中国茶ファンのためのデータベース&ニュース

  1. 茶藝と茶空間
  2. 138 view

台湾の茶人たちの間で野生茶が人気に

中国のお茶の世界も台湾の茶人の影響をかなり強く受けるようになってきています。
そんな台湾の茶人たちが今、注目しているのは野生茶である、という記事がありました。

台湾茶人喜“天然滋味” 野茶受追捧

半甲子前,茶园的栽种相当仰赖化学肥料和农药,导致茶叶质量逐年下滑。晚近不一样了,为求茶的天然滋味,无毒和有机茶园兴起,不少人转而积极追求野茶。

本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://news.t0001.com/2015/0202/article_177065.html

30年ほど前から、茶園で栽培されているお茶は、かなり化学肥料や農薬に頼るようになり、茶の品質は年々低下していました。最近は少し違っていて、天然の味を求めるようになり、無農薬や有機茶園が注目されるようになり、一部の人たちは積極的に野生茶を追うようになりました。

野生茶の定義は定まっておらず、自然の原生態で成長し、人工による痕跡の無い茶樹で、これは福建省の武夷山の産地では常識です。これらの野生茶は、多くは小喬木か喬木で、灌木の物はほんの少ししか存在しません。樹齢の定義でいけば、少なくとも数十年で、多くは100年以上といったものです。茶樹が高く、大きくなると茶葉の品質もより高まります。中には険しい山の中にあるものも有り、そうしたお茶の品質はますます貴重なものとされます。陸羽の『茶経』には、”野生が上で、茶園のものはそれに次ぐ”と書かれているように、ここから野生茶の地位を見ることができます。

茶園の栽培が台湾に到ると、野生茶との垣根はやや曖昧で、それぞれの産地ごとにまた定義が違ってきます。深坑茶区のお茶の栽培には150年の歴史があり、多くの茶園は山の斜面にあり、後に荒廃し、3,40年が経過して、林になってしまっています。林の上の方にあるのは、ソウシジュやクスノキなどが主で、下の方にはオガタマノキ、ミサオノキなどがあり、さらに下にはボチョウジ、タイワンウメモドキそしてシダ植物が多くなります。この地区では、林のはしの方に僅かに2,3株が残っていて摘むことができます。しかし、見る人によっては、7,8年荒廃した古い茶園で、雑草の中にあるような茶園のことを指すこともあります。喬木の進入が無ければ、ずっと草が揺れ動く状態になっており、野生茶は日照と風の中にあることができて土壌からの栄養も十分で、山の朝露のエキスも吸収できます。

ここでは、ある専門の栽培者の観点に立ち、野生茶とは自然農法によって栽培を行ったもので、多くが自然な成長に任せられたもの、という定義を取りたいと思います。長年、地元の茶農家はみな農薬の噴霧や化学肥料の使用を習慣的に行っており、また定期的に剪定を行うことで、茶園を腰の高さほどに保ってきました。彼が初めて栽培を行って、茶園が草や木が高くなってしまったとき、家の人や近所の人からは笑われたそうです。

自然農法の茶園は、高い草むらに隠されているかのように見えます。茶摘みの時は、よくはしごをかけて、樹の頂上の方から摘んでいきます。摘める量は多くはありません。野生茶は自然に長くなるので、香りが濃厚に充満しています。これを焙煎して作ると、飲んだときに奥行きのある趣深い味わいになります。

深坑の野生茶の多くは青心烏龍で、軽く焙煎した包種茶や重発酵の東方美人にもなります。さらには全発酵の工程による紅茶にもなります。野生茶の人気が出た後、これらの古いお茶の栽培は、最近また魅力を増してきています。多くの人が山を訪ねて、失われた茶園を探し、また新たな価値を探しています。

これまでは農薬や化学肥料を使い、産量を増やすことで、ある程度の品質のお茶を安く提供するのが農家の生き残る道でした。しかし、最近は、そうしたお茶では飽き足らないお茶の愛好家の層が出てきています。こうした人たちは、お茶が高いのも承知の上、というところがあるので、高額であってもこうした経済効率とは真逆のようなお茶を求める傾向があります。
全てがこうしたお茶ばかりになることは無いと思いますが、お茶の1つの多様化の方向性なのかな、と思います。

 

茶藝と茶空間の最近記事

  1. “囲炉冰茶”が厦門でヒット中

  2. 『無我茶会開催規範』の団体標準制定へ

  3. 潮州市、地方標準『潮州工夫茶藝技術規程』を公布

  4. お茶を淹れるときのお湯の注ぎ方は何種類ある?

  5. 小青柑の淹れ方3パターン

関連記事

PAGE TOP