ここ最近は、清香型に傾注してきた安渓鉄観音ですが、一部からは伝統への回帰を求める声が上がっているようです。
これは単なる流行ではなく、色々な考えが含まれているようです。
安溪茶商建议重视铁观音传统制茶工艺的传承
“现代制茶工艺在某种程度上,已经过于依赖制茶机械。要保持安溪铁观音发展的良好态势,必须重视传统制茶工艺的传承。”安溪县政协委员、茶商郑秀绵建议。
本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://news.t0001.com/2013/0126/article_156930.html
記事によると、安渓の茶商が「今の製茶技術は、多くが機械に依存している。安渓鉄観音を健全に発展させるためには伝統的な製茶技術の伝承が必要だ」と言っているそうです。
伝統的な安渓鉄観音を作るためには、天然の原材料と伝統技術が必要になります。
今年、政府の資料では低海抜で環境が守られていない茶畑、果樹園、野菜の畑などを元に戻すことに力を入れると表明しているほか、1~2千畝の環境保護型の茶園を建設していくとしています。また、天敵の導入などにより、農薬に頼らない有機茶園の育成も目指しています。
こうした動きは伝統的な鉄観音を作るための基礎になります。
また、伝統の製茶技術の伝承も大変重要です。伝統技術は天候条件に影響される度合いが大きく、茶摘みや発酵、殺青などを行う際には天候を見ながら進める必要があります。昨年、我が県では「万千百十」の基礎管理工程を実施し、安渓鉄観音の「5つの評価項目」を展開しています。
これは、技術の伝承に大きく役立つと思います。
悠久の歴史と文化の厚みを持った飲みものとして安渓鉄観音が発展していくためには、やはり伝統的な味を維持することが根幹です。最近、本来の味の鉄観音をプロモーションしていることで、濃香型鉄観音の人気は上向いてきています。「今や伝統型鉄観音の方が主流である」と茶商は指摘しています。
緑茶が主体の中国のお茶市場。
清香型の鉄観音は、緑茶を飲み慣れた消費者に幅広く受け入れられ、これを量産化するために清香型鉄観音に特化した製造技術(空調茶など)が生まれました。
しかし、安渓の茶商は、これでは本来の安渓鉄観音の良さが出ていない、と感じているようです。
他の産地より先んじてブランド化した安渓鉄観音は、パイオニアゆえに早くも成長の歪みの修正に取りかかっているようです。