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雲南農業大学の校長が語る発酵茶(プーアル茶)の機能性

普洱茶をはじめとする黒茶(発酵茶)の機能性について、雲南農業大学の校長を務める盛軍教授が解説している記事がありましたので、ご紹介します。

 

”3日ご飯を食べなくても耐えられるが、一回のお茶が無いのは耐えられない”……全世界には約20億人の茶葉を離せない人々がおり、ある国では茶を”国飲”と見做しています。一枚の茶葉には一体どのような凄い力があるのでしょうか?先日、雲南省科学技術傑出貢献賞を受賞した、雲南農業大学校長で、博士課程の指導教官である盛軍教授が専門の研究と結びつけて、読者のみなさんのためにこの不思議な木の葉の物語を語ってくれました。

発酵茶は”解毒”し、郷愁も解く

茶葉は特殊な加工工程を経て、六大茶類に変わります。緑茶、白茶、黄茶、青茶、紅茶と黒茶(普洱茶)で、チベット、新疆と内モンゴルで生活する人々は完全発酵茶を生活の伴侶としています。
完全発酵茶は、高温と自然の微生物により長時間発酵したもので、茶葉の中の茶ポリフェノールが生物酵素と酸化重合反応によって、高分子のテアブラウニン(茶褐素)を形成し、界面活性剤(汚れを取り去る活性成分)の活性を有した生物高分子を生成し、それらが油脂、特に飽和脂肪酸とコレステロールに結びつく能力が大幅に増加します。テアブラウニンは油脂と結合することで、油脂の水中での溶解性を増強し、油脂の吸収を抑制して、油を持ち去り、排泄を増加させます。
体内に過剰に取り込まれた油脂は、人体の代謝の平衡を崩し、人体は全ての代謝組織器官が”過剰”なエネルギーに対応して調整を図ります。発酵茶は機能型の生物”代謝補償剤”として作用し、過剰なエネルギー代謝を総合的に調節することができ、人体の需要を満足させる最大量のエネルギーを確保し、余ったエネルギー成分(飽和脂肪酸とコレステロール)を体外に排出し、これによってエネルギー代謝の平衡状態をもたらします。普洱茶などの全発酵茶のテアブラウニンは、多くの細菌が代謝する毒素と結合することができ、腸内の微生物を調節し、顕著な”解毒”機能がります。これによって、私たちが誤って食べてしまった有害な細菌が腸内で不具合を起こしたとき、濃いめの発酵茶を多く飲むことによって”解毒”することができるのです。
このほか、もし異国や異郷で水や土地に合わないときには、濃いめの発酵普洱茶を試しに飲んでみてはいかがでしょうか。

発酵茶独特の”養分”と魅力

発酵茶には2つの顕著な特性があります。胃を暖め、睡眠に影響しないということです。興味深い質問ですが、発酵したプーアル茶はなぜ胃を暖め、なぜ睡眠にも影響を与えないのか、茶葉に含まれるカフェインはどこに行ったのでしょうか?雲南農業大学普洱茶学教育部重点実験室はこの秘密を解明しました。
研究によると、普洱茶は完全発酵した後、生物高分子のテアブラウニンを形成し、強力な油脂との結合ができることの他に、カフェインともよく結合することができ、カフェインの神経への刺激興奮作用を失わせることで、これにより完全発酵の普洱茶は睡眠に影響しないのです。
なぜ、普洱茶は胃を暖めるのでしょうか?研究によると、茶葉の中に含まれる茶ポリフェノールには、胃の粘膜の収斂を起こす刺激作用があり、このために胃が寒の人は緑茶(茶ポリフェノールを含み、テアブラウニンを含まない)を飲むと”胃を痛め”てしまいがちなのです。一方、完全な生物発酵作用を経た普洱茶は、茶ポリフェノールの重合により、刺激作用が失われており、高分子のテアブラウニンが形成されているので、胃の粘膜の表面に保護層を形成するので、”胃を暖める”機能があるのです。
大葉種普洱茶の発酵後にはテアブラウニンが豊富に含まれており、1gの普洱発酵茶には、500~600mgのテアブラウニンが含まれており、これは普通の茶葉の2倍です。大葉種普洱茶は高海抜の山地で成長し、祭的な成長地域は北緯23.5度で、ここは茶葉のゴールデンベルトの産地であり、これが発酵した普洱茶の”油を取り去る”効果が顕著であることの原因なのです。

欠乏する第8の栄養素”食物ポリフェノール”

科学者の最近の研究によると、現代の工業化した高度加工食品は食物ポリフェノールが欠乏しがちであり、代謝免疫失調をもたらしやすく、慢性炎症(俗にいう”上火”)を起こしやすくなります。
食物ポリフェノールは食物繊維と同じように、過去には人々に”嫌がられた”食物成分でした。特に食物ポリフェノールは苦みや渋みがあり変色しやすく、食品の”見映え”に影響します。科学の面から言えば、変色は”変質”ではなく、これが長きにわたって人々が認識していた一つの誤解です。長期的な科学研究によって、食物ポリフェノールには抗炎症、抗酸化などの機能があることが分かりました。茶葉の発酵によって形成されたテアブラウニンは茶ポリフェノールの重合体で、ポリフェノールの多くの機能特性を備えています。たとえば抗炎症、代謝免疫調節などの機能です。その機能について言えば、高温発酵によって生成されたテアブラウニンは、茶ポリフェノールと比べると中薬的な作用特性があり、茶ポリフェノールの抗炎症効果は急速ですが、テアブラウニンの効果はゆっくりとしていて長いのです。
雲南農業大学普洱茶学教育部重点実験室は世界で真っ先に茶葉の抗炎症の秘密を解きました。お茶を飲むことで炎症が抑えられるのは茶ポリフェノールとテアブラウニンの抗炎症効果のおかげなのです。食物ポリフェノールの代謝免疫調節は欠乏してはならない機能で、人々は食物ポリフェノールのことを”第8の栄養素”と呼んでいます。

 

一般向けに書かれた記事なので、少し端折っている部分はありますが、分かりやすい記事だと思います。
ここで大事なことは、普洱茶といっても、いわゆる渥堆発酵をした熟茶により当てはまる内容です。
若い普洱生茶では、これらの機能は乏しいと思われます。

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