湖南省岳陽市の平江県で作られている”平江煙茶(平江烟茶)”が地理的表示製品になるようです。
先日、農業農村部中国緑色食品発展センターは北京で全国第1回と第2回農産品地理標志登録専門家審議会を開催しました。平江県が申請していた”平江煙茶”の農産品地理標志は国家農産品地理標志の審査を順調に通過しました。
平江県の茶産の歴史は古く、西晋の『荊州土地記』には、晋・元康年間(西暦291~299年)に茶葉の栽培が始まったとの記載があります。この地では昔から煙り茶を作って飲むという習慣があり、三市鎮淡江村で発見された清の光緒10年の石碑には、「平江煙茶は幕阜山と連雲山の間に産し、上等な茶は穀雨の前後に摘まれ、殺青してから揉捻して冷ました後に再度煙で焙り、煎じた湯は老病に効くので、煙茶の生産は長く続いている」と記載されています。
審議会では、平江県の答弁チームが、”平江煙茶”の外観特性、内在品質、産地環境条件、生産方法、人文歴史、製品の形態と産業の先行きなどいくつかの面での専門家チームに対して報告を行いました。”平江煙茶”の独特な内在品質と重厚な人文歴史は、専門家チームから、一様に好評を得ました。
平江煙茶は黄茶類に属します。その外観は黒い褐色で艶は少なく、条索はしっかりと締まっていて、柔らかい茎が揃っています。内質は湯色は金黄で明るく、燻した香りが濃くて長く続き、味わいは厚みがあって甘く、茶殻は揃っていて柔らかくて、色は黄褐色で明るいです。一年以内の煙茶は黒の中に緑が混じっていますが、時間が経つにつれて全てが黒い色に転化していきます。
平江県は、2018年12月に平江煙茶研究院を設立しました。研究院では、煙茶の栽培、茶摘み、加工などの一連の基準を制定する予定で、これを自動的に国家標準に昇格させて、中国の特色ある黄茶の新標準としたい意向です。
冒頭の写真のように煙で燻して乾燥させる工程のある黄茶だそうです。
地理的表示製品の仕組みが導入されてから、こうした埋もれていた地方の茶も脚光を浴びる機会が出てきました。