杭州は茶館の多い街です。
数年前までは1人数十元の均一料金を掲げ、セルフスタイルのビュッフェが食べ放題、というスタイルの茶館が数多くありました。
しかし、この手の茶館は、今の杭州では下火になっているようです。
自助茶楼已经渐渐淡出杭州人生活圈
“你有多久没去自助茶楼了?”面对记者这一提问,不少人先是一楞,随后才恍然大悟似的发现“自助茶楼”这一名词已经淡出自己的生活很久了。
本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://news.t0001.com/2013/0315/article_158717.html
10年ほど前は、休み人もなると、セルフ式の茶館は大いに賑わっていました。
しかし、最近はほとんど行かなくなった、というのが杭州人の感覚だそうです。
お店側も、ただ手を拱いているわけではなくて、店のリニューアルが進行中だそうです。
まず、この手の茶館の先駆けとなった青藤茶館。
このお店の鳳起路店はリニューアルを行い、グレードアップしたお店になりました。
まず、セルフスタイルをとりやめ、商談ができたり、お茶や料理をじっくり味わえる店に変更したそうです。
これは単にお茶の飲み方を変えたということではなく、店舗の内装を変え、お茶の器やお皿に至るまで、ガラリと作り替えたのだとか。
このお店に入ってみると、江南の水の雰囲気を取り入れた内装になっており、木の素材感を活かし、街の中の田舎のような味を醸し出しています。
調度品や器なども手が込んでおり、その中にいると、非常に落ち着く環境であることを全身で感じられます。
青藤茶館の責任者によると、セルフスタイルの提供を止め、メイン商品をお茶に移したとのこと。
それと同時にビジネスランチや予約制の茶料理のを増やし、お客様により美味しくお茶を飲み、味わっていただける環境にしました、とのことです。
さらに客単価も上昇したようで、普通の喫茶では1名158元からで、茶料理を予約すると1名300元からになったそうです。
以前の青藤茶館は、お茶をじっくり楽しむというよりも、自分の好きな食べ物を好きなだけ食べ、みんなでワイワイとおしゃべりをしたり、トランプをしたり・・・というお店で、1人30元か50元もあれば1日中いられるというお店でした。
元々、杭州人は「自由」と「リラックス」というところに重きを置く気質があって、そこにこうしたセルフスタイルの茶館は、杭州人のレジャーとして歓迎されていたようです。
しかし、経済が発展するにつれ、近隣の農村での体験式レジャーや大型カラオケボックスの普及など、娯楽が多様化しました。
一方、セルフ式茶館は値上げが相次ぎ、今では1人78元とか88元というのが基本価格になっています。
そのため、「そんなに出すのなら、もっと別の選択があるはず」と、庶民は思うようになっているとのこと。
新しい青藤茶館では、いわゆるセルフ式の茶館とは違い、ビジネス客にターゲットを置いた落ち着いた店作りになっているほか、お客さんがお茶の味を追求するとともに、茶芸師との交流を楽しむお店になっているそうです。
これが、杭州人のもう一つの気質である「品格」や「格調」を重んじるという点にぴったりと来ているようです。
生活水準の向上とともに、お茶の品質や飲む環境へのこだわりが高まっており、これに合わせた店作りをしたようです。
もう一つの老舗である心源茶楼は、開業から14年になりますが、ここでも様々な取り組みが行われているようです。
「2000年に体育場路の武林広場の近くに1号店を出してから、2011年6月までに8店舗を構えました。
数年前と比較すると、確かに商いは薄くなりました。
2005年頃は、毎週末や祝日になると、1500平米ほどの店で、1日に1000人あまりのお客さんをお迎えしていました。
しかし、今はその半分くらいのお客さんしか来ません」とお店の方は話しています。
当時の平均消費金額が65元だったことから計算すると、1軒あたりの月商は200万元あまりにも達します。
なるほど、当時、雨後のタケノコのようにお店ができたわけです。
そうしたお店も、品質に問題があって淘汰され、いくつかの老舗茶楼が残ることになりました。
「現在、多くの茶楼がハイエンドのビジネス路線に転向しています。我々もその計画はあります」
「しかし、ハイエンドのお客さんというのはピラミッドの上のほんの一握りで、多くの消費者はその下にいます。
現在、多くの茶楼は訪れる人が少なくなっていますが、需要はまだ確かにあります。
たとえば、会社や家庭の集会、地域の敬老会のイベントなど、空間は狭まっていますがあるべき機能として、確かに存在しているのです。」
お客さんを呼び込むために、心源茶楼では定期的に自家製の養生花茶などを定期的に打ち出しています。
「プレッシャーあるけれども、杭州は世界に冠たる茶の都であり、我々はこの種の茶文化を守っていかなければならない」と語ってくれました。
1998年8月に湖畔居に携わってから16年あまり、現在、中国国際茶文化研究会の副秘書長と杭州茶楼協会の会長を務める朱氏は、ここ数年の杭州の茶楼について、感慨を持っています。
「杭州の茶楼はここ数年で変化をした。その一番は良いお茶が多くなったことだ。
2007年頃から、杭州の茶楼は地方にお茶を植えていった。
当時の湖畔居の場合、四川省の蒙頂山や雲南の布朗山、浙江省の安吉や桐廬などで茶園を作り、現地の農民に栽培を任せ、茶葉を直接茶楼に提供するようにした。
現在、茶楼で扱っている各種の名茶は、全てこうした茶園から直接供給されているのです。」
多くの人はコストの増加分を消費者に転化しているのではないか?と感じるかもしれません。
しかし、茶楼は自分でお茶を植えて、それを買っているので、中間マージンが省かれており、普通にお茶を買うのとコストはほとんど変わらず、しかも品質を保証しているのです。
現在、杭州には大小合わせて2000軒あまりの茶館があるそうです。
今までは庶民の身近なレジャーとしてセルフ式茶館が栄えてきましたが、娯楽の多様化によって、新しい道を模索せざるをえないようです。
こうした移り変わりの激しさも、中国らしい変化というべきでしょうか。