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今年の西湖龍井茶、産量減も平均単価が大幅に上昇

今年の西湖龍井茶の産況が統計データとして発表されたそうですが、平均単価がかなり上がったようです。
その背景にあるのは、デジタル技術でした。

 

杭州市農業農村局は先日、あるデータを公表しました。これまで、今年の西湖龍井茶の生産量は493.79トンで、4.3%の減産となっています。産出額は4.74億元で、昨年比で46.8%の増加となり、平均販売価格は昨年の1kgあたり619元から1kgあたり960元となり、値上がり幅は55%にも達します。

産量が減少したのに、なぜ産出額がこんなにも増加したのでしょうか?茶農家、茶葉会社はこれについて発言する権利がもっともあるでしょう。翁金熊さんは西湖龍井茶の一級産地である翁家山村の茶農家ですが、彼は自分の家の茶葉の販売状況について、大きな手応えを感じています。「例年、”穀雨”を過ぎると、大量のよその土地の茶葉が西湖龍井茶になりすまして市場に入ってきてしまい、私たちの本物の西湖龍井茶は売れなくなってしまいます」と彼は言います。今年は、西湖龍井茶の標章が全工程において閉じられた管理によって保護されたため、よその土地の茶葉はもはや西湖龍井茶になりすまして安値で販売されることは無く、西湖龍井産地の茶葉は非常に良く売れたのです。

昨年10月、杭州市農業農村局が統一的に指揮し、西湖龍井茶産地に属する地域の部署は測量データに基づき、それぞれの茶農家、茶葉会社の茶園面積、土地の広さ、産量などの基礎データを査定して、統一の西湖龍井基礎データベースに収録しました。『西湖龍井茶産地証明標識管理方法』に従い、今年の春茶の茶摘みが始まる前に、西湖龍井産地のそれぞれの茶農家、茶葉会社はいずれも、基礎データー情報に基づく実名の独立した電子アカウントを有することになりました。取引を行っている中で、茶農家が茶葉を地元の認定済の茶葉会社に販売する際には、その伝氏アカウントの茶葉の量が連動して増減するようになっており、茶葉会社が茶農家から実物の標識を受け取ることを禁止しました。「もしシステム上で電子茶標識と実際の販売入庫出庫の数量が合わなかった場合は、システムは異常データに基づいて自動的にアラームを発するようになっています。現在、このシステムでは既に3回のアラームが鳴っており、それによって問題のある茶葉会社が2社調査されました」と市の農業農村局の責任者は話します。

ブランド管理の”口”を締めれば、茶農家、茶葉会社の収益は自ずと”どんどん高く”なります。老舗ブランドである”獅峰牌西湖龍井”の明前の高級茶は5月初めには早くも販売が終了しました。「私たちは今年全部で12トン前後の西湖龍井を購入しました。販売データによると、現在高級な西湖龍井の販売額は昨年と比べて80%増加し、多くの消費者が高品質な西湖龍井茶に対しての認知度とブランドロイヤリティーはより高まったようです」と浙江獅峰茶業有限公司の副総経理である施小雲氏は言います。

「小規模でばらけているという製品の特性があるため、優良農産品のブランド保護という側面はずっと解決の難しい問題でした」と浙江工商大学副教授の朱狄敏氏は言います。西湖龍井のブランド保護を実践する中で、杭州市のデジタル技術に優れているというメリットを、土地、農業、工商などの各部署の資源を組み合わせることで、西湖龍井に対して総合的な保護を進め、社会の効率と経済効率の双方を獲得できました。このような新たな探求は、より多くの優良農産品が自らのブランドを保護する過程で学び、参考にするべきものです。

 

記事によれば、穀雨前後のお茶については、価格の安い他産地産が流入してきていたことが、これまでの価格低迷の原因だったようです。
ところが、今年は茶農家や茶葉会社の茶園面積から生産量を割り出してデータベース化し、さらに地域内の茶業者同士の取引も全てデータベースに反映させるような仕組みを徹底したことで、茶葉の”なりすまし”を防ぎ、結果として価格の維持に成功した、ということのようです。
どのようなブランドでも低価格商品があるものですが、その価格があまりに崩れていたり、品質が劣っているとブランド自身を毀損してしまいます。
今回、西湖龍井茶が、上手く行ったという事例は、他の産地にも成功事例として伝播するかもしれません。

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