中国の社会問題で「農村と都市の格差」というのがあるわけですが、その解決策の1つとして茶業が積極的に利用されています。
福建省のある村の事例です。
柘荣熊透村发展茶叶种植脱贫致富
柘荣是福建省最小的县,而熊透村则是柘荣最穷的村。到本世纪初,全村800多人仍分散居住在14个自然村,生活非常困难。2003年,全村人均收入只有1900元,村集体没有分文收入。因为贫穷,熊透村一度被称为“穷透村”。
本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://news.t0001.com/2013/0129/article_157020.html
福建省で最も小さい県である柘栄県。ここにある熊透村はその中でもっとも貧しい村です。
800名余りの人が14の集落に別れて暮らしており、2003年の村民の平均収入はわずか1900元と生活は非常に苦しいものでした。
熊透村は柘栄県、福建省福鼎市、浙江省泰順県が接する位置にあり、革命の古くからの拠点の村でした。
辺鄙な山奥の土地であるため、豊かになるための道は閉ざされていました。
お茶はかつてからこの村の主要産業でしたが、長期間にわたって、単一の品種で、老化も進んでおり、収入は低いままでした。
収入を得るために村人たちは山へ入って木を切り、市が立つ日になると泰順まで担いでいって販売していました。
こうした状況は2002年に熊透村が省政府の重点開発村になるまで続きますが、省の幹部が駐在することになり、村は次第に変わり始めます。
2004年には、茶業を村の主要産業とすることが決定されます。
農民を連れて荒れ果てた山を開墾し、基礎施設を整え、機耕路とお茶の山の中の道路網を整備。茶樹の品種も換え、有機茶の栽培を始めます。
同時に安渓の茶葉企業を誘致し、茶葉の生産拠点を作ることで、「民間会社+生産拠点+農家」というモデルを作り上げ、村民と会社の双方にメリットがあるようにしたそうです。
この結果、村の茶畑の面積は860畝になり、農家の収入も大幅に増大したそうです。
福建省はかねてから山がちで貧しい地域の多い土地柄でした。
それゆえに台湾や東南アジアへの移民が多い地域だったわけですが、こうしたとりたてて産業の無い辺鄙な地域にも「お茶」という商品作物は光を与える存在のようです。
まさに「チャイナドリーム」です。
とはいえ、これは単なる美談というわけでもありません。
中国共産党の出世ルートは、小さな村の村長を経験して、実績を上げたら、より大きな行政単位を任される・・・という仕組みになっています。
党がもっとも課題と考えている、農村の貧困問題を解決したとなったら、これは上からの覚えもめでたくなります。
そういう背景からか、何も資源がない農村の収入を拡大させるための手段として、茶業を活用する例が目立ちます。
ただ、功を焦るあまり無理な開発であったり、産地間のプロモーション競争が激化しているという側面もあります。
政治家の出世競争が、茶業界にも持ち込まれているという中国特有の事情が見え隠れします。
お茶という商品作物が、いかに社会と密接に結びついているかを示す好例ともいえそうです。