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”普洱晒紅”とは一体何か?

最近、急に出てきた言葉として、”普洱晒紅”という用語があります。
字面だけを読めば、普洱産の晒青(日干し)紅茶?という感じなのですが、それについて記載した記事がありました。
香港とプーアル茶のあれこれを含めて、ご紹介します。

“普洱晒红”将从香港起航成为世界名茶

茶,从普洱来;路,从普洱起。普洱是茶马古道的源头,最后的古道已成追忆,新的茶路仍在延伸。秉承先祖的创造,将茶叶散往大洋彼岸,在茶马古道的终点寻找新的起点。

本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://news.t0001.com/a/201508/00002475.html

茶は普洱からやって来て、道は普洱に始まります。普洱は茶馬古道の起点で、最後の古道は既に追憶になって、新しい茶路は未だに伸びています。祖先たちの想像を受け継ぎ、茶葉は大洋の彼方へまで広がり、茶馬古道の終点探しこそが新しい起点となります。

普洱は天が人間に与えた1つの楽園で、中国だけでなく世界的にも気候の心地良さの指数は最高で、生物の多様性も最も多く、空気の清潔度もとても良くて、人類が住むのに最も適した地域の1つです。普洱は四季、春の如しの気候で、全世界でも北回帰線の通る最大のオアシスで、人と自然の調和する緑の宝石のような土地です。
3000年あまりも前に、普洱の先人たちはこの地で茶を育て、栽培していました。今でも、普洱の地域内には、まだ120万畝の野生古茶樹群落と18万畝の栽培型古茶園があります。さらに3540万年前の幅の広い木蘭の葉の化石と2500万年前の中華木蘭の化石もあります。2700年あまりも育った鎮沅千家寨の“世界野生型茶樹王”もあり、景東丫口寨には千年あまりの“人類栽培馴化野生茶樹活標本”と瀾滄邦崴千年“世界過渡型茶樹王”などがあります。普洱にはさらに、世界文化遺産に申請中の景邁山千年万畝古茶園があり、”中国藤条茶之郷”とされる老烏山古茶園、困鹿山皇家貢茶園など26座の古茶山があります。
普洱は茶樹の野生型-過渡型-栽培型の茶樹の変化していく様が完全に保存されていて、これは人類が茶樹を発見、利用そして馴化をさせていく文明の序列となっています。2013年5月、国際茶葉委員会は普洱に正式に”世界茶源”の称号を与え、その標章は普洱を世界の茶の原産地としての地位を世界中に知らしめることになりました。

時間と空間の出会いが雲南プーアル茶を作りあげました。これは雲南大葉種の生葉を原料として晒青と発酵などの特定の技法で作ったお茶のことです。生茶と熟茶があり、太陽と月の関係のように互いに調和して共存し、お互いを補い合っています。生茶には戻りの甘さと香り、甘みがあり、熟茶は温和で潤いがあり、綿々と続きます。異なる味わいと同じように品質もそうで、寝かせれば寝かせるほど香りが良くなり、時間の経過がプーアル茶を違った味わいにします。

生とは何でしょうか?熟とは何でしょうか?
いわゆる生茶とは、雲南大葉種の生葉を、萎凋、殺青、揉捻、日干ししてつくられた普洱晒青茶を原料として、再加工を行った製品茶です。生茶の香りは清らかで長く続き、滋味は濃く厚みがあって戻りの甘さがあり、水色は緑黄で清らか、明るさがあり、茶殻は分厚くて黄緑色です。
いわゆる熟茶とは、普洱晒青茶を人工的な発酵、乾燥などの技法で加工して作った製品茶のことです。熟茶の色沢は紅褐色で明るさがあり、香りには独特の陳香があり、滋味は深みと厚みがあって戻りの甘さがあり、茶殻は紅褐色です。

さまざまな悩みから解放されて、一壺のプーアル茶を淹れ、お茶を味わい、世間話をして、簡素で自然に生活します。プーアル茶は淹れ方の技術と味わい方の芸術、その飲用方法も豊富で、何も入れずに飲んでも良いですし、何かを混ぜて飲むのも良いでしょう。プーアル茶の茶湯は橙黄で濃厚、香りは高くて鋭く、持久性があり、香りのタイプは独特で、味わいは濃くて厚みがあり、煎がとても効いて、十数煎を淹れてもまだ香りと味があります。

セットの茶道具を使っても良いですし、簡易なティーサーバーを使うのも良いですが、非常に熱いお湯を使えば、プーアル茶の香りが一杯から四方にあふれ出ます。もし時間があるのであれば、茶藝師の洗練された淹れ方を見ることも出来ます。また田舎の庶民の家に行けば、それぞれの地域、それぞれの民族の特色あるお茶の飲み方を見ることも出来るでしょう。世界はとても広くて、プーアル茶も郷に入れば郷に従います。

プーアル茶を淹れるときの茶葉の量の多寡は喫茶習慣、淹れ方と茶葉の個性に密接な関係があります。プーアル茶の茶の使用量は一般的には5~10gですが、飲む人の人数だったり、茶具の大きさによっても決まります。お茶の性質から言っても、お茶を使う量は少し違いがあって、たとえば熟茶や陳年茶は少し多めにし、生茶、新茶は少し減らす、などです。

普洱茶を味わうときには必ず熱いうちの香りを嗅がなければいけません。杯を持ち上げるときに鼻を近づけ、このときに陳年の味のある芳しい香りが鼻にやってくると、心が優雅な気持ちで満たされます。プーアル茶は味わう際には注意すべきことがあります。啜り飲むように口に入れ、その時に本当の韻を知ることができ、茶湯が口に入ると少し苦く渋く感じることもありますが、茶湯が喉と舌の間に少し留まるような時間を設けると、茶湯が歯の間に回り込み、歯と歯茎に染みこみ、舌の根の部分から甘さが舌の方に戻ってきて、このときに口いっぱいの香りと、甘露な”つばの出てくる感覚”があり、これによって、精神が清々しくなり、味わいが広がり、それが長く続いてなかなか消えることはなく、このときの味わいこそが”回韵”を最もよく感じることが出来ます。

香港では、清代や民国以来、プーアル茶の南洋への販売とヨーロッパへの輸出の商業的な集散地で、かねてより”茶港”の美称がありました。香港はまた陳年プーアル茶を飲むことの発祥の地でもあります。プーアル茶は時間が経てば経つほど美味しくなるというのが、香港人の確かな信条なのです。

1938年、雲南鳳慶茶廠が紅茶のサンプル500gを試作し、郵便で香港の茶葉市場へ送ったところ、中国紅茶の上等品との評価を得て、これにより雲南の滇紅茶の名声が高まり、全国や世界へ出て行ったのでした。

今日、天下普洱茶国公司が発売する”普洱晒紅”という新製品は、雲南の茶葉の名声を高めた香港という場所にやって来て、ここから出航していこうとしています。紅茶の領域において、自分の伝説を書き写すかのようです。
普洱晒紅とは何でしょうか?簡単に言えば、プーアル茶の日光乾燥という製法をつかった紅茶です。その生産技法は雲南では既に100年以上の歴史があり、しかし各地ではそれに違いがあって、統一的な名称、概念、標準などの規範が長らく無い状態が続き、それゆえに歴史の大河の中に埋没していました。
2年あまりの発掘、整理、規範化を経て、今年8月、天下普洱茶国公司は独自に『普洱晒紅企業標準』を雲南省衛生庁から認可を受け、今後、普洱晒紅の地方標準、国家標準を制定して、基礎を固めていく計画です。こうして”普洱晒紅”が表舞台に登場したのです。

一般の紅茶は燻して乾燥させる技術を用いており、高温で乾燥させることによって香りを高め、茶に含まれる物質の活性を失わせ、後発酵しないようにしますので、24ヶ月前後しか保存が出来ません。
しかし、”普洱晒紅”は太陽による天日乾燥や低温乾燥であるため、プーアル茶の晒青荒茶と同じように茶葉の活性は保存され、失活していない茶ポリフェノールなどが後で転化することが出来るので、長期の保存をすることが出来、プーアル茶と同じように古くなればなるほど香りが良くなり、水色も良くなっていき、味わいももっと温和で潤いのあるものになります。

普洱晒紅は苦さや渋さを減らす独特の技法を用いており、甘い香りと滑らかな口当たりという特色を備えています。何度もお茶を淹れられて、戻りの甘さも強く、薄くしても飲むことができ、滑らかな甘さがあります。何も淹れずに飲むこともできますし、何かを加えても、味は良くなります。何年か保存した晒紅は、紅い水色・紅い葉っぱで、陳香・薬香がはっきりして、性は温和で、利尿、胃を暖める効果があります。できあがったばかりの晒紅は、少し青渋みがあり、かすかな香りがあり、茶殻は生き生きしていて、茶湯は紅くて艶があり、甘く滑らかな口当たりです。

香港の人々にとっては、茶葉もはやただの飲み物ではなく、歴史の変化と研磨の中で、香港人にとっての一種の無意識の衝動であり、文化であり、生活スタイルになっています。私たちは”普洱晒紅”が滇紅茶と同じように、香港から出航し、世界中に広まっていき、”世界名茶-普洱晒紅”となる目標が実現することでしょう。
 

月光白が出てきたときも白茶か黒茶か分からないという、曖昧な情報が流れたので、ここできちんと整理しておきましょう。

記事の要点をまとめると、

・普洱晒紅とは、最近発売された雲南省普洱産の紅茶である。
・天下普洱茶国公司という会社が開発したものだが、今後、地方標準や国家標準を取得する計画なので、他のメーカーが参入する可能性もある。
・紅茶の製法では、発酵をさせた後に乾燥をすることで熱を加え、酸化酵素を失活させます。が、この紅茶は、乾燥を日干しないしは低温乾燥で行うため、酸化酵素が残存する。
・酸化酵素が残存するので、プーアル生茶と同じように味わいの変化が期待できる。

ということですね。

個人的には酵素を残したところで、プーアル生茶と同じような好ましい変化が生じるの?という疑問があるので、まずは飲んでみないと何とも言えないですね。

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