日本などでは、良質な茶を生むためには茶樹が若いことが求められますが、中国では樹齢の古い茶樹を珍重するケースがあります。
樹齢の若い木と古い木はどう違うのかについて解説している記事がありましたので、ご紹介します。
茶樹の栽培学を学んだことのある人ならご存知のように、光の当たり方、温度、水、肥料、土壌、緯度、海抜などの要素はさておき、茶葉の成分の主要な違いは、茶樹の新陳代謝の違いによって生じます。茶樹は樹齢の違いにより、吸収と代謝もまた異なります。
0~30年の茶樹は、窒素の代謝が比較的旺盛で、アミノ酸、タンパク質、茶ポリフェノールなどの窒素元素と関連のある物質を大量に生成します。そのため、樹齢の若い茶樹は比較的うまみと爽やかさがありますが、甘さにおいてはやや劣ります。
30年以上の樹齢の木は、炭素の代謝が多く、単糖(たとえばブドウ糖、果糖、リボースなど)、オリゴ糖(たとえば麦芽糖、ショ糖、ラフィノースなど)、多糖(グリコーゲン、でんぷん、キチン、ヒアルロン酸、ヘミセルロースなど)、糖蛋白質、プロテオグリカンと糖脂質を大量に生産します。そのため、苦みや渋みが少なく、甘さが良く、味の厚みもあるのです。
一般的に言うと、樹齢が古くなればなるほど、炭素の代謝が多くなり、甘さや厚みがより良くなります。プーアル生茶の後発酵と茶葉の糖の含有量には密接な関係があるので、ある程度成熟した芽葉とある程度の古い樹齢の茶樹の芽葉は陳化がより良く進むので、このために一部の人は古樹茶、大樹茶を好みます。実は、樹齢30年以上の茶樹は、生態環境に大きな差が無く、茶摘みの回数も少なければ、三十年、五十年、あるいは七~八十年の樹でも区別するのは難しいです。
台地茶、小樹茶、老樹茶、古樹茶、大樹茶、千年野生大茶樹の生化学的な違いは、新陳代謝の違いで、若いときは窒素の代謝が多く、古くなると炭素の代謝が多くなります。
味に関して言うならば、より多くの人が歳月によって甘く厚みが出てきた生茶を好みますので、まずは樹齢による甘さや厚みで、その次に歳月による陳化の甘さや厚みということになります。一般の消費者にとっては、30年の生態茶樹の味わいも既に十分美味しいものになります。
樹齢によって、代謝が変わるというのが、その理由とのことです。
飲んだ後の余韻を重視する傾向が強いので、中国の場合は古樹を珍重するということなのかもしれません。