2月から茶摘みが始まっている四川省の産地ですが、販売価格が例年よりも伸び悩みを見せているようです。
四川省宜賓市の筠連(いんれん)県の様子をご紹介します。
「今日の1斤のお茶はだいぶ良い値段で売れたよ!」先日、宜賓市筠連県の巡司鎮にある瑞鑫茶業の買い上げ拠点で、地元の茶農家たちは売れたばかりのお茶の代金を数えていたり、”茶葉の買い上げ価格が上がって、今年は収入が確保できそうだ”と話していました。
筠連県は茶の生産の盛んな県ですが、新型コロナウイルス肺炎流行の影響を受けて、生葉の購入価格は相対的に低くなっていました。
”去年、茶葉を摘み始めたときは、生葉は1斤50元前後で売れましたが、今年は40元でしか売れません。この2日間ほどで買い上げた価格は1斤あたりさらに1,2元少なくなっていました”と地元の茶農家は言います。”茶葉の摘み取りは多くの人手が必要なので、この価格では人件費を取り除くとほとんど残らず、昨年と比べれば、収入は大打撃です”
生葉の価格が低くなれば、茶農家の収入は大幅に縮小します。このため、筠連県の関連部門は何度も地元の茶葉会社の責任者を集めて座談会を行い、茶葉会社の販路を拡大することを積極的に支援することを提案し、企業に買い上げ価格を高めてもらい、茶農家のために利益を分けるように希望しました。
この呼びかけは茶葉企業が応じ、筠連県の瑞鑫茶業は真っ先にこれに応じました。「病気の流行に直面し、企業としても責任を果たさなければなりません」と筠連県瑞鑫茶業の責任者の劉定銀氏は言います。「会社として以前の利潤を、茶農家のために提供し、生葉価格を引き上げることで、茶農家の損失を最も低く出来るように努力することを決定しました」
「2月21日から、会社は率先して生葉の買い上げ価格を高め、生葉は1斤40元だったものを45元にし、”福選9号(訳注:品種名)”も1斤70元から75元に引き上げ、その他の茶葉品種の価格も引き上げています。21日だけで13000斤あまりの生葉を購入しました」と劉定銀氏は言います。「1斤の生葉が5元値上がりすると仮定して計算すると、この日の会社の支出は7万元近く多くなります」
取材によると、現在、筠連県の茶園総面積は26万畝に達し、県内の茶農家は4.78万戸あり、茶葉専業組合は117社、家庭農場は32箇所、茶葉加工企業は69社あります。
新型コロナウイルスによる感染症の流行で販売不振が伝えられる中で、茶業者としては高く買いたくても買えない、というのが本音だと思います。
しかしながら、茶業は貧困扶助のための産業でもあり、その買い上げ価格は農家の収入に直結します。
そのようなことから、地元政府が買い上げ価格に介入してくるので、このようなことが起こるのですが、かの国の茶業者の経営も楽ではありません。