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普洱景邁山古茶林の文化的景観、世界遺産に登録決定

かねてより世界遺産登録へ向けての申請を行っていた、雲南省の景邁山古茶林の文化的景観の世界遺産への登録が決定したそうです。

 

9月17日、第45回世界遺産会議から喜ばしいニュースが入ってきました。中国が申請していた普洱景邁山古茶林の文化的景観は世界遺産委員会の21カ国の代表による審査を通過し、世界文化遺産に列せられました。
普洱景邁山古茶林の文化的景観の世界遺産申請の成功は、茶文化の世界遺産が誕生したことを意味し、また我が国で57番目の世界遺産となります。

第45回世界遺産会議は現地時間の9月10日~25日にかけてサウジアラビアの首都・リヤドで開催されています。
普洱景邁山古茶林の文化景観は、国務院によって中国の2022年世界遺産正式申請プロジェクトに選ばれ、昨年9月には国際記念物遺跡会議(ICOMOS)の現地調査と評価を順調に完了し、今回の会議でICOMOSから基準に達しているという評価を受け、無条件での掲載を推奨するという結果を得ました。

取材によると、2010年普洱市政府は”普洱景邁山古茶林の文化景観”世界遺産申請プロジェクトを正式に開始し、2012年から、景邁山は、中国世界文化遺産予備リストに登録され、さらに全国重点文物保護単位、世界重要農業文化遺産、中国伝統村落、国家森林公園、国家4A級旅游景区などを相次いで選ばれ、2021年の初めまでに、景邁山古茶林の文化景観は2022年の世界文化遺産申請プロジェクトに選ばれましたが、昨年の会議と今年の会議が合併で開催されることになってしまったために、今年ようやく会議で通過したのでした。

本誌の記者がまず初めに取材したのは、この申請プロジェクトにも携わった著名なプーアル茶の専門家ー雲南省普洱市文物管理所の元所長で、研究員の黄桂枢氏です。
景邁山古茶林の文化的景観の世界遺産申請が成功した情報を聞いたあと、黄老師は非常に感動した様子で話をしてくれました。早くも2000年には、彼は普洱市政府に対して景邁山古茶林の世界遺産申請の提案を提出しており、2010年、普洱市政府は正式に世界遺産申請プロジェクトを開始し、最初の世界遺産申請論文は彼が筆を執って完成したものだと言います。
景邁山古茶林の文化的景観の世界遺産申請を成功させるために、十数年間、黄桂枢氏は高冷にもかかわらず、何度も世界遺産の申請イベントに参加しました。
黄老師は世界遺産の申請の成功に貢献できたことを、非常に喜んでいました!

 

中国に茶山は沢山ありますが、景邁山はどのような特徴があるのでしょうか?

普洱景邁山古茶林の文化的景観は雲南省普洱市の瀾滄ラフ族自治県恵民鎮の東南部にあり、普洱市街からは237km、瀾滄県の県城からは70km離れています。

景邁山には古茶林の面積が2.8万畝あり、古茶樹は320万株あまりあって、これまで2000年近い茶葉の栽培の歴史があるとされ、現在発見されている中では面積が最大で、保存状態が最も良く、年代がもっとも古い人工栽培型の古茶園です。

夜明けの雲海、茶林いちめんに広がる冬桜、千年の青さをもった古茶林、さらにタイ族、ブーラン族、ハニ族とラフ族などの他民族が共生する原始的な古い村などが、この雲南にある隠れた秘境を構成しています。

景邁山古茶林は現代的な茶園の栽培技術が普及する前に、伝統的な”林の下に茶を植える”方法で現在まで保存された、具体例で有典型的な代表で、世界遺産の普遍的価値という基準に適合します。
遺産地の総面積は190.94平方キロメートルで、そのうち、遺産区の面積は71.67平方キロメートルで、瀾滄県恵民鎮の景邁、芒景の二つの行政村に跨がり、そのなかには10個の村(そのうち9つの伝統村があります)に1231戸5088人がいます。緩衝地域の面積は119.27平方木とメートルで、恵民鎮の景邁村、芒景村、芒雲村と糯福郷勐宋村にわたり、そのなかには5つの村があり265戸1126人がいます。

有機的に進化する文化的景観として、現在まで伝統的な”森林茶植法”が続いており、人類が早期に茶樹を利用した生きるサンプルとなっています。
”森と共生する山、山に植わる茶、里を囲む茶、茶を育てる人々”という景観パターンは、千年にわたる”森と茶の共生、人と大地の共栄”の歴史が息づいています。

ブーラン族、タイ族、ワ族、ラフ族、ハニ族などの少数民族がここに住み、千年以上もの間、茶は地元に住む人々の民族的な信仰となり、彼らは神として崇拝する古い茶樹を静かに守り続けて来ました。
彼らは何世代にもわたって茶と共存して繁栄してきていて、辺境地区の各民族の人々が自然を理解し、崇拝し、大切にしていくという実践を動的に示しているもので、人と自然の調和、人と人の調和を示していて、まさに”人と自然の調和的な共生”の典型的な模範といえます。

長年にわたり、景邁山古茶林は効果的に保護されてきました。
取材によると、景邁山古茶林の文化的景観の保護と持続可能な発展を実現するために、普洱市は『普洱市景邁山古茶林の文化的景観保護条例』などの3つの特別法と7つの規則と規制を公布し、現行の関連法令177件を収集・整理し、景観区域内の15の自然村落の保護と利用に必要な根拠として、景邁山村の計画を策定しました。

このほか、364棟の伝統住居が全国重点文物の保護対象となり、さらにそのうちの293棟で修繕と維持が行われています。306党の伝統住居は研究文物としての保護対象になり、さらにそのうちの64棟で修繕と維持が行われています。
このっほか、さらに61の伝統村落の構成要素が未定級文物点として保護されることになっています。
同時に、『景邁山建設活動導則』が制定・施行され、景観範囲内の村民と村全体での日常的な建設活動に対しての管理を行い、建設活動にも規範と秩序をもたらしています。

景邁山古茶林の文化的景観の影響と推進力を受けて、多くの有名な旅行関連企業が景邁山周辺に投資を行って事業を開始し、文化と旅行の融合、茶と旅の融合を促進しています。2022年、瀾滄県へ旅行した人数はのべ615万人で、旅行総合収入62.4億元を実現しています。

 

茶の生産地そのものが世界文化遺産となったという、世界でも初めての事例です。
今後は環境保護に配慮しながらも、周辺の観光開発が進んでいくことになりそうです。

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