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名山区の250万斤のお茶が塩漬け状態に

大地震から2週間あまりが過ぎた四川省雅安市。
大本営発表では無い、茶産地の被害の大きさが、ようやく伝わってくるようになりました。

 

雅安名山区250万斤茶叶积压冷库

5月3日上午11点,雅安名山区蒙顶山上,一家茶叶加工厂老板廖荣富孤坐在茶叶加工机间饮茶,周围的机器上已经落上了灰尘。地震后,他的加工厂一直处于半停产状态。他的遭遇,是名山21万茶农的缩影。

本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://news.t0001.com/2013/0505/article_156426.html
5月3日午前11時、雅安市名山区にある蒙頂山では、ある茶葉加工工場のオーナーが、お茶の機械の間に一人で座り、お茶を飲んでいました。周囲の機械の上には埃が積もっています。地震後、彼の加工工場はずっと半停止状態にあります。彼の境遇は名山にいる21万の茶農家たちの縮図です。

名山県は全国二位の茶の産地で、90%の農民は茶を植えて生活しており、茶の栽培面積は30.25万畝に達します。昨年の総生産量は4.63万トンでした。
今年2月から、ここでは連続して霜の害と数十年ぶりの乾燥に遭い、1~5月分で1万トン減産しました。14日前には、また地震に遭い、既に加工の終わった250万斤の夏茶の製品茶が売れずに滞っています。
<茶摘みが難しい:5万人の外地からの茶摘み人は帰郷してしまった>

5月3日の午前10時、名山区蒙頂山の山頂では、50歳の茶農家と2人の親戚が20畝ほどの面積の茶園で茶摘みをしていました。ここ数日は、まさに名山の”夏茶”の茶摘みのピークなのです。
3人の茶摘み人の平均年齢は55歳で、一日働いても、1畝に満たない茶葉しか摘めません。

このような茶摘みのスピードは、例年の半分以下です。茶農家によると、茶摘みが遅いということは、直接的な経済損失を意味するといいます。毎年、彼女の茶園では5人の優秀なプロの茶摘み人を雇う必要があります。しかし、今年の地震の後は、彼女がいかに努力をしても、茶摘み人を見つけるのは難しかったのです。

昨日の午後、名山区茶葉局は記者にある統計資料を見せてくれました。
地震の後、名山区にやってきていた5万人の外地からの茶摘み人はすべて帰郷し、30万畝の茶園の夏茶は摘む人が誰もいないと言います。名山区の茶農家がどれだけ困難な局面に置かれているのかは想像に難くありません。
先ほどの茶農家のように、老若男女がすべて茶園に入って茶摘みをするというのは、至って普通の現象なのです。5月3日迄に、名山区の茶葉は今年既に1万トン減産しており、これは昨年の生産量の5分の1を超えています。

<製茶が難しい:5ヶ月以内に”霜・干ばつ・地震”の天災を受ける>

今年の旧正月から10日目、名山の平坝地区の9万畝の茶園が、霜害に遭いました。お茶の芽は半分に減産し、新芽の成長に影響を与えました。茶農家たちは、”明前茶”で損失を取り返せるだろうと期待していました。

蒙頂山甘露坊茶葉販売店の人の家では、30畝あまりの茶園を経営しています。
彼女は2月1日から4月5日の清明節までの間、雨が降った日を毎日しっかりカレンダーに記録していました。
「たった8日しかなかったのです」
彼女によると、例年この時期であれば、40日あまり雨が降り、40回茶摘みができるといいます。

今年、名山区の干ばつの状況は数十年、類を見ないものでした。雨の街・雅安の空では、雨粒が落ちていないことを見る方が難しいのです。農業人口の平均収入は過去3ヶ月で840元にまで落ち込み、これは一年の収入の10分の1でしかありません。

<お茶を売るのが難しい:お茶屋さん、早く戻ってきて>

地震前日の4月19日、名山区にある大きな生葉の取り引き市場では、人の声で沸き立っていました。この日一日で、黒竹鎮市場では単価96元の芽茶の生葉が5000kgも売れました。

ある茶商は、浙江省の取引先のために2日目の茶葉を準備していたところでした。「2日目は地震の日で、名山区のすべての取引市場は3日間、閉まってしまった」。この茶商が次の日、浙江省の取引先に連絡を取ってみると、先方は既に地元に戻った後でした。

20日の地震発生時から23日に名山区の大きな茶葉取引市場がオープンするまでに、名山区にいた500名あまりの外地の茶商がいなくなってしまい、取引量は3割落ち、単価もまた3割下降しました。名山区茶葉局の局長は、5月3日迄に、地震前に摘まれた夏茶の製品茶”毛峰”が250万斤が寝かせられたままになっている、と明かします。
「例年この時期であれば、茶葉工場の倉庫にはほとんど茶が見当たらない。しかし、今年は大型の茶葉工場の冷蔵庫は、どこも茶葉でいっぱいになっている」

 

 

どうも現地政府当局は、市場も動いているし、安定しているということを喧伝してきたようですが、実際には、ずいぶんと厳しい状況にあるようです。
産地の本格的な復興には、かなり時間がかかりそうです。

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