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福建省北部で樹齢300年の古茶樹が発見される

古茶樹というと雲南省のイメージですが、福建省北部の武夷山付近で新たな古茶樹が発見されたそうです。

 

福建省南平市建陽区黄坑鎮への取材によると、先日、黄坑鎮坳頭村にある平坑頂山の海抜1303mのところで多くの古茶樹が発見され、そのうち最大の古茶樹は岩壁の上に生えており、樹齢は300年あまりで、樹高は3mあまり、枝や幹は縦横に交わっていて、30㎡あまりを占めていたといいます。

武夷山古茶樹研究チームは、2007年に発表された『武夷山古茶樹の性状及び品質特性ーー武夷山古茶樹考察報告』との比較によって、平坑頂山の最大の古茶樹が紅茶の母樹であることを実証しました。

建陽区黄坑鎮農業技術所所長の許青柏氏、武夷山国家公園黄坑管理所森林監視員の張垂欽氏らは、最近、坳頭村の平坑頂山に赴いて紅茶の母樹を探索する旅に出かけた際に、上記の発見があったといいます。
関係者の話によると、百年の風雨があったとはいえ、古茶樹には依然として枝や葉が繁茂しており、根も丈夫で健康状態も良く、樹根、樹冠も虫の被害にも遭っておらず、毎年春には柔らかい芽葉の茶を出すことが出来るそうです。茶樹全体が緑で覆われていて、茶葉は丸っこくて隆起が有り、厚みがあって大きく、この葉で製造した正山小種紅茶は低山地域で作った紅茶と比較すると、香りもあり、品質も優れていると言います。

資料によると、黄坑鎮は建陽区の西北部にあり、亜熱帯気候に属していて、四季がはっきりしており、夏は長く冬は短くて、雨量も十分にあります。
山地が主で、1000m以上の高山が100座あまりあります。
2021年11月、黄坑鎮は”清新福建・気候福地”気候健康と福祉の地の第1回リストに選定されています。特殊な地理環境がその茶葉を非凡な品質にしたのでしょう。
当地には10カ所の素晴らしい茶空間があり、茶を媒介として、各地からの旅行客を引きつけており、まさに好山好水好茶です。

「黄坑小種紅茶の製造技術は、誕生以来今までずっと使われてきており、地元の紅茶産業の急速な発展、茶製品の産量の増加、経済効益の大幅上昇をもたらしていて、茶農家の増収、財政の拡大、企業の効益の増加を促進しています」と黄坑鎮党委員会書記の林瑞妃氏は言います。

黄坑小種紅茶の製造技術は主に六つの工程があり、萎凋、揉捻、発酵、過紅鍋、烘烤と最後にさらに挑選、篩分、去塵、去湿、分級などの工程に分けられ、全て完了することで、素晴らしい小種紅茶が出来上がります。
林瑞妃氏は、この無形文化遺産の技術をよく伝承して高揚させることで、農村の振興、環武夷山国家公園保護発展ベルトの建設の推進を図りたい、と述べています。

 

武夷山というのは武夷山市だけではなく、近隣にも跨がって存在しています。
そうした山中の中で見つかった古茶樹とのことですが、地元の産業育成への思惑など、色々なことが絡んできそうです。

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