ネットでは、さも本当であるかのような疑似科学が好んでシェアされたりすることがあります。
同じことは中国でも起きているようで、「洗茶をすれば残留農薬が落ちる」という説が流れていたようです。
これを検証した記事がありましたので、ご紹介します。
洗茶能洗掉茶叶上的农药残留?假的!
【网络传言】茶叶上有农药残留,喝前可以通过洗茶来清除
茶是中国古老的饮品,是中国人日常生活中不可或缺的一部分。然而这几年,茶叶的农药残留问题也困扰着众多消费者。网上有说法称,洗茶可以洗掉茶叶上的农药,这一说法是真的吗?
本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://news.t0001.com/2015/0118/article_176861.html
【ネットでの噂】茶には農薬の残留があるので、飲む前に洗茶をすればこれを落とすことができます。
茶は中国の古くからの飲み物で、中国人の日常生活の中で不可欠なものです。しかし、ここ数年、茶の農薬残留の問題が多くの消費者を困惑させています。ネット上の一部では、洗茶をすることで、茶葉についた農薬を落とすことができると言われていますが、これは本当なのでしょうか?
これについて、ネットユーザーは違う見方を提示しています。あるユーザーは、1煎目のお茶は普通は飲めません。洗茶をすれば残留農薬を流すことができます、と言います。しかし、別のユーザーはこれに疑問を呈し、洗茶はただの心理的なものだけで、きつく巻かれた茶葉にどのような農薬が入っていても、洗うだけには綺麗にならない、と言います。
それでは、洗茶では茶に含まれる残留農薬を洗い流すことはできるのでしょうか?
【記者の調査】茶に含まれる残留農薬の量は極めて少なく、人体に影響を与えることは無い
今回、市場でよく見かける鉄観音、正山小種、ジャスミン茶の3つの茶葉を購入して、これをサンプルとし、このサンプルを持って北京農学院に答えを探しに行きました。
「国が定めている基準によれば、茶に使われる農薬は25種で、今回、私たちが検査をするのであれば、薬効が比較的良く、使用量も一般的なエステル類の農薬が良いでしょう」と専門家は言います。エステル類の農薬は国家標準の中でも、残留許容量が最も低いものでした。
検査をしてみると、3種類の茶葉のサンプル全てから、ビフェントリンが検出されました。検出結果によると、鉄観音のビフェントリンの含有量は0.85mg/kg、正山小種は0.87mg/kg、ジャスミン茶は0.87mg/kgでしたが、国家標準の残留許容量は5mg/kgであり、3種類のサンプルから検出された農薬残留量は国家標準よりもはるかに低いものでした。
それでは、このような少量の農薬残留は、1煎目を淹れてみたら、減少するものなのでしょうか?
1煎目を淹れてみたあとに、私たちは再び検査を行ってみました。検査結果によると、3種類のお茶のサンプルの農薬残留量は、それぞれ0.78mg/kg、0.88mg/kgと0.81mg/kgで、”洗茶”の前と比べると数値に確かに増減はありますが、疑わしいものです。専門家によると、実際のところ、2回の検査結果の差は本当に小さくて、実験における人的な要因によって出たものと考えられるので、誤差の範囲だと言います。
「洗茶をすることで残留農薬を取り去ることができるということの効果は、ハッキリしていません」と専門家はこれを解説します。我が国で茶に使用されている農薬は脂溶性のもので、水への溶解度が非常に小さく、茶水に含まれる農薬量は極めて小さいので、人体には安全なのです。
もともと、洗茶という方法は潮仙工夫茶に由来があり、一般に岩茶や烏龍茶などのお茶を飲む際に洗うことがありますが、その目的はホコリの除去であったり、茶葉を目覚めさせるということであり、他の意味はありません。それ以前に、人々が飲むお茶には農薬のようなものは入っていないのです。
農薬には水溶性と脂溶性のものがあり、茶に使われるのは主に脂溶性。
ゆえにそのまま茶葉ごと食べない限りは、ほとんど摂取されないので、健康被害は出ない、というのが科学的に真っ当な回答となります。
ごく稀に、「農薬が残留しているお茶を飲むと舌が痺れる」と言う人がいますが、ほとんど気のせいでしょうね。
なお、日本におけるビフェントリンの基準値は30ppmであるので、上記のサンプルは日本の基準も楽々クリアしているようです。