ユネスコの無形文化遺産登録をきっかけに中国各地では、茶文化の発信が行われています。
杭州市内を走る地下鉄では、茶文化をテーマにしたラッピング列車が走り始めたそうです。
先日、中国茶文化の要素が詰まった車両が杭州地下鉄1号線のホームに滑り込んできました。車内に入ると、新緑でいっぱいの、中国の濃厚な”茶韵”が顔をくすぐり、茶園の中に身を置いたかのようでした。「私は自分でもお茶を飲むのがとても好きで、私が育てた子どももお茶を飲む習慣があります。私はこの素晴らしい中国茶文化がずっと伝承されていくことを望みます」と列車内で子どもと一緒にいた市民の周さんは、このような茶文化の宣伝を行うラッピング列車はとても意味があり、意義のあることだと言います。
北京時間の11月29日の夜、国連教育科学文化機関の無形文化遺産政府間委員会の第17回定期会議で、中国政府が申請していた遺産プロジェクト”中国の伝統的製茶技術とその関連習俗”が『人類無形文化遺産代表リスト』に名を連ねることが決まりました。これまでに我が国には全部で43の無形文化遺産が国連教育科学文化機関の無形文化遺産リストに名を連ねており、世界でナンバーワンです。今回選ばれた”中国の伝統的製茶技術とその関連習俗”はこれまでに我が国が申請してきた無形文化遺産プロジェクトの中で”最大の量”であり、全部で15の省(区、市)の44の国家級無形文化遺産代表性プロジェクトに及んでおり、緑茶、紅茶、烏龍茶、白茶、黒茶、黄茶、再加工茶などの伝統的な製茶技術と径山茶宴、趕茶場、潮州工夫茶藝などの関連習俗をカバーしています。
伝統的な製茶技術を宣伝し、市民に茶文化の魅力を一緒に感じてもらい、より浙江省の茶文化知識を理解してもらうために、その日から12月11日迄、この車両は”中国の伝統的製茶技術とその関連習俗”をテーマとした”茶文化”ラッピング列車として、杭州地下鉄1号線で運行されています。
”茶文化”ラッピング列車は全部で6両の車両があり、それぞれの車両の中身は違っていて、文字と写真で浙江省から入選した6つの無形文化遺産プロジェクトを展示しています。すなわち緑茶製造技術(西湖龍井)、緑茶製造技術(婺州挙岩)、緑茶製造技術(紫笋茶製造技術)、緑茶製造技術(安吉白茶製造技術)、廟会(趕茶場)、径山茶宴です。主催側は市民が地下鉄に乗るのと同時に、近距離で浙江省の奥深い茶文化に”触れる”ことを期待しています。その場で見られる内容以外にも、地下鉄にあるQRコードを読み取ると、オンラインで中国の伝統製茶技術とその関連風習を理解できるようになっています。
今回の”中国の伝統製茶技術とその関連風習”の人類無形文化遺産への入選は、重大な意義があり、影響は非常に大きなものです。浙江省は申請を牽引した省であり、宣伝の展示主会場を請け負った地でもあり、当日から12月末まで各地で”茶和天下共享非遺”をテーマとしたプロモーションイベントを実施する予定です。浙江省文化和旅游庁、杭州西湖風景名勝区管理委員会、中国茶葉博物館などが実施機関となり、一連のプロモーションイベントを実施することになっていますので、是非ご期待ください。
各機関がこの登録を見越して、色々なプロモーションを準備していたようです。
対外的にも国営メディアなどが集中して記事を投下しており、かなりのプロモーション予算が掛けられているようです。
非常に戦略的だと思います。