武夷岩茶はこれまで大紅袍を中心に市場が作られてきていましたが、競争も激しくなってきており、それだけでは他社との差別化が難しくなってきています。
そこで、最近はマイナー品種の岩茶を差別化のために取り入れる動きが始まっているようです。
小品种茶成岩茶市场差异化经营利器
随着今年武夷岩茶的陆续上市,消费者对岩茶的关注也越来越多。记者近日走访福州茶业市场发现,在武夷岩茶持续走俏的背景下,五里亭茶叶批发市场及各品牌茶企连锁店或多或少都在经营武夷岩茶。而为了在高度同质化的市场中形成自身特色,今年不少茶企在销售产品上以大红袍、水仙、肉桂为主,同时以小品种为特色,形成“大同小异”的市场格局。
本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://news.t0001.com/2014/0705/article_171581.html
今年の武夷岩茶が次々に発売されるのにつれて、消費者の岩茶に対する注目もより高くなってきています。先日、福州茶業市場へ取材に行ってみると、武夷岩茶の持続的な販売好調の背景のもと、福州市の五里亭茶葉卸売市場と各お茶ブランドのチェーン店などでは、多かれ少なかれ武夷岩茶を扱っています。
あまりにも同質化してしまった市場の中で、自分たちの特色を打ち出せるよう、今年、多くの茶葉会社は製品の多くを大紅袍、水仙、肉桂を主にしていますが、同時にマイナー品種を特色を出すために導入し、”大同小異”の市場戦略をとっているようです。
<市場で主に販売されるのは大紅袍、水仙、肉桂>
近頃、武夷岩茶が続々と発売されるようになっており、福州茶葉市場に取材に行ってみると、現在多くの武夷岩茶を販売する店は、どこも大紅袍、水仙、肉桂を主要製品としており、これらの製品を目にすることが最も多かったです。
「一般的にはこの3種類のお茶の販売量が最も大きいです。その中でも大紅袍が数量で最も多いです」と漢唐文化城の武夷山晨旭茶業有限公司の責任者・鄭忠氏は話しています。
ご存じのように大紅袍には主に以下のようないくつかの定義があります。
1つは母樹大紅袍から無性繁殖で増やされた大紅袍品種を原料として作ったお茶です。もう1つは2種類或いは2種類以上のその他の武夷岩茶の品種を原料にしたもので、ブレンドによってその品種の特徴を表した製品茶としたものです。このほか、武夷岩茶は全て大紅袍と称する、というのもあります。
現在、福州市場で販売されている大紅袍の多くはブレンド茶を指します。
業界の専門家は、「武夷岩茶の品種は非常に多く、特徴もまた異なっています。製品が多すぎると、マーケティングの軽重をつけるのが難しく、経営側にとっても、宣伝や紹介の作業があまりに大きくなりすぎ、消費者も混乱しがちになります」と分析しています。
そのため、多くの店では武夷岩茶の産量の大小と市場の注目度などの特徴から、大紅袍、水仙、肉桂を主要販売品目にしているのです。
このような基盤があった上で、さらにマイナー品種のお茶や名叢などを販売することで、自分たちの特徴を表現でき、武夷岩茶市場の過度な同質化を避けることができるのです。
<マイナー品種茶は経営上の差別化の武器に>
調べてみると、歴史的な理由から、現在、武夷山では、特に正岩茶区においては、主に肉桂、水仙などの少数の品種茶を主に植えており、その他の品種や名叢の量は大変限られています。
武夷岩茶の販売が好調になり、喜んで味わう人が増えるにつれ、好奇心のある消費者はこのようなマイナー品種や産量の少ない名叢への関心を大いに高めています。
五里亭茶葉卸売市場でも、凱義茶業の責任者は「私たちの金絲猴はちょうど発売されたところですが、このマイナー品種茶は毎年供給が追いつかず、すぐに売り切れてしまいます」「マイナー品種茶と名叢は、一般には年末を待たずに売り切れてしまいます」と話しています。
晨旭茶業有限公司の責任者・鄭忠氏によると、雀舌などは、1斤の市場小売価格が1500~2000元の間で、多くの大紅袍、肉桂、水仙などよりも販売価格は高くなっています。このほか、このお茶は武夷岩茶の一般的な特徴を持っているだけではなく、その品種ならではの特徴も持っており、そのために一部のニッチなお客さんを引きつけて、供給が追いつきません。
このほか、福州茶葉市場では、比較的多くのこのようなマイナー茶を扱っているお店の多くは、武夷山の地元の人が経営している店です。
「一般に自分で茶山を持っていないとこのようなマイナー品種のお茶を出すことはできず、武夷山の地元の茶農家もマイナー品種を植えているのはそんなに多くは無いので、長期的に安定して供給をすることを続けるのが困難で、買いにくいのです。」と伯夷茶業の責任者・馬増明氏は分析します。
これは、それぞれの店が販売するマイナー品種茶の具体的な品種があまり同じにならない主要な原因であり、福州の武夷岩茶市場が”大同小異”の特徴を形成している理由なのです。
【さらに深読み】
<1.市場でよく見かけるマイナー品種、名叢の特徴>
福州市場でよく見かける武夷岩茶のマイナー品種と名叢の特徴は主にどのようなものなのでしょうか?「泡好茶」では、全国茶葉標準化技術委員会委員の陳郁榕女史の著作「細品福建烏龍茶」から以下のように整理しました。
鉄羅漢:武夷山の最も古い名叢の一つで、原葉の最大の特徴は葉が大きくて長く、葉の先端は丸くてぎざぎざしていて、やや垂れ下がっていて、葉脈が太くてハッキリ見えます。その荒茶の特徴は、母しっかり締まっていてやや重みがあり、葉の端っこはややねじ曲がっていて、香りは独特で濃く、馥郁とした香りが長く続き、味は濃厚で旨みがあり滑らかで、水色は橙黄色で、茶殻は柔らかいです。
白鶏冠:1つは、主に慧苑岩下の外鬼洞で生産されている品種で、葉肉と葉脈の間に隆起があって、主脈は太めで目立っており、側脈は細くて枝分かれが多く、葉のぎざぎざは密で丸みがあります。この白鶏冠の荒茶の香りは濃厚で馥郁としていて持続力があり、香りのタイプは芳醇で濃く、水色は橙黄色です。もう1種類の起源は蝙蝠洞、白蛇洞の白鶏冠茶樹で、この樹形の特性は外鬼洞の茶樹とは明確に区別ができ、その荒茶の香りはやや濃香で馥郁として持久力があり、味はやや芳醇で厚みがあり、水色は橙黄色です。
奇蘭:生葉は楕円形で少し細長く、葉先は小さめで、葉のぎざぎざは深めで密集しています。香りは濃厚で馥郁としていて、持久力があり、水色は橙黄色です。
雀舌:葉の端がややねじ曲がっており、香りは清らかで透き通るように優雅で、特徴があり、味は清らかでやや花の香りを帯びており、水色は橙黄色です。
黄観音:葉の端がややねじ曲がっており、香りはやや濃いめで長く続き、味は芳醇で厚みがあって旨みや爽やかさがあり、水色は橙黄色で、茶殻は艶のある黄色です。
千里香:葉の端がややねじ曲がっており、香りは花香で香り高く濃厚で、味は厚みがあって濃厚で、品種の特性が良く出ています。水色は橙黄色で、茶殻は赤く艶やかです。
<2.奇種、菜茶、品種、名叢、花名などの区分>
武夷岩茶の品種は非常に多く、それぞれ特徴を持っています。武夷岩茶の分類も同様に大変煩雑で、多くの従事者であってもハッキリとした分類は難しく、消費者にとってはなお雲を掴むような話です。
「泡好茶」の記者が特別に武夷山市岩上茶葉研究所所長であり、武夷山市茶業同業公会会長である劉国英氏、元武夷山市茶葉研究所所長で、大紅袍伝統工芸技術の代表的な伝承人である陳徳華氏、元福建省茶葉検査所所長で、全国茶葉標準化技術委員会委員の陳郁榕氏などの話を聞き、茶樹と茶葉製品の角度から見て、検証しました。
武夷岩茶の「菜茶」は地元の有性繁殖で増やされた茶樹を指し(訳注:いわゆる在来種)、「品種」はどれか1つの茶樹の品種の名前を指します。そして「奇種」は製品の呼び名からきており、菜茶を使って作った茶葉を「奇種」と呼びます。いわゆる「正岩奇種」というのは、「正岩茶」に相当します。
国の茶樹資源の認定という角度から見ると、「品種茶」は国家の品種委員会で認定された茶樹のことを指し、省級品種と国家級品種に分けられます。
武夷岩茶における品種茶は、水仙、肉桂などを含み、小品種茶(マイナー品種茶)は栽培数量が比較的少ない品種茶、たとえば黄観音、奇蘭などを指します。
そして品種委員会の認定を経ていない茶樹や武夷山の地元で比較的有名なものを「名叢」と呼びます。鉄観音、白鶏冠などです(大紅袍はやや特殊で、名叢の中から1つだけ飛び出しています)。
このほか、名叢の中でも比較的有名な「花名」の中に選ばれるのが、大紅袍、鉄羅漢などです。
かつての岩茶の工場では、製品の販売をよりしやすくするために、奇種の様々な名前を取りました。たとえば水中仙、玉堂春、不老丹、虞美人などです。これらの俗称としての武夷岩茶の花名は、その数が大変多く、枚挙にいとまがありません。
慧苑茶廠に限っても、800種あまりの花名があり、武夷山全体では数十から百以上の茶工場があるので、その花名の多さは推して知るべしですが、それと名叢とは全く別のことです。
非常に分かりにくい武夷山の品種についても紹介しています。
しかし、この現地の様子をきちんと見てみると、四大名叢などが持ち上げられすぎている日本の現状は、全くもって現地の生産事情を反映させていない蘊蓄の固まりのような習慣であることが分かります。
特に大紅袍についていえば、伝説の影響があまりにも多すぎて、現地では大紅袍と言われていても、日本で大紅袍と称して販売するのが憚られるような事情もあります。
こういう温度差は、飲み手側にも問題はあるのですが、どうにかならないものでしょうかね。