最近、中国の政府系メディアなどでも紹介されている”七輪を囲んでお茶”というブーム。
中国のSNSから火がついたブームなのですが、焼き物の街である福建省泉州市の徳化県では、このブームで注文が殺到しているそうです。
七輪の上でお茶を煮て、そのそばで落花生、ナツメ、サツマイモを焼き、茶と食べ物の良い香りに包まれながら、親しい友達とお茶を飲みおしゃべりをする・・・”七輪を囲んでお茶”はこのような儀式感と雰囲気をもったお茶の飲み方で、今年の冬にブームになっているものです。
これについての記述では、ある”火付け役”のSNSで1000万回を超える閲覧数があり、その話題はあるショートムービーのSNSでの再生回数は十億回を超えているそうで、その人気は想像に難くありません。
”七輪を囲んでお茶”のブームが広がるにつれ、今年9月、徳化県の焼き物の会社は科学研究チームを組織して電熱炉の開発を始め、研究チームは安全で、便利で、デザインの良いものの研究開発を行いました。
短期間のうちに安全性が高く、何段階も温度が調節でき、室内でも使うことができて、煙が無く、火が発生しない電熱式の七輪を開発しました。
電熱炉に用いる”芯”は自動で電源が切れ、20分間何も操作が無いと自動的に電源が切れるので、より安全です。さらに低い温度では保温ができ、中程度の温度ではお茶を煮ることができ、高温では素早くお湯を沸かすことができます。
12月20日、徳化県徳瓷生活科技有限公司の工場内では、自主開発した”七輪を囲んでお茶”用の陶磁器製七輪を従業員が組み付けていました。
取材によると、この会社は毎日2000台あまりの陶磁器製電熱炉を生産し、市場に販売しています。
電熱炉製品はネットインフルエンサーによるブームで爆売れしており、毎日生産している製品でも供給が追いつかず、オンラインの各販売サイトではすぐに売り切れてしまいます。
近年、徳化県は”ハイテク””ニュービジネス”を目標として、イノベーションと新しい発展戦略を推し進めており、陶磁器産業の全ての段階でのイノベーションを通じて、より良いハイエンドなイノベーションの土台をつくることを加速させ、重大プロジェクトを実行して、新時代に合った陶磁器産業への急速なバージョンアップを実現するために、県内全域で科学技術のサポートを実施しています。
中国ではコロナ禍もあって、空前のキャンプブームが起こっています。
どうもその流れで、このようなスタイルのお茶を飲むスタイルがブームになっているようです。
それにしても、このようなブームの芽を見つけて、いち早く製品を開発し、投入し、インフルエンサーが一気に販売をして行くというスピード感は、さすが中国です。