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蒙頂山の被害は深刻

4月20日の四川の大地震。
日が経つにつれ、徐々に被害の様子が明らかになってきました。
震源にも近かった蒙頂山では、茶畑だけではなく、様々な茶文化の歴史的資産が破壊されてしまったようです。

 

雅安蒙顶山茶产业告急

“几个重要的雅安景区中,蒙顶山受损情况相对更严重”,23日,“4·20”芦山7.0级地震后的第四天,在雅安市政办公大楼接受《金融投资报》记者采访的雅安市旅游局工作人员孔文介绍道。

本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://news.t0001.com/2013/0424/article_155979.html
廬山で発生したマグニチュード7.0級の4.20地震から4日目の23日、雅安市旅行局の関係者は「雅安のいくつかの重要な風景区の中でも、蒙頂山が受けた被害状況は深刻だ」と語りました。

”揚子江中水、蒙山頂上茶”と言われるように、蒙頂山といえば、人は誰もが真っ先に蒙頂山の“茶”を思い浮かべます。茶の発源地として蒙頂山は”世界茶文化聖山”と呼ばれ、蒙頂茶の評判は内外に響いています。
しかし、4月20日の地震発生後、震源である廬山から直線距離で十数キロしか離れていない蒙頂山が受けた損害は深刻です。
雅安市旅行局が把握している情報によると、千年にもなろうかという茶道の文物が著しく破損し、茶農家たちもできあがった明前茶の販路について心配しています。
<貴重な茶具が著しく破損>

蒙頂山で被災した一部の観光スポットの現状は、”災難後の荒れ果てた家”という形容詞を用いることができるでしょう。
古くは唐代から貢茶を摘み始めたという、蒙頂山で最も著名で代表的な皇茶園は今回の地震で被害を受けました。その中にある7本の”霊茗之種”の四方を囲んでいた石の壁は、山崩れによって一面は崩され、山の斜面になぎ倒されています。さらに、”蒙茶仙女”の漢白玉の彫像は、石の台から落ちてしまい、体に三つのひびが入ってしまいました。

さらに人を悔やませたのは、蒙頂山の天梯古道の起点にある茶史博物館の中にある、大量の茶道具などの文物が、地震によって展示台から揺れ落ち、損害を受けてしまったことです。
その中には、紀元前476年以前の馬家窑双耳彩陶缶や、漢代の黒陶耳杯、両晋時代の緑釉陶缶などの茶具や器が、地震の揺れで倒れ、台の上に転がりました。
現在のところ、まだ専門家による被害の査定が行われていないので、被害助教ははっきり言えませんが、いくつかの清代の磁器は完全に破壊され、価値は全く無くなってしまいました。

 

<茶農家は売り上げ不振を心配>

地震発生から2日目、農業銀行雅安支店の貸し付け担当部門長は、蒙頂山へ行って、貸し付け先の顧客の被害状況を見てきたそうです。「蒙頂山では2軒の工場が我々の貸し付け先になっていて、22日、私たちはすぐに現場に出向いて、その被害状況を調べました」。
そのうちの1社は蒙頂皇茶茶業であることがわかりました。

蒙頂山旅行開発会社の関係者によると、清明節の前には既に茶摘みをし、殺青、揉捻、乾燥などの加工を完了していると話しています。しかし、蒙頂皇茶茶業は外販の他に、現地にやってくる観光客向けの茶葉販売も行っています。
蒙頂山は今回のような災害を受けてしまったので、旅行客が戻ってくるのはいつになるか分からず、観光客向けの茶葉販売事業については、業績に影響を与えるものと思われます。

しかし、蒙頂皇茶茶業は外販の道を持っているので、茶葉の販売における影響は比較的小さいと思われます。しかし、もっぱら蒙頂山にやってくる旅行客に対してお茶を販売していた茶農家たちは、唯一の販路がこのような危機に直面したことの他に、資金の面でもリスクを引き受ける能力が試されており、その反応は悲観的なものでした。

「一年のうち売れるお茶の多くは、旅行客が自分でやってきてここで買っていくものだった。私たちには広告を打つお金もないので、私たちの蒙頂山のお茶が良いことを知っている”内輪の客”だけが買いに来て、売れていた。このようなルートがなくなってしまうと、私たちが山を下りて、町に売りに行かなければならないが、そんなに良い値段で買ってもらえるとは思わない」と蒙頂茶の小さな茶農家は将来の販売への不安を口にします。
彼は、「五一節(ゴールデンウィーク)は、旅行客も多く、茶葉もまだまだ新鮮なので、茶の販売にとって最も良い時期だった。しかし、このような大きな地震があっては、旅行客は私たちの蒙頂山にはやってくるはずもなく、私の今年のお茶は全くどうして良いものか分からない」と話しています。

別の匿名の茶農家は販路の問題を心配するとともに、投入した資金を回収できないのでは、と案じています。
「私はこの商売を始めるのに、資金はすべて借り入れで行った。もし売れないのならば、お金は回収できない・・・」と彼はここまで言うと、それ以上何も言わなくなりました。

しかし、農業銀行雅安支店の副支店長によると、彼は蒙頂山の貸し付け客の被害状況を見た後、需要があるということを根拠に資金を提供し、与信を与え、需要の回復ができるようにしたいと話しています。

 

被災地は山奥にある上、交通事情も良くないので、まだまだ全貌はつかめていませんが、深刻な被害が出ているようです。文化的資産が失われているようですし、なによりも茶農家のみなさんの今後が心配されます。
四川大地震の影響については、引き続きウォッチしていきたいと思います。

 

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