浙江省杭州市西湖区の西湖龍井茶の茶摘みがまもなくとなりました。
その適期を判断するのが地元の同業者団体なのですが、その根拠となる茶芽のモニタリングが行われたようです。
春に入ってからの杭州は、温度も日照もちょうど良く、皆が心待ちにする西湖龍井春茶の茶摘みもカウントダウンに入りました。
今日(3月14日)の午前、杭州市西湖街道の霊隠股份経済合作社に取材したところ、現在、この地域の西湖龍井の成長状況は良好で、正式な茶摘み開始を待つばかりとなっていて、今年の品質も良くなりそうです。
春節休暇に入る前から、霊隠股份の茶農家たちは、今年の茶摘み人の予約に取りかかっていました。
茶農家の朱牝鶯さんによると、今年、霊隠股份の200畝あまりの茶園では、2~300名の茶摘み人を予約していて、大部分の茶摘み人は安徽省からやって来て、一部は(訳注:浙江省)衢州市からやって来るそうです。今年の茶摘み人の価格は1日あたり220元で、例年よりも10元値上がりしました。
春茶の茶摘み開始の前日になると、茶摘み人たちが続々とやって来ます。
最近、茶農家たちは好天を利用して、製茶道具を洗って乾かしていて、準備は全て整い、春の最初の新茶が来るのを待っています。
今年の茶葉の生長状態をよりよく把握するために、今年、西湖龍井茶は”デジタル化”を行いました。
しばらく前に、中国茶葉博物館は茶芽モニタリングチームを結成し、5名の西湖龍井の無形文化遺産大師と共同で、西湖龍井の核心産地の5つの代表的な茶村などで茶芽のモニタリングを行っています。
昨日、茶芽の観測チームは翁家山村にやってきて茶園の調査を行い、無作為に選んだ20個の龍井43号と20個の群体種の茶芽を摘み取り、それらを測って記録して平均値を出し、これをもとに代表的な茶園の茶芽の成長変化としています。
1回目のモニタリングと比較すると、今回の龍井43号と群体種の茶芽の平均の長さは、いずれも伸びていました。
さらに重要なことは、茶芽には既に殻から出ている現象がありました。
モニタリングデータによると、3月5日、龍井43号の茶芽の平均の長さは0.96cm、群体種の茶芽の平均の長さは0.84cmでした。
3月13日になると、両者の平均の長さはそれぞれ、1.34cm、1.19cmになっていました。
翁家山村の茶園の管理人である翁力文さんは、「毎日山を巡って温度を測っています。これには地表の温度、葉の表面の温度、そして当日の気温があります。それによって茶葉の成長状況を知りたいという私たちの全国のお茶の愛好家に伝えることで、直感的に理解できます」といいます。
このほか、茶芽モニタリングチームは、龍井村、満覚隴村、楊梅嶺村、梅家塢村および中茶龍冠茶園でもモニタリングを行い、いずれの茶園の茶芽も明らかな成長が見られました。
しかし、西湖龍井茶の茶摘み開始の基準である2.5~3cmまでには、まだかなりの差があります。
今後、茶芽モニタリングチームは、春茶の茶摘み日の前後、群体種の茶摘み前にも再度モニタリングを行う計画です。
中国茶葉博物館茶芽モニタリングチームのメンバーである王一瀟氏によると「龍井43と群体種では、その成長状況は同じではありません。相対的に言うと、群体種の方が少し遅くて、そのため私たちは3月末頃にももう一度モニタリングをし、さらに全体の製茶の状況についても記録する予定です」と述べています。
きちんと茶摘み開始の基準を設けており、茶芽が2.5~3cmになるタイミングで茶摘みがスタートするとのことです。
なお、この記事のあと、現地の茶業団体が記者発表を行い、今年の西湖龍井茶の茶摘み開始ですが龍井43は3月20日、在来種は3月27日前後に決定したとのことです。
2月末の寒の戻りの影響などで、昨年よりは1週間程度遅くなっていますが、平年並みといったところです。