中国茶ファンのためのデータベース&ニュース

  1. 産地情報
  2. 250 view

普洱茶の生産状況

南方の茶産地では、既に新茶シーズンを迎えています。
雲南省の普洱茶の状況をご紹介します。

 

幾度かの春の雨が過ぎ、普洱茶の大部分の地域の春茶は萌芽を始め、続々と発売の時期に入りました。
新型コロナウイルスによる肺炎の流行を受けて、プーアル茶の茶葉販売業者たちの販売方法には、何か変化があるのでしょうか?
プーアル茶の会社には、また新たな取り組みがあるのでしょうか?
今年の”茶事”の新しい変化を見てみましょう。

思茅区南屏鎮曼歇壩村の茶園で、茶摘み人たちはマスクをつけて今年の初めての新芽を摘む

<変化1:茶価>
よその地域の茶商:現在、春茶の価格は昨年よりも少し低いですが、今後は少し上がることが見込まれます。
記者は何人かの茶商を取材しましたが、孫志明氏は浙江省の人で、上海で普洱茶の商売をしています。1993年から、彼は上海とプーアルの両地を行ったり来たりしていて、普洱茶の商売を専門に行っています。毎年、上海で普洱茶を300トン前後販売しています。普洱茶と28年の関わりのあるこの”老茶人”は普洱茶について深い思い入れがあります。「普洱春茶の色は鮮やかで、芽も良く、味わいも良いです」彼の話によると、病気の流行を受けて、春茶の価格は昨年よりも少し低くなっているといいます。「価格が低い主な原因は、上海のお茶の店が未だにオープンしていないためです。しかし私の経験からすると、今年の価格は中盤や終盤になれば上がっていくでしょう。全体の価格で見ると横ばいです」と孫志明氏はこのように分析します。

<変化2:茶商>
地元の茶商:オンラインでの販売に切り替え後、販売量は激増し、1日に数百kgになることも。

先日の取材で分かったことは、普洱の茶葉販売業者たちは続々とオンラインでの販売方式を採用して、販売難の問題を解決しているということです。2月27日、思茅区の茶源広場へ行っていると、かつては賑わっていた茶葉市場はすっかり冷え切っていました。しかし、ある茶商の話によると、その影響は大きくなく、茶の商売を始めて十数年になる祝可清氏は、今年は多くの顧客がわざわざ不便な普洱にまで来て買うことはなく、オンラインでの購入に切り替えている、と言います。
「オフラインでの販売量は、明らかに下がってしまっていますが、その分オンラインでの販売量が激増しています。1日の販売量が数百kgになることもあります」と祝可清氏はいいます。困難な境遇であっても新しいチャンスがあり、彼によると、これはビジネスモデルを転換するための良い機会で、より良い方法を学んで、オンラインでのマーケティングをより増強したい、とのことでした。取材を通じて、多くの茶の販売店や店主たちは、オンラインでの客先とのやり取りに変更していて、そしてすぐに宅配便業者に行って、荷物を発送しています。

<変化3:茶葉会社>
地元の茶葉会社:政府のタイムリーな企業向けの政策によるサポートで、会社は全面的に復旧・再稼働しており、この困難を乗り越えられると信じている。

病気の流行が発生してから、普洱祖祥高山茶園有限公司は、積極的に地元の茶農家の復旧・再稼働に向けて組織化を行い、機械化を進めて、人員の数が少なくても、春茶の茶摘みと生産が順調にできるようにしてきました。

販売面については、普洱祖祥高山茶園有限公司では、オンライン販売を十分に活かし、オフラインの有機茶販売拠点は未だに回復していないという状況のもとで、販売の中心をオフラインからオンライン上に移し、京東、天猫(訳注:いずれも中国の有力なオンラインショッピングモール)などのショッピングモールを通じてオンラインでの販売を行うとともに、ビッグデータの活用で、顧客に対してのピンポイントでの販売促進や顧客向けにカスタマイズした商品をプロモーションし、販売額の増加に努めています。

資金面では、2月を通しての販売は不振であり、在庫の蓄積によって、会社の流動資金は厳しくなりました。政府はタイムリーに企業向けの優遇策を講じて全面的な復旧・再稼働を行う政策を打ち出したので、これによって会社は工商銀行に貸し付けの申請を行い、会社の厳しい状態を脱することが出来ました。

「政府からの”恵みの雨”に感謝したい。政府は企業の安定化のための政策を実施しており、法によって中小企業税の減免や、税金の納付の延期を図ってくれていて、これは私たちにとっては、雪中に炭を送るというものです。我々は、現在積極的に融資の申請を行っていて、政府の助けと、政策のサポートがあるので、我々は目下の困難に勝利することができると信じています」と普洱祖祥高山茶園有限公司の責任者である董天武氏は言います。

 

中国では、厳しい管理体制での感染拡大策が功を奏しており、生産の回復が図られてきているようです。
問題は店舗営業などが出来ない、販売の方なのですが、こちらについてもオンラインでの直販などが一気に進んでおり、明るい見通しになっているようです。
政府の企業対策についても、有効に機能しているようで、このあたりは日本の政府よりもしっかりしているかもしれません。

産地情報の最近記事

  1. 福鼎白茶、EUの農薬基準に適合

  2. 普洱市瀾滄ラフ族自治県、邦崴千年古茶王の茶摘み

  3. 景明白茶の茶摘みが本格化

  4. 今年の春茶の生産量は、昨年比10%前後の増加となる見込み

  5. 祁門紅茶の茶摘み、公式に開始

関連記事

PAGE TOP