雲南省文山チワン族ミャオ族自治州にある広南県では、抹茶の生産に力を入れる方針を打ち出しており、北京の会社と戦略提携を結び、3つの試験茶園を稼働させているそうです。
今年6月、広南県政府と北京展翼機場管理有限公司は『広南産業新業態総合発展プロジェクト戦略協力協議』を締結し、展翼公司が導入する国際的に最高レベルの産業技術と基準を実施することで、”中国広南”抹茶のブランドを打ち立て、雲南茶の新しい産業業態を成長させ、広南有機生態茶製品の価値を高め、ブランド価値を全面的に高めることを明確にしました。現在、既に3つの抹茶試験模範園の建設を完了しました。
広南茶葉産業の分布と製品構造をより良くし、地元の茶葉産業の高度加工レベルを高め、”茶葉加工”から”茶葉製造”へ変え、現代の茶の商機を掴むために、北京展翼機場管理有限公司と広南石山農場は積極的に抹茶の試験園建設を推進し、龍老隊大葉種茶園、龍坑隊喬木茶基地、古茗隊雲抗10号茶園の3つの抹茶試験園の建設を相次いで完成させました。それぞれの抹茶試験園は1畝の建設計画で、棚と遮蔽ネットがあり、有機肥料を用いています。
同時に、抹茶加工工場、抹茶生産研究開発センター、抹茶特色茶葉生産センター、展翼雲旅飛行場の用地選定作業などを完成させました。双方の提携内容によると、継続的な発展目標として、特色ある茶産業の建設、文化ブランドの建設と旅行産業の融合的な発展により伝統的な思考モデルを変えるとし、中国の宋代の伝統的な抹茶文化の回復をきっかけに、高級、中級、低級のさまざまな抹茶産業を発展させ、”抹茶+旅行”、”抹茶+健康養生”、”抹茶+文化”などのモデルを探求し、”抹茶+”の産業チェーンの延長と多様化を行い、”緑色食品ブランド”を打ち立て、雲南省の”雲品”民族ブランドの発展をより推進するとしています。計画は3~5年の期間で、”技術先進、生態優美、文化濃厚、避暑養生”の総合的な現代生態農園を建設して、広南地区の茶産業の発展をリードするとしています。
抹茶(末茶)の起源は中国で、唐朝に興り、宋朝で栄えました。唐の時代には、人々は蒸青散茶(碾茶)を発明し、その茶の色や香り、味を評価する方法を編み出し、人々に不可欠な日常の飲み物となり、宋朝に至っては、茶宴に発展していきました。現在、世界ですこぶる有名な日本茶道と日本抹茶は、その当時遣唐使であった栄西が中国で学んだものを日本に持ち帰ったもので、日本ではそれがよく保存、継承され、一層光彩を放ちました。日本抹茶と日本茶道は既に日本の国粋となっており、国賓のプレゼントになり、日本の極みであると賞されています。
抹茶は世界保健機関が近年、推奨している十大健康食品の一つです。日本の科学研究機関によると、抹茶の中の茶ポリフェノールの抗老衰効果はビタミンEの18倍だと実証しています。抗老衰、抗ガン、抗酸化、免疫力を高める、減肥、拝読などの顕著な作用があります。そのうち、抗酸化作用はクコの6.2倍、ブラックチョコレートの7倍、ブルーベリーの17倍、ほうれん草の60.5倍で、酸素含有量はザクロやブルーベリーよりも20倍近く高いです。
貴州省が抹茶の生産に大いに乗り出していることは紹介済ですが、雲南省も生産を開始していくようです。
計画では3~5年となっていますが、中国のことなので、この年月で本当に産業規模まで育ててしまうことは間違いなさそうです。
北京の会社が観光開発をするために茶業への投資を約束させられた形なのだろうと思いますが、世界的に抹茶の需要は伸びているので、価格競争力のある貴州省や雲南省の抹茶は日本勢にとっては、脅威になりそうです。