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お茶を飲むときは鈍感に。味わうときは鋭敏に。

茶人や茶芸などに熱心になっている方には興味深い記事があったので、ご紹介します。

 

お茶の好きな方は、あるタイプの茶人「他人のお茶は、一切飲まない」がいることに気づくかもしれません。他の人のお茶に欠点や瑕疵が見つかった場合、それは実際には認知の度合いや方向の違いであることも少なくありません。茶人の相互の交流は疑いも無く良いことです。しかし、他の人のお茶が”自分の認識しているものと違う状況”であったら、この種の茶人は飲むことを拒絶してしまいます。ああ、お茶の最大の特性である包容性を知ることがきっと難しいのでしょう!

確かに、お茶を学ぶことは多くの学科の総合性がとても強い業界です。栽培、加工、淹れる、文化、植物学、味わうこと、機械、気象、土壌……さらに具体的な問題の具体的な分析、お茶を見てお茶を作ること、天候を見てお茶を作ること、生葉を摘み取ってから刻々と変化する状況に対応していくこと、どのようにして異なるお茶に対して適した製造を行うか、など。本当に私たちの脳みそを絞らされますし、少しのことも疎かにできず、薄氷を踏むような思いです…… 絶え間なく実践しながら調整していくことで残念だった部分を補うことしかできず、数十年の持続的な弛まぬ努力、研究によってしか、得ることができないものなのです!だから、お茶が分かり製茶を理解して良いお茶を得ることは、長年の努力と時間を費やすことでのみできることであり、お茶を学ぶことは、世の中の動きや、市場のマーケティング、資金との都合などもあります…… 困難がとても多くて、どうすることもできません……

世間では一つの現象があって、お茶をよく売るためには、茶の理解程度は全体として言えば、浅くて表層的です。茶を学ぶことは、海のように広くて、さらに深さは底が見えないほどで、茶人は一生を掛けても一つか二つのことしか得られず、ほとんどの時間と労力は学習と錬成のために費やされ、さらに他の面の行動力や知能指数、心の知能指数なども費やされます。そして、お茶が”分かる”ようになればなるほど、良いお茶を売ることはできず、自らが敵となってしまい、自分自身が”干からびて”しまいます!しかし、私は、将来、思慮深く信頼できる茶人が販売やブランドを用い、資本とインターネットの介入によって、核融合が起こるのでは無いかと考えています!まさに日本の80歳にはなろうというおじいさんが、ご飯を炊くことについての”神”となったように、それまでの数十年の中で知りえたことが資本と結びつくことによって、元々彼だけが知っていて、良く出来ることが、持続的に良く出来るようになり、どんな人にでも出来るようになるということです!

次にお茶を淹れることは、刻々と変化していくものですし、人を見てお茶を淹れなければなりません。交流を通じて、対面する人の茶の知識、嗜好、味わいの習慣……などを理解します。そして、お互いが満足するような一杯の茶湯を淹れるのです。宣教的では無く、随意性があって、紋切り型ではないのです!
一杯の素晴らしいお茶は、あなたは知らないのかもしれませんが、気候、海抜、時間、人の性格、心情……などが茶人の計算のうちに入っているものなのです!

しかし、お茶を飲むこと(飲茶)の追求とは何でしょうか?私たちは、心地よく、楽しいという心情が最も重要な鍵となっていて、拘束、約束、条件と計画……のようなものではありません。心身が楽しく、リラックスし、親しい友人が集まるような一種の媒介あるいは一種の飲み物の選択であって、お茶が無くても構わないのです!

お茶を味わう(品茶)というのは、これとは違って、欠点を探し、卵の中から骨格や育つことでどのように変わっていくかを探し、訓練し、自らの鋭敏さと茶の知識を高め、更新していくことです。1つのお茶には立体的で総合的な認知と理解が必要で、このお茶に対してさまざまな淹れ方のプラン(水、器、茶と水の比率、浸出時間、水温、水の注ぎ方、潮州式の淹れ方であれば、火を用いるときに菊花炭を使うか橄欖炭、どのような品質の炭を使うかなど……)を追求することで、異なる質感と風格を表現することです。製茶の時であれば、調整できる空間を見つけ、それぞれの工程での程度や焙煎のプランなどを決め、判断し、その後の転化や持続的な注意を払う……等々、一つのお茶だけでも、これだけさまざまな手を掛けることが可能なので、大変面白いではないですか!

より多くの人々がお茶を飲み、お茶を飲むことを好きになり、お茶を飲む楽しみを味わっていただくことを願ってやみません!

 

少し詩的な文章ではありますが、お茶を飲むこと(飲茶)と味わうこと(品茶)は別であり、それを混同しないようにという呼びかけです。
また、お茶というのは非常に奥が深く、全てを理解するのは到底無理では無いかという諦めにも似た境地が語られています。無知の知というべき内容です。
さらに、深く勉強しすぎるとお茶を売れなくなってしまうというパラドックスについても、述べられています(日本のおじいさんというのは炊飯器のモデルになっている人のことだと思われます)。

流派などに所属すると、自分と違う流儀に気が行ってしまい、減点法で見てしまったりしがちです。
ここで述べられているような飲茶と品茶の違いを認識しておくと、無用な摩擦を避けることは可能かもしれません。

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