中国の農業農村部などの政府機関が、茶業の健全な成長に関する指導意見を発表し、2025年の茶業のあるべき姿を提示したようです。
農業農村部のWebサイトによると、先日、農業農村部、国家市場監督管理総局、中華全国供銷合作総社の3部門が発表した『茶産業の健全な発展を促進することについての指導意見』(以下、”意見”とする)では、直接販売、会員オーダーメイド、店舗での体験、ライブコマースなどの新業態の成長を促進し、消費モデルの転換をすべきであると指摘しています。
”意見”では、茶業の健全な成長を続けていくために、茶文化、茶産業、茶の科学技術を統合し、生産から販売までを貫き、農業と文化と旅行を融合し、さらに茶製品の種類をより良く育成し、品質を向上させ、ブランドを確立して、標準化された生産を行い、茶産業の産業チェーンを現代的なレベルにまで高め、茶産業全体の産業チェーンを確立し、茶産業のさまざまな機能を開拓して、茶産業の品質と効益、競争力と持続的な成長能力を高め、農村の振興を推し進めて、農業農村の現代化に十分な支援を行うべきであると求めています。
”意見”では、2025年までに、茶園面積は現在のレベルを維持し、茶産業の科学技術貢献率を65%にすること。荒茶の産出金額は3500億元、茶葉の輸出額は25億米ドルにまで引き上げ、年間販売額20億元を超える大型の現代茶葉産業企業グループを複数社育成すること。茶の科学技術水準を大幅に向上させ、茶文化を大いに発揚させ、一次二次三次産業の高度な融合をすすめ、茶産業の高度な発展に向けての基礎を制定するべきであることを明確にしています。
今回の”意見”の原文は、農業農村部のWebサイトで公開されています。
http://www.moa.gov.cn/govpublic/XZQYJ/202109/t20210914_6376378.htm
全体的にいうと、茶園の拡大は基本的にはストップがかかるようです。
その代わり、産出量よりも金額を重視する方向に進んでいますので、量より質への転換が図られるようです。
茶旅に代表されるような、茶と茶文化、そして旅行産業を結びつける動きは継続されるようです。
また、販売手法についてはライブコマースやオーダーメイドなど、新しい手法での販売を積極化するように求めています。
こうした”意見”というのは、政府からの”お達し”でもあるので、これを実現するべく、地方政府や茶業界は動くことになります。
2025年までの、大まかな方向性はここに見えているようです。