単叢といえば、広東省潮州市の鳳凰単叢のイメージですが、広東省の別の地域でも単叢茶の生産が行われています。
広東省北西部にある肇慶市懐集県では、現在、単叢茶の収穫が行われているそうです。
今はまさに春茶の茶摘みの良いシーズンで、連日、懐集県下師郷の単叢茶栽培基地では、茶農家が茶園の中で春茶を摘み、春茶の発売のチャンスを掴もうとしています。
車福村丁連山単叢茶栽培基地では、至る所にある茶樹は、生気に溢れ、空気の中には淡い茶の香りが漂っています。少数民族の特色ある服装に身を包んだチワン族の女性は、茶摘みの小さな竹かごをつけて、生気に溢れた茶園の中で、今年最初のお茶を摘んでいました。茶畑の中には茶摘み人の歓声や笑い声があって、丁連山はここから”春茶時間”に入りました。
毎年3月初めから清明節前後は、下師郷の茶農家が忙しい時期で、近くの村民たちはみな茶園に来て茶摘みをして勤労収入を得ていて、茶園で茶摘み人の忙しそうな姿をあちこちで見ることが出来ます。茶葉を摘む以外にも、茶園では人手による栽培と除草が必要で、周辺の村民の就業を促しています。
周辺の村民の収入を拡大して豊かにするために、懐集県下師天仙茶葉専業合作社はさらに茶農家に対して無料で茶苗を提供し、専門家を派遣してどのように栽培するかを指導し、栽培して出来上がった茶葉は合作社を通じで統一的に買い上げを行い、茶農家が販路に困らないようにしています。
取材によると、下師単叢茶は海抜600~1300mの高山の深い谷の中で栽培され、花の香りと蜜の韵があり、紅茶のような厚みのある甘さと、さらに緑茶の清らかな香りもあって、広東省西北地区の名優製品となっています。”一村一品、一鎮一業”プロジェクトによる支援の下、懐集県仙山茶葉加工廠は原料の貯蔵、製茶、乾燥、計量、包装、検査、製品の貯蔵までの完成された茶葉の生産ラインを保有しています。栽培基地の総面積は800畝あまりに達し、年間に8000斤あまりの製品茶を生産し、年間の産出額は100万元以上に達します。
責任者の涂沛常さんによると「私たちの茶葉は摘んできてから、晒青、揺青、発酵、殺青、揉捻、烘焙、篩選などを進めて行って製品となります。2019年には政府の支援を得て、”一村一品”プロジェクトに申請し、先進的な機器を購入して、大いに生産効率が高まりました。特色ある下師単叢茶産業を作り上げて、これをより大きく強くしていくことを計画しています」といいます。
責任者の方は、茶葉の栽培を”緑水青山は金山銀山である”の理念を実践するための重要な方策として位置づけ、茶葉の栽培品種を改善し続けて、栽培の水準を高め、長期的に効果をもたらす生態産業としていくつもりです、と話しています。
現地政府の発信するニュースなので、現在の中国の政治的な文脈に沿って書かれている文章ですが、あまり産業が無かった村に、単叢茶を移植して、産業にしようと進めているようです。