日本では、よりマイナーな”宜興紅茶”と間違う人が出るくらい存在感の薄かった湖北省の紅茶「宜紅」ですが、既報の通り、ブランド化への動きを進めています。
それがどのようになっているか、という途中経過記事です。
湖北省统一打造并唱响宜红传统红茶品牌
今年初,我省新增3000万元财政专项资金发展以夏茶为原料的红茶和黑茶产业,统一打造并唱响“宜红”这个传统红茶品牌。眼下正是我省红茶的生产季,记者走访茶市发现,我省众多红茶企业品牌仍各自为政,茶叶品质参差不齐。专家称,湖北红茶要想像“金骏眉”、“信阳红”一样红遍全国,任重而道远。
本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://news.t0001.com/2013/0615/article_158221.html
今年の初めから湖北省は、夏茶を原料とした紅茶及び黒茶産業の発展のために、新たに3000万元の特別資金を用意し、かつての伝統的な紅茶ブランドである”宜紅”を統一的に打ち出すことを決めています。現在、湖北省では紅茶の生産シーズンにあり、記者が茶葉市場を訪問してみると、我が省には、あまたの紅茶企業ブランドが依然として自由勝手にふるまっており、茶葉の品質も揃っていません。専門家によると、湖北省の紅茶を”金駿眉”や”信陽紅”と同じように全国に広めることは、任重くして道遠し、だと言います。
昨日、漢口の茶葉市場近くのある茶葉店に行ってみると、記者が湖北紅茶を買い求めようとしていることが分かると、店主は大きな冷蔵庫の中から一包みの大きな袋に入った量り売りのお茶を取り出し、「これは芽の部分で作られた非常に良い紅茶だ」と言ってきました。茶の一部は黒く、一部はやや黄みがかって、1斤380元でした。
店主は、これは自分の工場で作った宜紅で、宜昌産の茶葉であり、品質も保証できると言います。量り売りのお茶の他には、パッキングされたお茶もあり、これは半斤880元で販売されていました。
また別の茶葉店に行ってみると、真っ黒な宜紅を見つけました。1斤40元でした。店主は、倉庫から”宜紅工夫茶”という鉄の缶を取り出してきて、「買ったお茶をこの中に入れると、見た目は高く見えるので、人にあげても自分で飲むのも良いですよ」と言います。
その後、記者は鄧村の緑茶専門店に行ってみました。鄧村緑茶公司は、2010年8月に”宜紅”の登録商標使用権を獲得しています。この店内では、宜紅は贈答品のお茶と見なされており、最も安い紅茶のセットが480元で、その中身の茶葉はわずか4両にすぎず、1斤1200元の茶葉に相当します。
宜紅の価格はこのように数十倍の差があり、一体どれが本当の宜紅なのでしょうか?
正当な”宜紅”の代理店の経営者は、「標準に合致していて、宜昌、恩施一帯の茶葉工場で作られたものだけが”宜紅”のブランドを付けることを許されます」と言います。彼によれば、歴史上、紅茶は輸出が主であったので、原料は夏や秋に摘んだ低級品の茶葉が種で有り、それゆえに価格は比較的安かったのです。ここ2年ほどは、”金駿眉”や”信陽紅”などの高級紅茶が国内でブームになり、私たちの省も真似をし始め、1斤数百元から千元にもなるような高級紅茶を売り出し始めました。
歴史上、湖北省の宜紅は、祁紅、滇紅と並んで、中国三大紅茶ブランドの1つであり、今日に至るまで170年あまりの歴史があり、雲南の滇紅よりも早く開発され、祁紅よりも産量が多かったのです。しかし今では、宜紅の発展は祁紅、滇紅の後塵を拝しています。
今年の年初、我が省は3000万元の特別資金を用意し、宜紅の統一ブランドを打ち出し、湖北の紅茶の名声を高めようとしました。しかし、記者が前日迄市場の状況を見た限りでは、ブランドを打ち出した効果はまだ現れておらず、宜紅の市場は乱れた状態にあります。製品がまちまちなだけでなく、良いものと悪いものを区別することが難しく、さらに様々な紅茶ブランドが並んでいて、宜紅との高低差を比較するのが難しいのです。これには、楚紅、武当紅、恩施紅、利川紅など10あまりのブランドがあります。
湖北のお茶を研究している専門家は、我が省の80%の茶葉は全て緑茶であり、主に春に摘まれますが、70%の夏・秋茶の資源はそのまま無駄になっています。それゆえにこれを紅茶の原料として加工したので、これが我が省の茶葉会社が紅茶を作り始めたきっかけになっています、と分析します。
「ブランドが烏合の衆になっていて、文化的に各自が好き勝手に振る舞っているというのが、我が省の紅茶産業の現状です」と湖北省陸羽茶文化研究会の秘書長は話します。逆に、雲南の滇紅や福建省の”金駿眉”や河南省の”信陽紅”を見てみると、どれも1つのブランドを市場に推し進めていくことで、これによって地元の紅茶ブランドの影響力を高めており、ブランドの実力を高める上では大変大きな作用があります。このため、我が省の紅茶も新ブランドを推進するか、あるいは企業の再編やブランドの購入、ライセンス使用、共同購入方式などによって、今のブランドを大きくする必要があります。
歴史あるブランド”宜紅”を復活させようというアイデアは良かったのですが、それまでに作られていた企業や地元が独自に打ち出していたブランドが併存しているので、全くブランド価値が上がっていないということのようです。
そもそも、宜紅のアイデンティティが、夏や秋茶の有効活用というところにあるのであれば、これは高級茶としてどうなの?という気もします。
こういうブランディングの問題というのは、日本のお茶でもあるような気がしますね。