中国茶ファンのためのデータベース&ニュース

  1. 標準・基準
  2. 94 view

希土類残留物の基準、見直すべきか?

中国では茶葉の希土類残留物についての基準が2005年の国家標準で1kgあたり2mgまでと定められました。
ところが施行されてから、これを上回る製品が次々と現れており、問題化しています。
そこで、様々な議論がされているようなのですが・・・

 

专家建议重新评估茶叶稀土限量现行标准

有关专家和业内人士建议:当前应尽快对现行的茶叶稀土限量标准重新评估,制定更为科学、合理的指标

最近陆续发生的茶叶稀土超标事件把茶叶质量安全推向了舆论的“风口浪尖”。茶叶稀土超标事件为何会频频发生?茶叶稀土超标到底有多大的危害?茶叶稀土超标问题频发的关键在哪里?本刊记者近日赴主要产茶区对我国茶叶稀土标准问题进行了调查。

本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://news.t0001.com/2013/0128/article_157011.html

記事によると、ここ数年、茶葉の希土類残留物の基準を超過した製品が相次いで見つかっています。

2011年11月8日 北京、上海、福建、安徽などで58種の烏龍茶を調べたところ、19種類が基準不適合で、そのうち17種類は希土類の超過であった。中にはユニリーバの販売するリプトンの鉄観音も含まれていた。

2012年6月 湖南省の品質技術管理局が発表した第6回の検査結果で、7種の茶葉が基準を超過していた。もっとも高いものは、紅茯金磚で6.2mg/kgであった。

広東省で2012年に実施された3回の検査結果。1月17日発表分200サンプルのうち24サンプルが超過。9月25日発表分40サンプルのうち3サンプルが超過。9月27日発表分20サンプルのうち1サンプルが超過。

このような結果がマスコミによって報道されることは、消費者心理にも影響を与えているようで、心配でお茶を飲まなくなった、という人も出ているようです。

希土類残留の原因はそもそも土壌に希土類が多いことと肥料という2つの原因が考えられるそうです。
安渓などでは特にこの問題を重視しており、希土類の高い土壌は林に戻すように活動したり、希土類の高い肥料の販売を禁じたりしているそうです。結果、肥料21種が発売禁止になったとのこと。
こうした政策は確実に成果を上げているようで、安渓のある企業では、ここ2年ほどは残留の問題が無くなったとのこと。

ちなみに、希土類の残量は成熟度の高い葉ほど多めに残る傾向があり、新芽を多く使う緑茶などは少なめですが、開面採を必要とする青茶、あるいは黒茶などは高めに出てしまう傾向があるようです。

 

希土類の超過が相次ぐことで、茶業界の発展が妨げられるということから、別の議論もあるようです。
とうもろこしや小麦のような食品と違い、茶葉はそのものを食べるわけではなく、抽出液を飲むのであるから、基準値を見直すべきではないか、という議論です。

2012年5月に食品の希土類の検出基準が変更となり、これまでの5種類の総量から16種類の総量に増えました。これによって、現在のお茶の2割~3割は基準に抵触するのでは?との見方が出ています。

そこで、専門家は「中国以外の茶葉生産国や輸入国、アメリカや日本、インド、スリランカ、ケニアなどは、茶葉に対する希土類の残留基準を設定していない。なぜなら希土類が健康に与える影響について、科学的な定説がないからだ」として、「自分の手足を縛るような基準を見直すべきではないか」と提言しているようです。

重鎮の陳宗懋氏も、国家標準の施行以後、業界が注目し、様々な検証を行ってきたが、今の基準はある程度の不合理性があることが分かってきた、とコメントしています。

専門家は、「一刻も早く科学的根拠に基づいた新基準をつくるべきである。そして、当局の抜き取り検査体制を整備して、新基準施行後は厳格な運用をすることが、消費者の健康と業界の健全な発展につながる」と提言しています。

 

日本も放射性物質の基準値ですったもんだがありました。
基準値というのを決めるのは、なかなか難しいものですが、あくまで合理性のある基準を望みたいものです。

 

標準・基準の最近記事

  1. 『緊圧祁紅』『老祁紅』の団体標準を発表

  2. ISO国際規格に対する普洱茶のあり方を問うシンポジウム、雲南省で開催

  3. 国際規格ISO20715:2023『茶葉分類』が正式に公布される

  4. 団体標準『陳年緊圧白茶』の原案が専門家審査を通過

  5. 「評茶員」の職業名称が「評茶師」に統一

関連記事

PAGE TOP