普洱茶に老茶頭(茶頭とも)と呼ばれるお茶があります。
このお茶について詳しく解説している記事がありましたので紹介します。
老茶頭は、自然沱とも呼ばれ、俗称は茶疙瘩(茶の瘤)です。これはプーアル茶が渥堆発酵しているときに、比較的ランクの高い太く柔らかな芽葉を原料とした場合、柔らかさの度合いが高いとペクチンの含有量が高いため、水を撒いて高温、高湿度の発酵環境になったとき、分泌されたペクチンと糖分がその粘り気によって固く締まった塊になったものです。形状の大きさは一定では無く、一つ一つの塊が不規則で、簡単には解けない普洱熟茶です。
発酵させるそれぞれの山ごとに、老茶頭は約1.5%前後を占めます。これは20トンの発酵の山があれば、老茶頭は300kgしかないということです。この量は普洱茶業界全体から見れば、その総生産量は最も稀少なものです。老茶頭はきつく塊になっており、発酵時に生まれた堆味や雑味が簡単には取り去れず、新しいうちはこの雑味が強いため、味わいが悪いのです。そのため、以前、陳年茶を飲む習慣が無かった頃は、老茶頭はみな副産物であって、用いられず捨てられていました。近年、お茶の愛好家が古い年代の老茶頭を飲み始めるようになってからは、その味わいが非常に香りと厚みがあり、糯米のような甘みがあることを見つけました。市場では、古い年代の高品質な老茶頭は、量が少なく非常に稀少なため、なかなか出会うことが出来ず、そのため、近年はお茶の愛好家で取り合いになるほどで、殺到して、なかなか求めにくいものです。
老茶頭は原料の柔らかさの度合いが高く、ペクチンと糖分の含有量も高く、含有物質の量が豊富なので、保存が利きます。古い年代の高品質な老茶頭は、葉の形がハッキリしていて、艶があって産毛が見え、茶湯は濃い赤色で透き通っていて、味わいは厚みがあって、糯米のような香りがあり、滑らかです。ペクチンと糖分の含有量が多いので、煎が効き、甘みが強いというのが、老茶頭の最も特色のある優れた点です。
老茶頭は線が非常に長く効き、茶湯はゆっくりと溶け出すので、淡いお茶から濃くなっていき、淹れれば淹れるほど濃くなって、甘さは最初の一煎目から最後の煎までずっと続きます。10gあまりの老茶頭であれば、一日中淹れることができ、甘みも一日中続きます。
比較的新しい老茶頭は、飲むことをお薦めしません。長年熟成をした後の老茶頭は、味わいはすっくりして非常に香りがあって厚みがあり、とても美味しいのです。お茶を入れて飲むときは、お茶を目覚めさせるように何度も洗茶をし、比較的大きい茶壺を使ってじっくりと淹れることをお薦めします。老茶頭は煮出して淹れるのも非常に適しており、よりハッキリと老茶頭の香りや甘みなどを感じることができるでしょう。
寒い冬の日などは、古い年代の高品質な老茶頭を煮出し、甘くて滑らかなお茶を味わえば、一日中ぽかぽかとして、とてもゆったりした気分で過ごせるでしょう。
「老茶頭って何ですか?」と聞かれたときには、カステラ工場の直売店で売っている切れ端のようなもの、と回答しているのですが、これはいわゆる”出物”と呼ばれるものです。
甘みの強い部分なのですが、出来上がった時点では雑味や堆味(蒸れたような香り)が抜けきっていないので、十年単位で寝かせ、その香りを飛ばしてから飲むという類いのものです。
出物のなので、決して高級品ではないのですが、稀少なのと古い老茶頭の味を覚えた一部の愛好家が寝かせる材料として取り合いをし、価格が高騰しているわけです。