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緑茶の大産地である福建。店頭に緑茶が無い理由

中国有数の茶の生産規模を誇る福建省。
安渓鉄観音、武夷岩茶という二枚看板を抱えることから、烏龍茶の産地という印象が強いかもしれませんが、緑茶もかなりの生産量を誇ります。
しかし、そんな緑茶の産地である福建省でも、福州の茶葉市場の店頭ではほとんど緑茶を見かけないと言います。
一体これはどういうことなのでしょうか?

福建:绿茶生产大省 市面却难寻绿茶踪影

3月中下旬我省绿茶普遍开始采制,如今已经半个多月过去了,按照绿茶的制作工艺推算,市面上应该有绿茶成品销售。但消费者反映在福州五里亭茶叶批发市场上难以寻觅到绿茶的踪影。同样是绿茶生产大省,福建的绿茶消费却很低,并且主要用于充当制作茉莉花茶、红茶、白茶的原料。

本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://news.t0001.com/2014/0411/article_169166.html

3月中~下旬、福建省の緑茶の多くは摘み取りが始まり、既に半月ほどが過ぎています。緑茶の製造工程から推察するに、市場には既に緑茶の製品が販売されているはずです。
しかし、消費者は福州五里亭茶葉卸売市場で、緑茶を見つけるのは難しいでしょう。同じような緑茶生産の盛んな省とはいえ、福建の緑茶消費は非常に少なく、主にジャスミン茶や紅茶、白茶の原料に充てられてしまうからです。

 

<福州の市内で緑茶の姿を見つけるのは難しい>

最近、福州のあるお茶愛好家・王さんが週刊誌に、福州ではどこで緑茶を買えますか?と質問してきました。この質問について、最近、福州の茶葉市場を取材したところ、現在、ごく少数の茶商しか緑茶を取り扱っておらず、五里亭茶葉卸売市場では、数百軒ある茶葉店のうち僅かに10軒に満たないほどの店で、ごく少量、緑茶を販売しているのみで、緑茶を専門に販売する茶葉店は見つけられませんでした。

「普通は誰かから予約があったら、生産をするか調達をします」と福州五里亭茶葉卸売市場のある茶商は言います。福州だけではなく、福建省全体のマーケットでは、緑茶を販売する企業は非常に少なく、そのためお茶の工場も緑茶をあまり多く生産しないのです。

茶葉卸売市場のごく少数の会社が緑茶を販売しているのを除くと、緑茶を販売するチェーンブランドの会社も多くありません。福州の多くのブランド会社に取材してみたところ、現在、日春茶業、天福茗茶などの大規模な茶葉会社が少し緑茶を売っているだけです。

いくつかの会社は緑茶を販売しているとは言っても、「買う人は本当に少なく、基本的にはみな烏龍茶、紅茶を買っていきます」と天福茗茶の福州東街口店のあるスタッフは言います。福州市民は緑茶には興味がないようです。

 

<福建省は緑茶の生産の盛んな省でもある>

「福建は烏龍茶の生産の盛んな省ですが、同様に緑茶の生産も盛んな省です」と福州の著名なお茶の専門家で、国家高級工程師の陳金水氏は言います。1980年代以前の福建省の閩東地区、龍岩地区、南安地区などの緑茶の主要産地では、緑茶の消費量が比較的多くありました。しかし、1990年代の中~後期に、福建の烏龍茶、とりわけ安渓鉄観音が急激に広まり、加えて紅茶、武夷岩茶などが続けざまに流行ったことから、緑茶を飲む人は年々少なくなっています。
「現地の茶農家が少し飲むぐらいで、そのほかは主に紅茶を作るのに使われたり、ジャスミン茶に加工されます」

福建省人民政府発展研究センター、武夷学院、福建農林大学茶業科学技術と経済研究所と社会科学文献出版社が共同で行った「海峡茶産業発展報告」の2011年の数値によると、福建烏龍茶の生産量は12.63万トンから14.78万トンに増加しました。その一方で、緑茶の生産量は縮小しており、10.83万トンから10.24万トンに減少しました。

 

<茶類の多くは緑茶が主な原料になります>

福建省は同じような緑茶の生産が盛んな省であるのに、なぜ福建省の緑茶の知名度は江蘇省や浙江省、貴州省などの地域の緑茶に遙かに及ばないのでしょうか?
陳金水氏の分析によると、福建省で生産する緑茶の品質が全体的に上であったとしても、江蘇省や浙江省などの緑茶がメインの省に生産量が及ばないというのもありますが、「所有している緑茶の品質が省外のものに及ばない」というのもあります。
福建省の緑茶の消費量が多くないのは、福建省内で作られる烏龍茶(安渓鉄観音、武夷岩茶などを含む)、紅茶(正山小種、金駿眉、坦洋工夫などを含む)との競争に関係があります。そのほか、省外の緑茶との競争も関係があり、全国的な範囲で見ると、福建の緑茶は江蘇省や浙江省などの地域の緑茶ほど有名ではありません。
知名度があまり高くないので、消費者の消費したいという気持ちも弱めているのです。
現在、福建省で生産される緑茶はジャスミン茶の加工に使われるか、紅茶、白茶の製造に使われます。そのうち、”60~70%”はジャスミン茶の製造に用いられます。

「買う人も多くないので、価格も上がりません」と福建大川茶業の董事長・張陳勇氏は言います。
現在、省内の緑茶の販売価格は基本的に300元以内です。
福建日日新茶業有限公司の総経理・林福忠氏も、緑茶の小売り量は極めて少なく、”主に上海や江蘇省、浙江省の卸売商に卸しています”、もしくはジャスミン茶の生産企業に卸していると話していました。

<参考:福建緑茶の産地と品種紹介>

緑茶は製造工程によって:烘青、炒青、蒸青、晒青の4つに分けられます。
緑茶の主産地は、主に寧徳市の福安、福鼎、蕉城、霞浦、寿寧、周寧、屏南と柘栄県など。南平市の政和、松渓、武夷山、邵武などの県。龍岩市の新羅、長汀、武平、上杭などの県。三明市の沙県、永安、大田、龍渓などの県。莆田市の仙游、涵江などの県。福州市の羅源、連江、晋安、永泰、福清などの県です。
このうち、寧徳市は福建緑茶の主力産地で、面積は約5万ヘクタールほどあり、福建省の茶園面積の22.6%を占めます。
寧徳、南平、泉州と漳州の4大茶葉生産地の茶園面積は全省の約80%を占め、そのうち緑茶は全省の72%を占めます。福安緑茶の年間生産量は1万トンを超え、寿寧緑茶の年間生産量は5000トンを超えます。

具体的な品種では主に福雲6号、福鼎大白茶、福鼎大毫茶、福安大白茶、政和大白茶と九龍大白茶などです。そのうち、福安市と寿寧県の福雲6号の栽培面積は茶園面積の約90%を占めます。福鼎市では主に福鼎大白茶と福鼎大毫茶を栽培しており、約90%以上を占めます。政和県の福安大白茶の栽培面積は4000ヘクタールで、茶園総面積の70%を占めます。福安市の福雲6号の栽培面積は茶園面積の40%を占め、福安大白茶は36%を占めます。

 

これを見ると、福建省の緑茶生産は、こと名優茶という観点で言えば、まったく積極的では無くなってしまった、ということだと思います。
記事にもあるとおり、特に安渓鉄観音の省内から全国への伝播というのが、地元産の緑茶を駆逐してしまったのかな、という気がします。
かつて銘茶としての名前があっても、今は開店休業状態や実際には作っていない、なんていうお茶も相当程度あると思われ、福建省の緑茶のラインナップが薄くなっているのは、やむを得ない流れなのでしょうね。

 

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