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ISO国際規格に対する普洱茶のあり方を問うシンポジウム、雲南省で開催

先日公布された、ISOの国際規格『茶類の分類』について、抗議する意向を示していた雲南省普洱茶協会ですが、昆明市で専門家を招いたシンポジウムを開催したそうです。

 

6月1日、雲南省普洱茶協会は雲南省昆明市で、茶葉分類に関する意見と提案を考えるシンポジウムを開催し、専門家、茶文化学者、茶葉会社の代表、茶業界のメディアの代表などを招き、茶葉の分類についての研究と討論を行いました。

取材によると、2023年4月に中国の茶葉に関する国際標準ISO20715:2023『茶類の分類』が正式に公布され、これは我が国の六大茶類の分類システムが正式に国際的な共通認識と国際通用標準になったことを意味していますが、この標準に関する普洱茶の分類が議論を引き起こしています。
さらに普洱茶産業の計画を強め、完全なる産業モデルの実現、さらなる成長路線を広げ、普洱茶産業の長期間にわたる高品質な成長を推し進めるために、雲南省普洱茶協会は「茶葉分類に関する意見と提案を考えるシンポジウム」を開催することを決定し、これをテーマに討論を行いました。

シンポジウムの席上では、会に招かれたゲストから続々と「茶葉分類の大討論:普洱茶は一体どのようなお茶か?」「普洱茶は新たな茶類を勝ち得るべきか?」「もし普洱茶が新しい茶類として認められなければ、産業の成長にどのような影響があるか?」「普洱茶が新しい茶類になるべき根拠は何か?」などのテーマで討論が行われ、それぞれが代表する領域での見方を示しました。

「雲南大葉種の晒青茶は緑茶と普洱茶の間にある一種の動態変化する茶類だ」と雲南省茶葉公司の元弁公室主任で、正高級工程師の蘇芳華氏は「普洱茶は黒茶には属さない。普洱茶は単独で普洱茶類とするべきだ」との個人的な見方を示しました。

「創刊した頃から、『普洱』誌では市場や業界にある”緑茶思想”が普洱茶に対して与える影響と誤解について意識してきました。長年、科学的な普洱茶、”緑茶思想”の整理を提唱してきていますが、これは普洱茶の専門の文化システムと言語体系を整理するためであり、我々がずっと努力し続けて来たことです」と『普洱』雑誌社の社長で、雲南省普洱茶協会副会長の羅洪波氏は言います。彼は普洱茶がまず”緑茶思想”を避けたいのであれば、”科学普洱”の理念をまず強化すべきだと考えています。

雲南普洱茶文化教育センター専門委員会主任で、雲南弘益大学堂校長の李楽駿氏は、普洱茶産業の成長状況に基づき、短期、中期、長期の成長への提案を行いました。彼の提案では、まず千億元規模の雲南茶の”インフラ”を作るべきだと言います。それは省級の普洱茶博物館、省級の普洱茶高等研究院。省級の普洱茶のメディアプラットフォームなどです。
同時に、雲南茶文化、茶産業、茶科学技術のリーダー的な人材を全力で育成するべきだとしています。

会議の出席者は問題に焦点を当て、観点を明確にし、雲南普洱茶産業の発展に対する切実な期待と良好な提案を表明していた。

 

これは中国の茶業界の良いところでもあると思うのですが、何らかの見解の相違などが生じると、速やかに専門家や関係者を招いて、オープンな形のシンポジウムを実施します。
そこで大いに議論をさせ、それをメディアで報道させることにより、業界の立場を明確にして、しかるべき所轄庁などに具申する、という流れです。
今回のこのシンポジウムは3月に正式に公布された国際規格が、4月になってから中国国内で話題となり、それを元に設定されたものです。こうしたスピード感も素晴らしいとは思います。
日本や台湾でも、このような形に産学官の合同のシンポジウムなどがバンバン開催されるようにならないか・・・とは思うのですが、社会体制的に難しいのかもしれません。
なお、今回のシンポジウムでは、「普洱茶は緑茶ではない。新しい普洱茶専用の茶類を設けるべきではないか」というのが結論になったようです。

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