることで陳香型鉄観音になり、必ず独特の焙煎工程があり、かつ焙匀、焙足、焙透を経る必要があって、水分は7%以内にコントロールされるというのが無くてはならない環境です。

10.保存期間の長い鉄観音=優れた品質の陳香型鉄観音でしょうか?

保存期間の長い鉄観音が優れた品質の陳香型鉄観音ではありません。優れた品質の陳香型鉄観音は、優れた品質の原料がベースになければならなくて、さらに科学的な加工と貯蔵が必要で、これによって内包される物質の良好な転化が行われます。

11.陳香型鉄観音と清香型、濃香型鉄観音の三者の関係はどのように表現されますか?

陳香型鉄観音は鉄観音の3つのシリーズの製品のうちの1つです。異なる人々、異なる地域、異なる時期によって清香型、濃香型、陳香型の鉄観音はそれぞれのポジションがあり、それぞれの味わいがあります。

12.現在ある陳香型鉄観音は主にどのようなルートから来たものですか?

1つは民間が加工し保存するという伝統から来たものです。2つ目は、輸出企業のサンプルを保管する制度からきたものです。3つ目は、加工、収蔵しようという意識を持った茶業界の人によるものです。

13.現在ある陳香型鉄観音の量は多いのでしょうか?それとも少ないのでしょうか?

年数がやや経っていて、品質の良い陳香型鉄観音は数に限りがあります。

時間が経つにつれて、保存期間が5年経った茶葉(2011年前後に生産された茶葉)も、”陳香型鉄観音”の列に加わることになるので、陳香型鉄観音の数量は動態の概念といえます。

14.市場では陳香型鉄観音の口当たり、味はどのように表記されているものが多く、どのように表記するのがより正確でしょうか?

陳香型鉄観音の国家標準による鑑定では、官能品質は特に香気、滋味の表記に特徴があります。主には、茶の品質等級によって、”濃い”、”明確”、”やや明確”などの段階的な表現があります。専門家の考えでは、貯蔵期間の長さにより、陳香型鉄観音の香りのパターンは変化し、以下のように表記されます。1.保存期間が比較的短いもの(一般には5~10年)、炭の香りがある 2.貯蔵期間が中くらいのもの(一般には10~15年)、樟の香りがある 3.貯蔵期間が比較的長いもの(一般には15~20年)、仙草の香りがある。 4.貯蔵期間が長いもの(一般には20年以上)、果糖の香りがある 5.年代が非常に古くて、保存が良いもの、漢方薬の香りがある(数量は限られていて稀少)。

15.陳香型鉄観音の市場価格はどのような位置づけで決まりそうでしょうか?

高級茶と大衆茶の両方が並行して進められており、”二本の脚”で進むとみられます。

 

国家標準が出来たことによって、これまでは偶然の産物に近かった陳年茶が、工場の方で意図を持って貯蔵し、寝かせるという形に変わっていくようです。
当然、原料茶葉の品質の良いものからそうでないものまで様々なものが出回ると思いますので、「○年ものだから美味しい」のようなとらえ方は、今後はますますナンセンスになると思います。

 

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