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祁門紅茶の地理的表示について黄山市と池州市が合意

祁門紅茶は伝統的な輸出商品であり、名茶としても著名ですが、原産地をどこまでとするかについては、議論の絶えないお茶でした。
このたび、祁門県を有する黄山市と池州市の間で、地理的表示に関する合意がなされたそうです。

 

祁門紅茶は中国で最も特色ある茶ブランドで、地方政府が産業を発展させ、農村の振興を促すための有力な担い手です。祁門紅茶ブランドを保護するために、8月26日、黄山市政府と池州市政府は黄山市で祁門紅茶地理的表示商標申請協議会を開催しました。黄山市から会議に出席したのは、市の人民政府副市長である張正竹氏、市農業局、市市場監督局などの関連部門の責任者たち、祁門県県委員会県政府の責任者、祁門紅茶協会会長です。池州市から会議に参加したのは、市の人民政府副市長である劉会秋氏、池州市農業農村局などの関連部門の責任者たちと企業のトップたちです。

協議会では、祁門県政府の担当責任者と池州市農業局の担当責任者が、それぞれ今年1月29日に黄山市が池州市に赴いて行った座談協議会後の作業の進捗状況について報告を行い、双方の参加者が座談会を通じて討論と意見の交換を行い、黄山市人民政府副市長の張正竹氏、池州市人民政府副市長の劉会秋氏がそれぞれ祁門紅茶証明商標の申請作業提出についての必要条件を提示しました。

祁門紅茶ブランドを協力してより良く保護し、祁門紅茶産業の発展を推進するために、双方は祁門紅茶協会を申請主体組織として、”祁門紅茶”地理的表示証明商標の申請を行うこと、池州市の関連する紅茶企業が祁門紅茶協会に加入し、池州市茶業協会も申請作業に参加することが合意されました。双方の話し合いの下、”歴史を尊重し、品質に注力する”という原則の下で、祁門紅茶産地範囲は2017年6月26日に元安徽省農業委員会が『”祁門紅茶”生産地域方位についての説明書簡』で定められたものとすることとなりました。双方は連携して友に成長し、協力を積極的に強化して、祁門紅茶の地理的表示商標の申請と登録を速やかに完成させることを目指します。

現在、祁門県では県委員会書記、県長がダブルトップとなる祁門紅茶地理的表示商標申請作業チームを既に設立し、第三者の専門機関を招聘して、祁門紅茶証明商標の申請作業に関する作業プランを制定し、申請作業は、省、市の関連部門の指導と関心の下で、大いに推進される見込みです。

 

祁門紅茶については、伝統的な産地は祁門県だけではなく、近隣の市などでも生産されていました。
しかし、2000年代後半に祁門県が、生産範囲を祁門県だけに限定する地理的表示商標を申請し、これに反発する近隣の伝統産地との間で、訴訟問題に発展するなどしていました。
今回、もう一つの大きな産地を有する池州市と合意に至ったことで、ようやく祁門紅茶の保護範囲を巡る混乱は落ち着くことになりそうです。

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