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華南植物園、烏龍茶の香気の謎に迫る

烏龍茶の香気が生まれるメカニズムについて、華南植物園の研究チームが論文を発表したようです。

中国は比較的古くから茶樹(Camellia Sinensis)を発見し利用した国家で、今から数千年の歴史があります。絶えず変化を続けることにより、現在の六大茶類が形成されました。六大茶類は主に茶葉の加工方法によって、緑茶、白茶、烏龍茶、紅茶、黄茶と黒茶に分類されます。その中で、烏龍茶は六大茶類の中ではとくに中国に特有の茶葉の種類です。この六大茶類の中で、烏龍茶の香気特性は豊富であり、この茶類の注目すべき品質特性となっています。このため、烏龍茶の香気の県級はずっと茶葉の研究領域では注目点となっていました。

ここ数年、中国科学院華南植物園の楊子銀氏の研究チームは、烏龍茶の加工工程において香気が酵素によってどのように形成されるかのメカニズムを解析していました。茶葉の中には香気配糖体がやや多く含まれており、香気配糖体の酵素による水解は茶葉の加工工程において遊離態の香気を形成する主要な原因の1つと認識されてきました。研究チームは、香気配糖体の酵素による加水分解が烏龍茶の香気の酵素による形成に関与するかどうかを考察しており、その研究によれば、烏龍茶の加工工程で酵素が活性化している段階では、配糖体の水解酵素と香気配糖体の接触は無く、酵素による水解反応は発生していないことが分かり、このため烏龍茶の香気の酵素による形成を促すのは主に香気配糖体の酵素による水解では無いとしました(Guiら。2015年)。さらに烏龍茶の香気の酵素による形成を研究するため、華南植物園の博士である曾蘭亭氏は、烏龍茶の香気の酵素による形成とストレスの関連性について研究しました。その他の茶類と比較して、烏龍茶の加工過程は細胞の活性状態にある時間が比較的長く、かつさまざまなストレス要因が存在します。たとえば、茶摘みによる損傷、萎凋による乾燥、熱と紫外線の照射、さらに做青を通じた連続的な損傷などです。このことにより、烏龍茶は非生物的なストレスを受けた後の茶葉の香気における影響を研究する上で、生物学の基礎理論における良い研究材料なのです(冒頭の図)。

さまざまなストレス因子を選別することで、烏龍茶の加工工程において、損傷と低温ストレスが茶葉の香気の酵素による形成において鍵となるストレス要因であることが分かりました。烏龍茶の加工工程において、做青の段階で連続的に損傷を受けることは、生物合成とは異なる経路での香気物質をもたらします。たとえば、インドール、ジャスミンラクトンおよび(E)-ネロリドールの合成の鍵となる要素であるCsTSB2、CsLOX1、CsNESのレベルが高まり、これによって香気物質の蓄積が促されます。このほか、低温と損傷の2つのストレスは、この香気物質の合成に顕著な協同作用をもたらします。その主要な原因は低温と損傷のストレスは茶葉の香気形成の上流信号物質のジャスモン酸類の含有量とその合成に関与する鍵となる転写因子であるCsMYC2の発現水準を高めます(曾蘭亭,2018。Zengら,2016,2017,2018,2019a,2019b。ZhouとZengら,2017)。研究では烏龍茶の加工過程中の香気の酵素による形成は主にストレスの影響と関連があるとしています。
これまでの人々の研究レポートと研究チームの関連する研究の累積により、研究チームはTrends in Food Science & Technology誌において、オンライン上でこれらの論文を発表しました。

 

専門用語の多い文章なので、完全に訳せているとは思えませんが、烏龍茶の香気の発現には、さまざまなストレス因子が関わることが報告されたようです。
おそらく以下の論文だと思われます。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0924224420306245

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