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安渓春茶の荒茶価格は昨年比で8%の値上がりに

烏龍茶の大産地である福建省の安渓県では、早生品種の茶摘みがほぼ終わり、鉄観音に移っています。
現時点での茶葉価格の様子が報じられていましたので、ご紹介します。

 

現在、黄金桂、本山、金観音などの早生種は既に茶摘みと製造が終わり、鉄観音が茶摘みと製造のピークに入りました。安渓県農業農村局の責任者によると、2022年の春茶の産量は2.4万トン前後と見込まれます(春茶の産量は全年の40%を占めます)。春茶の粗茶の平均価格は1斤約65元で、昨年の同時期より8%の値上がりになっています。

 安渓鉄観音の茶摘みと製造は前倒しに

節気で言うと、毎年穀雨を過ぎた後は、安渓鉄観音の茶摘みと製造のピークです。今年は例年に比べると数日早くなりました。感徳品苑の責任者の呉堃東氏によると、今年の鉄観音の茶芽は例年よりも成長の勢いが早く、4月26日から県内全域で大規模な鉄観音の茶摘み始まったとのことです。

「私たちの合作社の茶葉はだいたい5月8日迄には全て摘み終わるでしょう」と祥華郷一合作社の責任者の詹宝福氏は言います。5月1日、2日の2日間は雨が降ったため、茶摘みが出来ませんでした。3日と4日は天気が良くなり、鉄観音を大量に摘みました。ここ2,3日の鉄観音の品質もとても良いです。「通常ならば、安渓鉄観音の茶芽は夏至の後には硬く大きくなってしまい、摘むことができません」と安渓鉄観音製茶大師の劉金龍氏は言います。

安渓県農業農村局の責任者によると、大手の買い上げ人、県級以上の模範農場、合作社、龍頭茶企業については、5月3日迄に、黄金桂、本山、金観音などの早生種の茶摘みと製造は既に終わっており、鉄観音が茶摘みと製造のピークに入り、春茶の生産の進捗度は全体の約60%にまで来ているとのことです。

春茶の価格はどうなのでしょうか?呉堃東氏と詹宝福氏によると、今年の春茶の価格は昨年と全体的には同じ水準で、「荒茶1斤の価格は50~60元、70~80元が比較的多くて、良いものの単価は百数元になり、中には200~300元になるものもあります」とのことです。しかし、県の農業農村局のデータによると、今年の春茶の荒茶平均価格は1斤約65元で、昨年の同時期と比べると8%高くなっています。そして基地茶(龍頭企業+合作社+基地+茶農家の産業化組織形態で、自前の茶園、提携茶園などで生産された茶葉のことを指す)の平均価格は120元前後で、昨年の同時期と比べ11%の上昇で、これらは総量の20%を占めます。

 品種ごとの茶摘みと製造で効益が増す

安渓の茶文化は古く、”鉄観音”以外にも多くの人がよく知っているものには、梅占、毛蟹、本山などの6種類の全国農作物品種認定委員会が認定した国家茶樹品種があり、さらには金観音などの新開発の優良品種があり、近年はこれらが別の種類の光彩を放っています。

先日、芦田鎮三洋村の大銀峰茶葉専業合作社を取材しました。合作社の責任者の楊淑真氏は社員たちを連れて銀瓶山に上り、梅占の生葉を摘んでいるところでした。彼らの中には、家に残る老人や子どももいました。楊淑真氏によると、彼女は長い間、江蘇省、上海、浙江省などの沿海部の年で実家の梅占茶を販売していましたが、彼女は数年前に実家に戻り、三洋大銀峰茶葉専業合作社を設立しました。合作社には55軒の社員がおり、いずれも地元の農家で、社員たちは合作社の株を持ち、合作社の基準に合った6つの統一管理モデルに従って、茶園の生態環境を整えています。

地元の村人は梅占茶の生葉を”百変茶青”といい、可塑性が強く、楊淑真氏はこの梅占茶の品質特性を十分に活かし、新しい製造技術を開発し、何度も試作を繰り返すことで、梅占烏龍茶、梅占紅茶、岩茶などの茶製品を研究開発しました。楊淑真氏はWeChatの朋友圏を使って発表し、すぐに注文がいっぱいになりました。

ある茶人は、同じ茶園の中で様々な品種の茶を植えています。龍涓郷挙源茶葉専業合作社では、茶園の中には鉄観音のほか、金観音、梅占茶なども植わっていました。

「このような広い茶園では、合理的な茶摘みの周期が必要で、鉄観音一種類だけというわけには行きません」と茶園の責任者は言います。金観音は黄金桂と鉄観音を雑交させた新品種で、黄金桂の早生種の特性を備えていて、一般的に4月上旬には芽吹き、中旬には摘むことができました。金観音を摘み終えたら、梅占を摘みます。梅占は中生種に属します。梅占が摘み終わったら、鉄観音を摘みます。鉄観音はだいたい金観音の茶摘みから20日遅れです。数種類の茶葉を生産すると、経済的な効益がとてもよくなります。

 

色々な状況も重なっていて、今年も平均価格は上昇気味のようです。
鉄観音品種が有名ならば、それだけを作ればよいのでは?と思う方もいるようですが、実際には茶摘みの手や工場の処理能力もあるので、様々な品種を植えたり、製法を変えたりして工場の稼働期間を増やした方が効率は良くなります。

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