西湖龍井といえば龍井茶のトップブランドですが、面積を考えると、「そんなにあるわけないでしょ」と思います。
そのからくりを、いくつかの会社に問い合わせて確認した記事がありました。
淘宝茶叶第一品牌杭州艺福堂被曝兜售假冒龙井茶
http://news.t0001.com/2012/0328/article_140615.html
記事では、まず淘宝(中国のショッピングサイト)で有名な会社に「富陽市の茶農」と称して問い合わせをしています。この会社の看板茶は、「西湖龍井」だそうです。
この会社の購買部のマネージャーに連絡し、まず「御社の西湖龍井」のパッケージを売って欲しい、と持ちかけたそうです。しかし、さすがにこれは断られたのだとか。
が、先方が「良い品質のもので、量があるのならうちが購入しましょうか」と持ちかけてきたそうです。
西湖龍井を売るお店が、なんで富陽龍井を買いたいと言ってくるのでしょう??
機会を改めて、記者の立場で件のマネージャーに取材をしたところ、うちでは富陽龍井を買うことはあり得ない、と。
うーん、非常にグレーな対応ですね。
次に梅家塢の会社に、やはり富陽の茶農と称して、問い合わせをしたそうです。「パッケージを売って欲しい」といったところ、OKだったそうですが、具体的な価格を・・・という話になると警戒されたらしく、電話を切られたそうです。
というわけで、このようにお茶会社が間に入ることによって、産地がよくわからなくなってしまうようです。
梅家塢のある茶楼の店主は、よくわかる人が来たら本当の西湖龍井を出すけれども、そうでない人には、違うものを出す、と。
数十斤程度の産量では、新茶の時期に押し寄せる人には対応できないので、80~100斤程度の地方の龍井茶を用意すると。年間400斤ぐらいは売るのだそうです。ほとんど富陽だとか。
また、別の茶楼の主人は、梅家塢の茶楼はオーナーのほとんどが外部の人で、店は請負でやっている。中にはそこで、お茶を作ることはなく、コストの圧力から外地の龍井を仕入れて売っているとのこと。西湖龍井は置いているけれども、その比率は50%ぐらい。
しかも、そのほとんどは低級品だとのこと。
こうしたところでは、味が近いので富陽や紹興、新昌の龍井は重宝されるのだそうです。
結局のところ、名前が有名すぎるのでしょう。
しかも、同じようなお茶を判断する術を一般消費者は持たないので、こうした業者は後を絶たないわけです。
お茶の名前に左右されず、本質で美味しいお茶を選べばいいだけの話なのですが、なかなかに難しいところです:-(