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安吉白茶の歴史-1株の茶が1万ヘクタール以上に

近年の中国茶の成功例の一つとしてあげられるのが安吉白茶です。
一株のお茶がどのようにして広まっていったのかを数値を示して流れを振り返っていた記事がありましたので、ご紹介します。

 

茶樹品種の白葉1号の元の名前は安吉白茶で、かつては大渓白茶、山河白茶、湖州白茶などの名称が用いられていました。産業権を考慮したとき、商品のお茶と茶樹品種が同じであると、概念が混沌とすることから、2004年に白葉1号という名に定められました。

白葉1号の茶樹は安吉県の天荒坪鎮大渓村の海抜800mあまりにある桂家場が原産で、そこに僅かに一株だけあった樹齢100年になろうかという野生の状態の白茶の樹でした。生長環境は山が折り重なり、雲霧がたなびき、竹がメインの林は年中通して緑に覆われ、花崗岩の風化によって出来た土壌であることからカリウム、マグネシウムなどの微量元素を比較的多く含みます。一年のうちの無霜期は短く、冬の低温の時期が長くて、かつては最低気温がマイナス10℃を下回ることもあり、相対湿度も高いです。このような生態条件の下で発生した突然変異が独特の遺伝特性をもたらし、規律的に白化し緑に戻るという現象と高アミノ酸低ポリフェノールの特性を備えるようになりました。

70年代、安吉県の林業作業員がこの茶樹を発見する。
1980年8月、県政府が保護のための予算をつける。

1981年、浙北茶樹良種選育タスクフォースが設立。1982年4月、タスクフォースのスタッフがこの野生茶樹から挿し穂を537本取り、県の林業科学研究所で挿し木を行う。成活したのは288株。
1983年3月、品種の対比試験区画に移植し、82本を移植。75本が成活。白茶1号が1株だけの歴史が幕を下ろす。

1987年、安吉白茶開発基地試験タスクフォースが設立。試験区画の木から挿し穂を取り、継続的に繁殖を行う。1990年末までに、県の林業科学研究所内に5.6畝の茶園となる。

普及段階:一

1990年、安吉県渓龍郷は地元の庶民に安吉白茶を植えることを奨励し始める。1995年までに渓龍郷では100畝を上回る安吉白茶があり、”千畝白茶基地”の建設が計画された。1996年、安吉県の全域で摘採可能な茶園は200畝に達し、年間の乾茶の産量は千斤たらずとなり、1996年の500g当たりの販売価格は1500~2200元であった。
1997年、安吉県の白茶栽培面積は590畝。
1997年、安吉県の白茶栽培面積は1328畝。
1999年、万畝茶園基地を建設。万畝茶園に向けて邁進を始める。
2000年、安吉県の白茶栽培面積は1万畝に達し、年間の産量は6000kgに到達し、産出額は2000万元近くになる。”渓龍郷黄杜村、皈山林場”安吉白茶模範園区の建設が計画される。
2001年、安吉県の白茶栽培面積は1万6000畝に達し、年間の産量は18000kg、産出額は1億元を超える。
2002年、安吉県の白茶栽培面積は1.8万畝、年間産量は13.5トン、産出額は1.2億元を超える。
2003年、安吉県の白茶栽培面積は2.5万畝、年間の総産量は150トン、産出額は1.5億元。
2004年、安吉県の白茶栽培面積は3万畝、年間の総産量は200トン、産出額は2億元に達する。
2005年、安吉県の白茶栽培面積は3.7万畝、年間の総産量は270トン、産出額は3.5億元に達する。
2006年、安吉県の白茶栽培面積は4.5万畝、年間の総産量は330トン、産出額は3.5億元。
2007年、安吉県の白茶栽培面積は5万畝あまり、年間の総産量は370トン、産出額は4億元。

普及段階:二

2008年、安吉県の白茶栽培面積は9.1万畝、年間産量は675トン、産出額は6.7億元。”安吉白茶”は安吉県全県の農民の1人当たり収入を1875元増加させ、増収の日中では全県の農民の一人当たり総収入の20%近くを占めるようになる。
2009年、安吉県の白茶栽培面積は9.35万畝、年間産量は800トン、産出額は7.8億元。栽培農家は5800戸、関連産業従事者は20万人あまり、全県の農民の一人当たり収入の直接的な増収額は2000元近くとなる。
2010年から、安吉県政府は林を伐採して茶を植えることによる土壌流出などの問題を防ぐために、安吉白茶の栽培面積に厳格なコントロールを行うことにし、基本的には10万畝前後を維持することとした。産量は850トンに達し、産出額は10億元近くになった。
2011年、安吉県の白茶栽培面積は10万畝に近くにまで発展し、年間産量は1000トンを超え、産出額は11.6億元、関連産業従事者は二十数万人となり、全県の農民はこれによって一人当たり2000元以上の増収となる。
2012年、安吉県の白茶栽培面積は既に10万畝に達し、年間産量は1200トン、産出額は13.3億元。
2013年、安吉県の白茶栽培面積は既に10万畝に達し、年間産量は1300トン、産出額は14.5億元。

保護段階:

2014年、安吉県の白茶栽培面積は17万畝に達し、栽培農家は15800戸あまり、茶葉加工企業は350社(そのうち商工業登録社は200社)、安吉白茶関連産業の従事者数は二十数万人に達する。年間産量は1800トンに達し、産出額は20.16億元、このことだけで全県の農民の一人当たり収入は5800元あまり増加した。2014年、安吉県全域の森林地域では、林や竹林の伐採を行って茶を植える行為が一切禁止され、森林資源の保護が強まり、良好な森林生態環境を維持することになった。
2015年、安吉県の白茶栽培面積は17万畝に達し、栽培農家は15800戸あまり、茶葉加工企業は350社で、茶葉専業合作社31社、安吉白茶関連産業の従事者は二重数万人に達する。安吉白茶の産量は1870トンに達し、産出額は22.24億元、安吉県の36万人の農民は一人当たり5900元の増収を実現。
2016年、安吉県の白茶栽培面積は17万畝に達し、年間産量は1870トン、産出額は22.58億元。
2017年、安吉県の白茶栽培面積は17万畝、年間産量は1860トン、産出額は24.74億元。
2017年7月、安吉県は『林や竹林の伐採を行って茶の栽培を禁止することを管理する16の措置』という通知を発表し、県内全ての森林地域では、林や竹林の伐採を行って茶を植える行為が一切禁止されることが決定し、森林資源の保護を強め、良好な森林生態環境の保護が行われるようになった。
2018年、安吉県の白茶栽培面積は17万畝、年間産量は1860トン、産出額は24.74億元。
2019年、安吉県の白茶栽培面積は17万畝で安定し、総産量は1890トン、総産出額は25.3億元に達した。県内の全ての人民の一人当たりの収入増加は七千元あまりとなり、9年連続で全国茶葉公共ブランドのベスト10入りを果たす。

 

本格的な栽培開始は1990年ですので、30年ぐらいの歴史しかないお茶ですが、元々は1本の木がここまでの規模・産業に育つとは驚きです。
県内での過度な茶畑の増加は環境破壊に繋がるので、2014年以降は茶園面積を17万畝(11,390ha)程度にコントロールされているそうです。
※統計データが途中で急増することがありますが、これは中国特有の事情だと思います。

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