武漢市のある湖北省は茶産地でもあり、とりわけ内モンゴルなどの少数民族が多くを消費する青磚茶などの辺銷茶の産地です。
新型コロナウイルスによる肺炎の流行を受け、一時的に出荷が止まっていたようですが、その流れが再開したそうです。
8日、120トンの辺銷茶を満載にした貨物列車が、湖北省宜昌市から内モンゴル自治区のフフホト市に到着しました。この茶葉は、引き続き宗元の人民の食卓に上っていくことでしょう。
辺銷茶はミルクティーの主要原料の1つで、内モンゴル自治区の少数民族の人々の生活必需品であり、民間では「三日食料が無くても耐えられるが、一日としてお茶が無いことは耐えられない」と言われます。
新型コロナウイルスによる肺炎の流行を受け、内モンゴルの辺銷茶市場でも供給の不足が生じていました。この情報を得て、遠く宜昌にいる何建剛氏はさまざまな困難を克服し、備蓄されていた在庫を集め、一週間の時間で十分なだけの製品を集めました。
何建剛氏は鑫鼎生物科技公司の董事長であり、長盛川湖北青磚茶の第19代目でもあります。当地と内モンゴルの”お茶の繋がり”は既に数百年の歴史があります。
何建剛氏は取材に対し、「病気の流行の影響を受け、うち門頃の辺銷茶の備蓄が足りなく、しかしこの製品は内モンゴルの庶民が日常的に必要なものです。我々はこの知らせを受け取ったあと、全ての方法を考え尽くして、さまざまな困難はありましたが、内モンゴルで需要があるというのであれば、我々は道義上お断りすることは出来ません」と話しました。
歴史上の昭君出塞(訳注:中国四大美人の一人にも数えられる王昭君が、モンゴルの王のところへ嫁ぐ故事)の物語は、宜昌と内モンゴルの空間距離を近づけました。今回の新型コロナウイルスによる肺炎の流行では、内モンゴルは強力な医療チームを派遣し、資金を出し、湖北省と共に病気に対抗しました。
このことに何建剛氏は深く感動を受け、「全国の人民が湖北省のことを気に掛けてくれました。私は湖北人である以上、その他の地区の人々が助けを必要としているのであれば、私たちは真っ先に手を差し伸べます。なぜなら私たちは家族だからです」
王瑞明さんは、今回の輸送を請け負った運転手の1人で、今回の輸送は、この仕事に就いてからの20年あまりで見ても、その意義は非凡なものでした。
「宜昌の会社の全員が荷物の調達や積み込みに協力してくれました。病気の流行の期間に気に掛けてくれた内モンゴルの農牧民の方がお茶を飲む需要があるのであれば、これは本当に特別な感動のあることです」と王瑞明さんは話します。
王瑞明さんは、「出発前は大変心配していました。しかし、あのように多くの医療従事者と患者の方が接触も厭わないとは思っていませんでしたし、私はただ荷物を届けるだけで、特に多くのことを心配することも無く、国を煩わせることもなく、私は自分自身を守りながら、今回の輸送の任務を完了することが出来ました」と率直に話しました。
取材によると、茶と関連物資は既に湖北省の流行防止期間における重要生活物資として保護される対象に入っており、今回の流行地区の自民の深い思いの詰まった辺銷茶を満載にした貨物は、内モンゴルの民衆のお茶の問題を解決することになるでしょう。
現在は規制が取り払われていますが、かつて辺銷茶は消費地と生産地が結びつけられていました。
内モンゴル自治区の方は湖北省の青磚茶を消費しており、その味に慣れているのだろうと思います。
生活の必需品であるお茶が枯渇することは、まさに大問題であり、辺銷茶の確保が国策として行われていた理由を感じるエピソードです。