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匯源とサントリーの提携

日本でも一部で報道されましたが、サントリーの中国事業で動きがあり、中国のジュース製造大手の匯源果汁と提携することになりました。
中国側の報道をご紹介します。

汇源果汁并购三得利食品重新“卖茶”

尽管已经暂停旭日升冰茶的生产,但汇源并没有放弃对茶饮料的偏好。新任CEO苏盈福交出首份成绩单的第二天,汇源果汁就迫不及待地宣布了一个计划,汇源果汁将与主营乌龙茶等饮料的三得利食品联手。

本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://news.t0001.com/2014/0321/article_168334.html

既に旭日昇ブランドのアイスティーの生産を停止しましたが、それでも匯源は茶飲料への参入をあきらめませんでした。新任CEOの蘇盈福氏が初めての決算書を発表した次の日、匯源果汁は遂に待ち望んでいた一つの計画を発表しました。匯源果汁は主に烏龍茶などの飲料で知られるサントリー食品と提携するというものです。

匯源果汁が昨日(3月20日)に発表したプレスリリースでは、匯源傘下の国内企業の1社がサントリー中国からサントリー食品の全ての権益とサントリー貿易の50%の権益を買い付けることを予定していて、その総額は1.18億人民元になります。

匯源果汁の担当責任者の話によると、匯源果汁とサントリーは製品の研究開発、品質管理、供給体制などの面で強く連携し、グループで茶及びコーヒー飲料の市場開拓を進めていくそうです。

中投顧問の研究者、簡愛華氏によると、今回、匯源は茶飲料市場への再参入を非常に明確に表明しました。この領域では、匯源果汁とサントリーの提携は、”団結した”発展ができそうです。

 

<半歩遅れたサントリー>

サントリー中国のオフィシャルサイトによると、会社の中国での主要な業務は、清涼飲料、ビールと輸入酒の3つの柱から成り立っています。合意の中にある匯源に売却される”サントリー食品”は、正確にはサントリー食品(上海)有限公司で、公開されている資料では上海市浦東新区にある会社で、生産メーカーであり、主に烏龍茶などの飲料を扱っています。

市場のシェアを調べてみると、サントリーの清涼飲料分野での成長の勢いはあまり強くありません。ユーロモニターインターナショナルの統計数値によると、2006年から2011年までの6年間で、”サントリー”ブランドが中国のソフトドリンク市場で占めるシェアはずっと0.8%程度で足踏みしています。

博蓋投資顧問の董事総経理の高剣鋒氏は取材に対し、サントリーと匯源の提携はポジティブなもので、自分たちでは生産能力を持たず、販売チャネルなどの面で多くの投資が必要ですが、必ず見返りがあるでしょう。
「これはライセンスと似た概念で、全体で見れば利益は確保しやすいです。双方にとって有利な絵が描けるのではないでしょうか」と高氏は言います。「今回の提携を通して見えるのは、サントリーは全体として中国市場に対しては次第に保守的になっていて、自分たちの製品が過去数年思ったように成長しないことから、できれば自分であまり多額の投資をしたくないと考えており、全体として現在の飲料業界の伸びに比べて成長が緩やかなのだと思います」。

サントリーの世界的な戦略から見ると、会社が2月に発表した2013年の財務報告書によれば、昨年の売上高は1兆1200億円で、昨年比で13%の増加となり、利益は33.4%増加して311億9600万円となりました。また、会社の戦略によれば、ヨーロッパ市場とアジア市場でよりよい成長をしていきたいと考えているようです。
サントリーの業績予測では、海外での売上は昨年の4045億円から2014年には5200億円に増え、そのうち、アジア市場は1327億円から1600億円になると見込んでいます。

 

<朱新礼の”茶を売る”願い>

今回のサントリー食品との提携について、中投顧問の研究者・簡愛華氏によると、匯源加重とサントリーの提携は、将来の事業の重心をより多くの飲料領域に置くものだと分析しています。

実際、会社の成長の軌跡を見てみると、匯源果汁のトップ朱新礼氏が茶飲料に対して長らく関心を持っていたことが分かります。

2011年2月23日、匯源集団は、1201万元の価格で”旭日昇”の持つ164のブランドの商標所有権と”冰茶”の名称を獲得しました。2月末には匯源は果汁飲料の他に、旭日昇の茶飲料を売り出しました。

匯源の旭日昇ブランド買収の記者発表会の席上、朱新礼氏は「中国の13億人は、必ず1つの良いお茶ブランドを飲み始めます」と話していました。

当時の計画を見てみると、匯源は自分たちの産業内でのポジション、生産ライン、技術開発など多くの面での優位性を、”旭日昇”に対して投じ、まったく新しい機構と経営を持ち込みました。
匯源の優れた経営資源により、”旭日昇”はさらに進んだ独立した販売体制を構築し、より整備された産業チェーンを上流から下流に整え、完璧な茶産業チェーンを構築する予定でした。

しかし、”旭日昇”ブランドが匯源果汁に”嫁入り”してから3年後、大きな成長は得られず、現在は一時的に生産ストップの状態にあります。

簡愛華氏によると、旭日昇と比べて、今回のサントリーの茶飲料製品は明らかにブランドと市場の影響力があり、サントリーの協力の下、匯源が再び旭日昇ブランドの茶飲料の生産を再開する可能性も排除できません。

このことについて、匯源の関係者は、今回の買収は国際的な提携に属しており、さらにサントリーブランドは中国で長年営業を続け、熟練したスタッフ、製品、工場もあります。今回の提携はグループの競争力を高めることにつながり、市場シェアを増加させ、会社の業績に真正面から貢献するでしょう、と話しています。

 

<新しい収益源を開発します>

実際、サントリーと比べると、康師傳と統一の方が、茶飲料市場での発言権はあります。

統一企業・中国が昨日発表した2013年の年次報告書によると、2013年、統一の茶飲料市場の占有率は2012年の22.6%から2013年は24.6%に上昇しました。
一方、康師傳ホールディングスの2013年第3四半期の財務報告書によると、ニールセンが2013年9月に実施した調査では、康師傳の茶飲料の市場占有率は53.6%で、安定したシェアトップです。

しかし、2013年の茶飲料業界全体の売上額と販売量(ミルクティーを含まず)は、マイナスの成長になっています。ニールセンの資料によれば、2013年乳飲料全体の市場売上高は昨年と比べて11.2%に増加していますが、茶飲料(ミルクティーを含まず)の売上高は5.7%下落しました。飲料類同士の中での移動が明らかに起こっており、細かく分けた市場ではより変化が明確になります。

注目に値するのは、同じようにニールセンの数値を元にしたもので、2013年、匯源は果汁100%ジュースと中濃度の果物野菜ジュース市場で一貫して市場リーダーの地位を保持していることです。しかし、果汁以外の他の飲料市場では、匯源は決して注目されません。

匯源の財務報告書によれば、2013年の製品販売額のうち、100%ジュースは26.7%、中濃度の野菜果物ジュースは昨年の最大の収益源で32.3%を占めます。そして、果汁飲料の販売に占める額は22.5%を占めます。これと比較して、果汁以外の他の飲料製品の販売額が占める割合は18.5%で14.3%下落しました。

これについて、匯源の関係者は、会社は将来も果汁に焦点を合わせて経営するでしょう。しかし、一元化の前提の元で多元化を進め、果汁や野菜以外の分野へも広げ、商品ラインナップを豊富にしていくつもりです。

「茶飲料は現在、既に中国の飲料市場の中で大きな比率を持つマーケットになっており、さらに炭酸飲料に比べても発展の余地があります。匯源が中・高濃度の果汁野菜ジュースの分野でリーダー的な地位を築きながら、新しい収益源を開発していくのを妨げるものではありません」と中投顧問の簡氏は話しています。

 

今回の業務提携は、一瞬、中国からの撤退か?と思う向きもあったようですが、実際には、新しい商品分野(茶飲料)に進出したい地元の企業の販路を使って、中国全土にサントリーの商品を流すこともできるという、Win-Winの関係を目指しているようです。
日本発のブランドとして頑張ってもらいたいところです。

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