普洱茶は熟成させることによって、味が変化することは知られていますが、どのような成分が変化しているのでしょうか?
5つの成分について分かりやすくまとめた記事がありましたので、ご紹介します。
ご存知のように、普洱茶は寝かせれば寝かせるほど味がよくなるという特性があり、生茶を適切な環境下で自然に陳化させると、お茶の味わいはどんどん良くなり、茶湯の質もよりまろやかになります。
熟茶は人工的に直接発酵させた茶ですが、異なる環境、時間で保存すると、茶の味わいと湯色には一定の変化が起こります。
それでは、いったいどのような成分が普洱茶の変化をもたらすのでしょうか?
1.水分量
【ゆっくりと着実に増加】
科学的な研究によると、短時間のうちには、普洱茶の水分量には大きな変化はありません。
一定期間、正常に保存されていると、茶葉の水分量は保存期間が長くなるにつれてゆっくりと着実に増加していきます。正常な保存条件であれば、その増加幅は5%を超えません。
水分量が増えすぎることはやはり良くありません。私たちは湿気が茶葉をカビさせることを知っていますから、保存環境が乾燥している状態下には必ず注意しなければなりません。
2.刺激性物質
【急速に減少】
保存する年月が経つにつれ、カテキン、茶ポリフェノールの含有量は急速に減少し、これは味わいの上での刺激物質が減少していくということでもあり、そのために老茶は飲んだときに非常に穏やかな味わいになり、味わいはよりまろやかになります。
しかし、その中でもカフェインについては、生茶では茶ポリフェノールと同様に徐々に逓減していき、30年で全部で25%減少しました。しかし、熟茶では徐々に増えていくという現象が起こり、30年で10%増加しました。この科学的な根拠については、今後の検証が必要です。
3.糖分
【ゆっくりと着実に増加】
生茶であるか熟茶であるかに関わらず、保存の時間が長くなると、糖度が高くなる傾向があります。これは多くの普洱茶が何故寝かせれば寝かせるほど甘くなるかの理由になります。
4.茶の色素
【テアブラウニンは増加、テアフラビンとテアルビジンは減少】
プーアル茶の乾燥茶葉、水色、茶殻を比色計で測定した結果によると、保存期間が長くなるに従って、茶湯の明るさは明らかに増していき、赤味と黄色みは徐々に減少し、茶殻の明るさは上昇していく傾向で、赤味と黄色みには変動する傾向にあります。
これは普洱茶の中の数種類の天然の色素成分が変化するということで、その中でもテアブラウニンが増加し、テアフラビンは減少し、テアルビジンの変動は同程度です。
5.酸性度
【ph値は徐々に増加、アルカリ性に偏る傾向】
ph値は測定対象物の酸性度とアルカリ性度を示し、値が高いほど、酸性度は低くなります。
新茶のph値はおおよそ5.6で、時間がたつごとに徐々に7に近づき、人体にとって最も有益な酸性度になります。
これらを総合すると、保存期間は普洱茶の品質を高めるのに一定の影響があります。しかし、保存期間が長ければ長いほど品質が良くなるということは説明できません。良い原料と製造技術こそが品質の根本だからです。
普洱茶は命のあるお茶であり、現在多くのお茶の愛好家が新茶を選んで購入していますが、保存しながら一方では飲むということをすると、それぞれの年代でまた異なった味を楽しむことができ、歳月がお茶を形作ってきたこと、人と茶が一緒に成長していることを感じられるでしょう。
普洱茶というと、「何年もの」のような数字化されるスペックだけを追ったり、何がどう良くなるかが分からないまま購入してしまいがちです。
しかし、変化する要素と、そもそもの品質の基礎は最初の原料茶葉と製茶技術にあるということが理解できていると、少し冷静にお茶を選ぶことができるのではないかと思います。