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安渓、お茶と豆類のセット栽培が高評価

福建省安渓ではお茶と豆類をセットで栽培する試みが行われており、専門家から高い評価を得ているそうです。
その効果とはどのようなものなのでしょうか?

福建安溪“茶豆套种”模式获院士点赞

近日,在安溪县茶树高效生态环保栽培示范观摩会上,来自全国各地的著名农业专家齐聚龙涓乡举源有机茶生产基地,与安溪县涉茶部门、合作社、茶农代表进行深入交流,把脉“茶豆套种”模式,进一步推进安溪县生态茶园建设。

本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://news.t0001.com/a/201607/00005110.html

先日、安渓県茶樹高効生態エコ栽培模範品評会において、全国各地からやって来た著名な農業の専門家が龍涓郷の挙源有機茶園に集まり、安渓県の茶業部門、合作社、茶農家の代表と交流を深めました。”茶と豆類のセット栽培”モデルは、さらに安渓県の生態茶園の建設を進める見込みです。

<茶園で実践:”茶と豆類のセット栽培”は一挙多得>

今回の品評会の発起人で、福建農林大学根系生物学研究センター主任の廖紅氏は、茶園の高効率、生態、エコモデルを研究する中で、今年から、彼女とそのチームは、安渓に入り、挙源茶葉合作社と連携し、我が省で初の科学小院を立ち上げました。ここで高効率なマメ科の作物によって、茶樹の養分の利用効率を高め、肥料を減らし効益を高めるなどの研究成果に到達しました。これを茶園の建設に転用することで、茶の産量と品質を高めたのです。

廖紅氏は、茶と豆類のセット栽培には3つの明らかなメリットがあると考えています。1つは、大豆は根粒菌を生産し、それは窒素の固定化作用があって、土壌の肥力を高めます。茶園に大豆をセットで植えれば、窒素肥料を少なくできるか或いは施肥しなくてもすみます。2つめに、コガネムシ、アブラムシなどはより大豆の葉の方を好むので、茶樹への虫害を減らすことができます。3つめは、茶の産量を増加させることで、実験によると、大豆の近くにある茶樹は1平方メートル当たり190個の芽の数があり、これは近くに大豆が無い茶樹に比べて倍以上の数字です。

「茶と豆類のセット栽培は、除草に替わることもでき、茶樹の虫害を減少させ、さらには茶の産量も増やせるということで、一挙多得なのです。」と挙源茶葉合作社の責任者・劉金龍氏は言います。高校との協力では、合作社は600畝の茶園に大豆をセットで植えましたが、周辺の茶園と比べると、大豆をセットで植えた茶葉の色はより緑が強く、香味も十分で、味わいはさらに旨みがあって爽やかです。

「豆を植えて虫を引き寄せることは、茶園の基礎管理を良くすることになります」大豆のセット栽培を行うと同時に、劉金龍氏は福建農林大学根系生物学研究センターと、大豆の選別園地、有機肥料とマグネシウム肥料の試験園地を設けて、茶園の土壌における有機質の含量を高め、土壌を改良し、茶樹の健康的な成長を促し、茶の品質も大きく高まりました。

 

<全国の専門家は力を入れます:全体を標準モデルとします>

挙源有機茶園で、80数歳の植物病理学者であり中国科学院院士の謝連輝氏は、茶樹と大豆の生長をつぶさに観察し、このような”茶と豆類のセット栽培”について、評価を行いました。

謝連輝氏は、茶樹の病虫害を大豆の葉に引き寄せることは、病虫害の防除を良く行うことになり、農薬の使用もコントロールできて、農薬残留の問題も解決しますし、安渓鉄観音の茶葉の品質安全も保証できます。「茶園の生物多様性を保持するために、”茶と豆類のセット栽培”というやり方は普及させる価値があります」と謝連輝氏は言います。茶園に大豆をセットで植えれば、肥料の効率も高まり、光の効率や、作業の効率も高まるという効果があるので、経済的にも、環境的にも、社会的にも多重の効果が得られるでしょう。

「経済的なメリットを良く計算して、標準化し、最終的には研究成果としたい」と華南農業大学教授の駱世明氏は、”茶と豆類のセット栽培”のやり方に期待を寄せています。彼は安渓県の学校と企業が緊密に連携し、”茶と豆類のセット栽培”の完全な技術標準をつくり、かつ安渓県と周辺地域で徐々に普及させていけば、三年もしたら、全国から皆が学びに来るモデル的な生態農業プロジェクトになると言います。

「”茶と豆類のセット栽培”は新しい道を切り開き、これは茶園の耕作方法における1つのイノベーションです」 と福建省農業科学院副院長で、研究員の翁伯琦氏は考えています。茶園に適切に大豆を植えれば、全省の茶産業が直面している土壌の酸化の問題、茶の安全への疑問、茶農家の効益の上昇という三大問題をある程度解決することができます。翁伯琦氏は、これをベースに、安渓県は茶園の生物多様性の調査をさらに本気になって展開し、生態茶園の建設推進と、茶産業の健全で持続的な発展の促進に繋げていくべきだと提案しています。

”茶と豆類のセット栽培”モデルは安渓県におけるテストでは十分な効果を上げていますが、どうのようにして茶農家にこの新しいやり方を受け入れてもらえば良いのでしょうか?福建農林大学副校長の林文雄氏は、「まず伝統的な習慣を変えるためには、まずとても”甘い”データによって回答をする必要があります。次に、さらに研究を深めて、より詳細化し、実証的なデータによって茶農家の心配する問題に回答しなければなりません」と述べています。

 

茶園に他の栽培を植えたら、栄養が取られてしまって・・・というイメージを持ってしまいがちですが、一部の植物を適切に植えれば、上手くバランスがとれ、品質が高まるという実験結果が出ているようです。茶樹だけを見るのでは無く、茶園とその周囲の環境の生物多様性を上手にコントロールすることで、効率を上げていくという方向に、中国の専門家の関心は向かっているようです。

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