先日ご紹介した雲南省瀾滄県の景邁山古茶園の世界遺産登録への動きですが、越えなければならないハードルが色々あるようです。
“五项工程”助澜沧县景迈山古茶园申遗成功
近日,澜沧县召开景迈山古茶园申报世界文化遗产工作动员会议,积极部署景迈山古茶园申遗工作,通过实施“五项工程”确保2016年景迈山申遗成功目标的实现。
本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://news.t0001.com/2013/1124/article_164092.html
最近、瀾滄県は景邁山古茶園の世界文化遺産申請についての会議を行い、積極的に景邁山古茶園の世界遺産申請作業を進めていきます。具体的には”5つのプロジェクト”を実施することによって、2016年の景邁山の世界遺産登録申請を成功させることを目標として、これを実現させます。
1つめは基礎研究プロジェクトをしっかり行うことです。省や市が招聘する専門機関と世界遺産申請の専門家を上手く組み合わせて、積極的に支援し、十分に国内の専門家の力を活かす必要があります。景邁山の古茶林や森林、植物、土壌や水系、民族と文化、民族と宗教などの独自性と信憑性、整合性を基礎研究として実施し、景邁山古茶園の価値体系を十分に深掘りして整理する必要があります。これは古茶園の保護と管理計画を作るためであり、また世界文化遺産を申請する際に提出する大量の詳細な数値資料を作成するためです。同時に、書類作成チームの意思疎通と調和を図り、十分な意見交換を行うことで、2013年12月までには申請資料の最終稿を完成させなければなりません。
2つめは、立法についてのプロジェクトです。世界文化遺産への申請基準と要求に照らし合わせて、速やかに景邁山古茶園の保護に関連する政策法規を修正し、速やかに文化遺産保護管理の規範となる文章を策定して公表しなければなりません。立法の面で保護に力を入れることで、景邁山古茶園の管理と保護作業の法制化、科学化、規範化を進めるのです。
3つめは、広報宣伝のプロジェクトです。広報担当者は世界遺産申請の全過程について把握し、新聞やテレビ、ラジオ、インターネットなどを通じて、広報を行う材料を発信し、各種の会議など様々な形式と手段を使って、世界遺産に申請することの重大な意義を、景邁山のありとあらゆる家庭に宣伝し、人々にとって利益もあり、長い目で見てもメリットがあるということを伝える必要があります。多くの幹部と住民たちが世界遺産申請に対して積極性と主体性を持って臨むように調整することで、私たちが世界遺産申請をされるのではなく、私たちが世界遺産申請をするのだ、という思想に転換させなければなりません。同時に、多くの各方面に様々な角度で、国際的にも、国内的にも世界遺産の申請に向けて動いていることを伝え、社会の様々なところで景邁山の世界遺産申請プロジェクトへの広範な支持と参加を呼びかけ、世界遺産申請プロジェクトへの良好な雰囲気を作るように努力せねばなりません。
4つめは、保護のプロジェクトです。厳格な「保護を主とし、合理的な利用を行い、管理を強化する」という方針に従い、法律、行政、経済など多様な手段を用いて、景邁山の自然生態環境と古茶園、古村落を保護するという固く決めることが必要です。間引きと塞ぐを組み合わせた方法で景邁山を保護することが求められています。
”塞ぐ”というのは厳格に増やす量をコントロールすることで、”マイナス”の保護措置です。山の上には一切新しい建築をすることが許されず、既に建築されているものであっても、世界遺産の申請基準に合わない住居やそのほかの建築物がある場合は、積極的にこれを壊したり、あるいは改築を施さなければなりません。そして改築を行う際には必ず風景区の建設指揮部による審査が必要です。”間引く”というのは、つまり景邁山の世界遺産申請地域に住む住民を、観光用の小さな街に移していくことです。間引いて塞ぐ方法により、景邁山の人と車の量は少なくなり、世界遺産申請地域に元々あった生態環境と人文環境を保護することができます。同時に、自然生態を保護することに力を淹れ、景邁山や景邁山から見える範囲での土の採取や鉱山の開発、乱伐など生態環境を破壊するような活動を禁止します。さらに植樹や造林活動に力を入れ、耕した土地は森林に戻し、生態を回復させるような造林を行うなどして、景邁山の草一本、木一本をきちんと保護する必要があります。
5つめは、環境整備のプロジェクトです。保護計画に沿って、景邁山の環境整備活動に早急に取りかかる必要があります。重点を置くのは世界遺産地域の景観にそぐわない沿道の構築物や広告、宣伝スローガン、看板や土砂の採石場、裸になった山などで、これらは整備の必要があります。遺産を保護するために不要な施設を壊すことに力を入れ、みだりに柱や建物を建てたり、みだりに土を積み上げたり、放置するような行為は厳しく取り締まるべきです。特に重点区域や重点的な村では、衛生的な資格となっている環境も整備をし、世界遺産の申請がスムーズに進むような環境を作る必要があります。
景邁山の世界遺産申請は今年末に申請書類を作って、2016年の登録を狙っているようです。
ただ、この記事を見る限りでは、景邁山から住民を追い出したりすることになるようで、地域の住民の方には大きな影響が出そうではあります。
世界遺産という冠を付けて保護することが良いのか、それとも通常の生活を営みながら素朴に保護を進める方が良いのか。。。
おそらく、日本だったら住民の意見を二分するような、なかなか難しい決断になるのでしょうが、中国の場合は、”土地は国のもの”というタテマエがあるので、地元政府の意向でトップダウンで進んでしまいます。このへんは、体制の違いというのを意識してしまいますね。