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”水味”が生じる4つの原因

お茶とお湯の味が馴染んでおらず、水っぽさやお湯の味の特徴が感じられてしまうことを”水味”と呼びます。
プーアル茶で”水味”が発生する場合の原因について考察した記事がありましたので、ご紹介します。

 

プーアル茶を飲んでいるとき、あまり煎の効かない茶葉であったら、一般に7,8煎淹れると、水味が出やすくなります。このような状況であれば、少し長く抽出したり、お茶を出すのを遅らせることで、水味の発生を抑えることができます。一般に、このような状況で水味が出てくるのは正常なことです。しかし、もし、プーアル茶を淹れ始めたばかりなのに、飲んで水味を感じるとなれば、これは正常なことではありません。それでは、どのような原因によってあなたの淹れたプーアル茶に水味が出てしまうのかを考えてみましょう。

原因1:水質

プーアル茶を淹れるときの水質は比較的こだわりがあって、一般に山泉水、精製水、ミネラルウォーターなどの中性水をなるべく使います。最も簡単に区別する方法はph値を利用して判断することで、ph値が7以下であればプーアル茶を淹れるのに適していて、7以上のものはプーアル茶を淹れるのにはオススメできません。水質はプーアル茶に水味を出現させる非常に大きな要因です。

原因2:水温
プーアル茶を淹れる際の水温は95℃以上が必要で、もし新しい生茶であれば水温は92℃を勧めます。水温の高低は間接的にプーアル茶に水味を出現させる要素の一つとなります。もし、水温があまりに低いお湯で淹れると、プーアル茶の内含物質は呼び覚ますことが出来ず、一部の内含物質だけが茶水に溶け込み、飲んだときに水味が出てしまうのではないでしょうか?一部のお茶の愛好家は高温によって茶葉の中のビタミンなどが破壊されると心配するかもしれませんが、この点を考慮するのは一般的には新茶であるうちです。そのため、新茶の水温は92℃を推奨するのです。

原因3:湿気
プーアル茶において要求される保存環境は、風が通り空気が入れ替わること、乾燥を維持すること、光を避けることなどが主なものですが、これを教科書的な一般的な要求だとは思わないでください。これは実際に非常に大きな意義があることなのです!プーアル茶の保存環境の中で、あまり重視されていないのが湿気の多さによって湿気てしまうことで、さほど酷くない程度に湿気た茶葉について言えば、乾燥茶の状態では我々は肉眼でそれを見出すことは難しいのですが、一旦、お茶を淹れ始めると、味わいはあなたを騙すことは出来ません。このような湿気た茶葉は空気中の水分を吸着しているので、淹れたお茶は単調で薄っぺらく、お茶とお湯が融合していないような感覚があります。これが私たちの言うところの”水味”です。

原因4:季節
プーアル茶の春茶はお茶の愛好家にずっと好まれていますが、その原因の一つには水が蒸れたような味の有無もあります。春茶は一般的に茶摘みのシーズンが明前、雨前に茶摘みをし、この季節に収穫された茶葉は、一定程度、水味の発生を避けることが出来ます。しかし、夏の時期、雨が比較的多い時期に摘んだ茶葉は、生葉が水分を多く吸収しているため、その後の製造工程の中で、一部分の水分は蒸発するものの、製造中に蒸発する水分には限りがあります。このため、最終的に私たちが飲む茶湯に水味が出てしまうのです。

プーアル茶に水味が出る原因には、実際にはさらに醒茶(訳注:いわゆる洗茶)も一定の関連があり、私たちはプーアル茶に水味が出る理由を、このお茶が良くないからだと判断することが出来ないのですが、正常に淹れた状況で水味が出るのであれば、すぐに茶葉を変えた方が良いでしょう。

 

水味という概念についての話でした。
これはプーアル茶に限らず、烏龍茶などでも湿気てしまい、水分が少し感じられる味わいになることがあります。
この場合は、軽く焙煎をすると、少し回復することもあります。
お茶を淹れる上で知っておいて損のない概念だと思います。

 

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