中国では茶農家が株主になるケースが増えていると言います。
零細な茶農家による小規模経営を一気に大規模化するための切り札として使われている方法なのですが、どのようなものなのでしょうか。
安渓の事例をご紹介します。
安溪虎邱:茶园换股权,换出新生机
茶农变股东
暑茶收获时节,记者来到产茶重镇虎邱镇,只见漫山遍野的采茶大军,遍布大小茶园。
在竹园村,茶农周金宝告诉记者:“家里的3亩茶园,今年茶青产量同比增加10%,销路不愁。去年一亩茶园分红1万多元,看这个好势头,今年的分红有望继续增加。”
本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://news.t0001.com/2013/1004/article_162209.html
<茶農家は株主に変わる>
夏茶の収穫の時期に、著名な茶産地である虎邱鎮に来てみると、山のあちこちに茶摘みをする人が大勢いて、大小さまざまな茶園にまんべんなく広がっています。
竹園村では、茶農家の周金宝さんが、「家には3畝の茶畑があって、今年の生葉の生産量は昨年よりも10%増加し、販路も心配はありません。去年、1畝の茶畑は1万元あまりの利益が配当されたので、この良い状態を見ていると、今年の配当はもっと増えるのではないかと思っています」と話してくれました。
周さんのもう1つの身分とは、興利生態茶工場の株主なのです。
昨年の初め、地元で大規模にお茶の生産を行う周益江さんは、地元の茶農家から茶畑を借りました。出資を希望する茶農家に対しては、土地もしくは現金の2種類の出資方法を用意しました。つまり、土地1畝を1株とし、茶葉の生産による収入によって配当を与えます。現金で企業に出資する場合は、1株500元で100株単位。企業の利潤に応じて配当があります。
現在、出資した茶農家は161戸644人で、出資された土地は220畝、周金宝さんはその中の1人なのです。
2011年末、安渓は「茶園請負経営権に対する出資農民専業組合登録暫定法」を発表し、株式制度を使うことによって、全県で茶葉専業組合の組織を奨励しました。これによって多くの小規模な生産者と大きな市場が繋がり始めました。
「暫定法」の施行以来、茶産業の創造力は劇的に活気づけられました。
地元の茶葉経営者は地元に適した方法によって、株式の購入、賃貸、連作などの多様な発展の方法を使い、細やかな革新を進めています。品質の安全管理を特色とした”挙源茶葉組合モデル”、古い茶園の改良を集中して行う”徳峰茶葉組合モデル”、生産と販売の連携と品質の共同維持がキーポイントの”慶芸茶葉組合モデル”、統一的な栽培管理に代表される”華福茶葉組合モデル”、ネット販売を成長の主力に置く”中閩弘泰茶葉組合モデル”など、安渓の茶産業に強い生命力をもたらしています。
統計によると、現在、安渓には600あまりの茶葉専業組合があり、1.3万戸の農家が株主となっており、その余剰資金は3億元あまりで、流動茶園面積は7.5万畝あまりで、全県の茶園面積の12.5%を占め、総生産量は9200トンあまり、総生産額は10.5億元以上で、茶業の生産における企業化、組織化を高めるのに寄与しています。
<茶園は生まれ変わった>
また別の著名な産地である龍涓郷では、茶農家の陳江興さんに出会いました。
陳さんは龍涓郷の挙源茶葉専業組合の社員で、この組合には158戸の社員がおり、管理する茶畑の面積は6000畝近くになります。
自分の家の茶畑5畝を組合に出資した後から、陳さんはもう1人で戦う必要がなくなり、茶樹の栽培、管理、生産そして販売は、全て組合の統一的な管理の下で行われるようになり、彼も組合の正規職員となりました。
陳さんと同様に、158戸の社員は茶業の全てのプロセスに関わる必要は無くなりました。茶農家は出資後、組合の統一の規則に合わせて計画し、統一の農業資材を購入して使用します。生葉を収穫した後は、腕利きの茶農家の指導によって統一的に加工を行って生産し、挙源茗茶のブランドによって統一的に販売されます。
「茶畑を組合の管理に統一させてから、製茶のコストは大きく減少しました」と挙源茶葉専業組合の理事長・陳伝渓さんはそろばんをはじきます。組合が設立されてから、リースや賃借、出資などの方式で茶畑を整理してきました。
そのうち、特に茶畑の出資が多く、このモデルを導入することにより、組合は今では5000畝あまりの茶畑を保有しています。集中的に農業資材の配送をコントロールすることで、農業資材のコスト全体で10%を削減しました。また、農薬についても同日に散布することによって、40%の農薬コストを削減しました。組合は農業資材のコストを3割、50万元の労力コストを節約することができ、さらに茶葉の品質も保証することができます。
「専門分野を分担することで、より緻密に製造を行うことができるようになり、生産する茶葉の品質は大いに高まりました。さらに挙源茗茶というブランドがあることにより、1kgの荒茶の価格は基本的に400元~1000元の間で維持することができており、これは組合の結成前から比べると大幅な上昇になります」と理事長は話しています。
社員の利益を確保するため、挙源組合には規定があります。農家が茶畑を出資する場合は、50畝で1株。通年で組合で働く場合、一般の職員は2万元あまりの収入で、技術職員は3万元以上にもなります。額面上の1株あたりの配当は10万元以上になります。
これらのことにより、組合に参加した茶農家の年間の収入は平均10万元以上となり、同じ村で組合に未加入の茶農家の収入よりも3倍以上多くの収入を得ています。
挙源茶葉専業組合は現地の茶畑に変化をもたらしており、これは安渓県の茶畑流動政策の成功の1つの生きた縮図です。権の統計局の統計によると、現在、安渓県で農民専業組合によって統一的に管理、営業を行っている茶畑は5万畝を越えており、その社員の平均純収入は3万元で、全県の農民一人あたりの収入よりも50%以上も高くなっており、農業生産における投下コストの平均よりも12%の節約ができており、製品の流通コストも15%と低く、価格は18%も高くなっています。
「茶畑の流動性の革新は、伝統的な茶業における個人で全てを賄う生産モデルを変革し、規模の効果やブランドの効果、集約による効果を生み出し、茶農家が豊かになるための道を広げる舞台を整えました」と安渓県の党委員会書記は言います。
<リスクはコントロールできる>
茶畑の生産請負権を組合に出資したとして、もし組合に経営上の困難、たとえば負債や最悪の場合倒産になったとき、請負権は法律上のリスクに晒されるのでしょうか?
安渓県工商局の株式登録部長は、茶畑の生産請負権は一般の出資形式とは違い、これは茶農家が生活していくための基礎となるものなので、制度設計段階で特殊な規定を行っています、と話します。
「茶農家が保有する数畝の茶畑を組合に出資した後、もし組合が倒産した場合は、各社員の茶畑は返還を求めることができます」と部長は言います。もし、組合が解散、破産など債務を返済しなければならない場合、請負権は移転せず、構成員は貨幣もしくはその他の方法で債務の返済を行うことができます。
「茶畑を流動化して出資した後、ある面では小さな茶農家にとって、市場のリスクを防ぐ能力がひつようになります。また別の面では、出資した茶農家は毎月組合から茶畑の労働に参加した賃金を受けることができ、年末にはさらに配当も受けることができます」と安渓県農業・茶果局の局長は見ています。
茶畑を流動した後に組合を作ることは、茶農家の組織化の度合いを大きく高め、農家の経営を法人経営に買えることになり、分散かつ低効率な農業を集約かつ高効率の経営体制に買えることができるので、個人経営の茶畑のリスクを大幅に下げることにもなります。
このほか、茶畑を出資後は、ある茶農家は青年や壮年の働き手が都市に移住し、2,3の産業に転向することもあります。統計によると、出資した農家の50%以上の労働力は都市に移って、仕事をしたり、商店を経営したりします。既に配当があるため、仕事の収入の他の収入も得られ、年輩の人たちは内職をすることで、食べていくことができます。
専門家によると、現段階では我が省の茶畑はほとんどが小規模で経営されており、効率も低く、情報面でも足りていません。安渓は茶畑を流動化することで、茶農家を個人から有効に引き上げることができています。情報の不対称性は価格の面でもマーケットにおいては不利な局面が出てくるので、より大きな茶産業の抗リスク能力を活かしていくべきです。
中国では土地は国有ですので、中国の農家は、農地の生産請負権を国から得ることによって、生活を行っています。
今回の安渓のケースは、この生産請負権を現物出資できるようにすることで、農業生産組合に茶畑を提供するという道を示しているものです。これによって、小規模な個人経営から、組合などの法人経営の大規模茶業に転換することを狙っています。
今のところ、前向きな状況になっているようですが、今後、法人間の競争が激しくなってくると、どうなっていくのでしょうか。