成長を続けている中国の茶業界ですが、そろそろ踊り場にさしかかっているようです。
厦門の茶業協会の会長を務める人物へのインタビュー記事です。
茶消费进入多元化阶段
厦茶王贵卿总经理接受采访
【人物名片】
王贵卿,闽南茶协联盟主席、厦门茶叶协会会长、厦门茶叶进出口有限公司总经理、中粮集团旗下中国茶叶股份有限公司总经济师。本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://news.t0001.com/2013/0130/article_157086.html
長いのでポイントをかいつまんで紹介すると、
消費者の好みの多様化で、急成長銘柄はなくなる
まず今年の市場の動向ですが、2013年の茶業界の伸びは5%程度の水準だろうと語っています。
清香鉄観音、プーアル茶、大紅袍、紅茶など特定のお茶だけが伸びていくということはないだろうとも。
曰く、消費者の好みが多様化しているので、各茶種ごとの成長速度は緩むとのことです。
<いたずらに価格の高い製品は淘汰され、本来のあるべき価格に落ち着く>
今年の市場は、コストパフォーマンスの良いお店が生き残っていくだろうとのこと。
ここ数年でお茶を飲む消費者が広まり、徐々にお茶に対する理解の程度も深まってきていると指摘しています。
いわゆる贈答品としての高級茶の需要は景気減速などの影響で打撃を受けるかもしれないが、コストパフォーマンスが良く、安全で健康的なお茶が市場をリードするだろうと語っています。
そのためには、販売店側が消費者に対し、どのように商品を打ち出し、プロモーションをして行くかにかかっており、白兵戦の様相を呈するだろうとしています。
規模の拡大を緩めて、足場固めの年に
「茶の世界にも四季があり、今年は冬の時代に入る。そのため我々は防寒の準備をきちんとしなければならない」と切り出しています。
今年は利益追求を行うのではなく、長期戦略で今ある市場をきちんと固め、それができた後に拡大路線を目指したいとのことです。
品揃えとコストパフォーマンス重視の戦略が結果を生む
「数年前から、基礎固めのために数億元の投資をしており、これが今までの成長を支えてきた。
今年は高級品市場が競争の激しいレッドオーシャンになるだろうが、我々は多くの大衆が求めるお茶を提供するというブルーオーシャンに乗り出す」としています。
現在、この会社は商品価格が数元のものから数千元まで、150種類あまりの商品を抱えている企業になっており、消費者の様々なニーズに応えられます。
また、いくら1箱数元のお茶だといっても、消費者が安心して飲めることが重要です。
そのために、我々は数千万元のコストを投じて世界トップクラスの検査設備を導入しました。
消費者のために、経費を抑え、安全を徹底し、良いお茶を安く届けること。
私たちが今までやってきたこのことを、これからもずっと続けていきます。
中国でもトップクラスの成長を遂げている経営者のインタビューですが、想像以上に慎重な見通しを示していて、ちょっと意外な感じもしました。
が、どうも今年は今までのバブル的な市場動向とは違うようです。
引き続き、動向を追っていきたいと思います。