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農薬残留についての新しい国家標準が施行

食の安全は中国の消費者にとっても大きな関心事となっています。
これに対応してか、お茶の農薬残留に関する国家標準が今年3月に改訂され、9月から正式に施行されたようです。

 

国は国民が主で、国民は食を大事にし、食は安全が優先されます。2021年3月3日、国家衛生健康委員会、農業農村部と市場監管総局が共同で公布した『食品安全国家標準食品中の農薬最大残留許容量』(GB2765-2021、以下”新標準”と称す)は、GB2763-2019を置き換えます。新標準は、以前のバージョンが正式に施行されてから僅かに1年あまりで、9月3日から既に正式に施行されました。

今回の新標準は、史上最も厳しく、カバーする範囲が最も広いと言えます。標準の数量は初めて1万項目を突破し、2019年版と比較して、新たに増えた農薬の種類は81個、残留許容量は2985項目に及びます。”第13次5カ年計画”の前の2014年版と比較すると、農薬の種類の増加幅は46%で、残留許容量の数の増加幅は176%になります。

新標準の正式な施行により、茶に関する部分はどのような変化があり、業界にはどのような影響があるのでしょうか?これについて、福建省茶葉質量検測と技術推広中心の副主任である蘭元氏に取材し、新標準のチャブカンスル部分がどのような変化をもたらすかについて分析しました。

GB2763の新旧標準比較。今回の新標準の茶葉に関する内容には3つの特徴が

1つは、農薬の残留許容量の指標数が大幅に増加したことです。2019年版と比較して、新版の標準の茶に関する許容量指標は106項目に達し、41項目が増加し、増加幅は63.1%になります。

今回の新標準では茶に関する項目は明確な分類が行われ、”飲料類:茶葉ー本級分類”と”飲料類ー継承上級分類”に分かれました。そのうち、飲料類:茶葉ー本級分類の農薬残留許容量は70項目になり、茶に関する農薬残留許容量指標の総数の66%を占め、飲料類ー継承上級分類の農薬残留許容量は36項目に増え、茶に関する農薬残留許容量指標総数の34%を占めます。

新標準の中で新たに増えた茶葉ー本級分類の農薬残留許容量には、カルボスルファン、ピコキシストロビン、イソフェンホスメチル、ジメトエート、ニテンピラム、イベルメクチンの6項目で、このほか、ジコホルが茶葉ー本級分類から飲料類ー継承上級分類に移動しました。新たに増加した飲料類ー継承上級分類の農薬残留許容量には、エタメツルフロンメチルなど35項目があり、下表を参照ください。

2つめに、残留許容量指標がどんどん厳格になっていることです。106項目の茶に関する許容量指標から見ると、全体の許容量が低くなっており、そのうち許容量が0.05mg/kg以下の指標は53項目あり、一部の農薬許容量値と検査方法法の最小値相当になっています。2019年版と比較すると、カルボフラン、アセフェート、ジコホルなどの項目の許容量の低下は明らかで、茶樹への使用禁止農薬への監視が強まっています。詳細は下表をご覧ください。

3つめに農薬残留許容量の検査方法の標準が備わったことです。新標準のうち、茶に関する項目では、34種類の検査方法標準が定められ、一部の農薬残留項目に”制限量はあるけれども、方法がない”という問題を解決します。たとえば、ジアフェンチウロンがGB23200.13の検査方法を指定した(2019年版では未指定あるいは推奨される検査方法だった)、同時にフルシトリネート、エトプロホス、アセフェートなどは2019年版のベースの上にさらに対応した検査方法が追加され、方法の選択性が増えました。しかし、グルホシネートなど17項目については検査方法の標準が未指定あるいは推奨標準になっていて、農薬残留許容量の検査方法標準は、目下のところ解決が待たれる問題になっています。

標準の改訂を早めて、”舌の上の安全”を守る

第18回党大会以降、国は食品安全の問題を特に重視し、管理監督の力を強め、人民の”舌の上の安全”を守るようにしてきました。

農薬残留標準の度重なる改訂の意義は、製品の生産者の品質コントロールを強め、監督管理部門に食品に存在する安全の隠れた問題を発見するために有力な技術根拠を提供することで、人々の”舌の上の安全”を保証し、最大限に食料の安全を確保して、民衆の健康をより良くすることです。
このことから見出せるように、国は茶葉の農薬残留の面で、監督管理をさらに厳格化しようとしています。これによって、茶葉の品質安全が保たれ、茶葉貿易の健全な成長を促進することができます。

科学的な効率の良い農薬の使用で、新たな挑戦を

新標準の登場と施行は、茶葉企業にとって食品の安全な生産においての要求がより高くなることになります。農薬の残留許容量基準を高めることは、茶葉業界に対して基準をより高めることを求めています。GB2763-2005によって初めて茶葉が食品の範疇に入ってからは、茶葉の農薬残留許容量基準は2005年の9項目から2021年の106項目に増え、客観的にも業界に対して小さくない挑戦を求めています。

これについて、蘭元氏はいくつかの提案をしています。

1つには上流からのコントロールを強めることです。茶葉会社は自らの品質安全の意識を高め、企業が食品安全の主体的な責任を持つことを十分に自覚し、上流から、茶葉の生産の鍵になる各ポイントでのコントロールを実施し、完全な製品の品質安全のトレーサビリティーシステムを徐々に確立しなければなりません。

2つめに、効率が良く安全な科学的な農薬の使用を行うべきです。安全で合理的な農薬の使用意識を高めることは、農薬の濫用という現象を減少させ、茶樹には国家で禁止されている農薬を決して撒いてはなりません。

3つめに、グリーン防除措置の普及を大いにすることです。茶園管理の中でグリーン防除技術を普及させ、生物防除と物理防除技術の使用を普及します。許可されている範囲内、小さな範囲内で、環境保全型の農薬と生物農薬をしようするのです。

新標準は”最も厳格な標準”であり、科学的な農薬残留許容量が要求されていて、高リスクの農薬と重点農産品への管理監督が強くなることで、農産品の品質安全を広い範囲で保証できることになります。より多くの茶農家、茶葉会社が速やかに管理コントロールの手段に手を加え、製品のリスクを減らし、高効率で合理的な農薬残留基準の更新への対応を行うことを望んでやみません。

 

中国の最新の農薬残留についての基準でした。
EUへの輸出などを視野に、中国国内の基準を徐々に厳しく引き上げてきているのですが、前回の改訂から2年も経たないうちの異例の改訂となったようです。
日本の基準より中国の基準の方が厳しい、というケースも今後は増えてくることでしょう。

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