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安渓鉄観音、今年の春茶シーズン総括

安渓鉄観音の今年の春茶シーズンについて、現地に出向いた記者のレポートがありましたので、ご紹介します。

 

安渓鉄観音の春茶が発売され、”五一連休”の期間中、茶産地安渓の感徳、桃舟、祥華、虎邱などの主要な茶産地の郷鎮に車で向かいました。途中で車の窓を開けると、道には香りが漂っていました。

取材してみると、昨年の冬と今年の春の乾燥した天候の影響を受け、今年の春茶の産量は減少しました。また乾燥が原因で、茶葉の摘採期は例年よりも7~10日前倒しになりました。春茶の茶摘み製造期間中は、天候が良く変わり、茶を作るにはとてもチャレンジングでした。しかし、今年の春茶は良いお茶が少なくなく、一部の良いお茶の品質はここ数年で最高になっています。

 

産量は減少すれども、良茶は少なくない

5月1日午前、安渓県感徳鎮の慶蕓茶葉専業合作社にやってきました。この合作社は安渓最大の茶葉専業合作社の1つで、700軒あまりの社員があり、ここの茶葉の生産販売状況は往々にして、安渓鉄観音茶市場の風向計になります。現地に着いてみると、沢山の茶農家が茶を売るために並んでいるところで、合作社の外の道路は渋滞しているほどでした。合作社にやってきた多くの茶商は一斉に品評をして、茶商が満足したら、直接購入することもできます。合作社の責任者の陳慶雲さんによると、昨年の冬から今年の春にかけての乾燥した天候の影響で、鉄観音の芽の成長はゆっくりだったと言います。加えて、”五一連休”前の多雨な状況は、茶の製造には不利に働き、鉄観音春茶の産量は明らかに減少し、合作社が購入できる量もそれにつられて減少しました。産量は減少しましたが、品質は低くはなっていません。「春茶の製造の前には降水量が少なくなったこともあって、茶葉が出来上がると、基本的には以前に時々見られた青みなどがでることが無くなりました」と陳慶雲さんは言います。今年の鉄観音茶の品質はどれも比較的良くて、特に香気は突出していると言います。

生葉を太陽光の下へ運び日光萎凋するところ

5月3日、安渓県祥華郷の春色満園茶葉専業合作社へ到着すると、合作社の責任者の詹宝福さんが緊張した面持ちで茶葉の購入を行っていました。この合作社は最近、いくつかの新しい販路を開拓したのですが、今年の買い付けた春茶は昨年よりも下がらずむしろ上昇しています。「今年の荒茶の品質は良いものがとても多く、それらの価格は1斤で7,80元であるいは100元あまりになるものもあります」

福建省茶産業研究会副会長で、泉州裕園茶業の責任者である林揚聞さんもまた、今年の茶葉の価格は全体的には昨年とほぼ同じですが、上等な茶葉の価格は例年よりも上がっているといいます。この理由は一つには安渓の大きな生態環境が年々上昇していて、原材料の品質が大幅に向上していることで、上等な茶葉の品質が例年向上していること。二つ目には、みなが”茶中の香水”である鉄観音と近い距離で触れることで、茶葉の天然の品質が新たに認知され、鉄観音が知られるようになったことです。

「この十数日間は、国営雲嶺茶荘園、裕園茶七星荘の旅行客の数も増加していて、茶旅行が多くの人たちに受け入れられていて、茶葉についての直観的でより深い理解をもたらすことが示されています」と安渓鉄観音大師で裕園茶品質安全技術官の陳藝峰さんは言います。

 変わりやすい天候に技術が試され、エコな発展が品質を向上させる

安渓鉄観音の春茶は、天候に大きく影響され、このために茶園の管理や製茶は前もって判断することが必要で、今年は特にこのようになりました。

安渓の茶園での多くの管理措置が春茶の品質の基礎となる

「今年の春茶は、例年の慣習に従えば”五一連休”の後に集中して茶摘みをするのですが、その後の時期の生葉は成長しすぎていて、よく作ることができませんでした」安渓鉄観音大師で、龍涓郷挙源茶葉専業合作社の責任者の劉金龍さんは言います。去年の冬から今年の春にかけては雨が降らず、干ばつ気味であったので、生葉の柔らかさの持続がやや落ちるため、この合作社では十数日前倒しで茶摘みを始めました。

5月2日の夜、安渓県虎邱鎮の香都茶葉専業合作社へ到着すると、安渓鉄観音大師の李金登さんが、おととい作った茶のサンプルに向き合い、客先へのサンプルを宅配便で送るところでした。「秋茶は茶樹の剪定などの方法で、茶樹の芽が出る時期をコントロールし、計画的に茶摘みの時期をコントロールすることができます。しかし春茶はそうはいきません。いつ摘むかはお天道様が決めるのです」と李金登さんは言います。「その前の数ヶ月の乾燥した天候の影響を受け、今年、私たちの合作社の春茶は前もって摘むことにしました」。摘む前の時期に持続的な干ばつがあることは、春茶の製造にはより多くの困難をもたらします。「茶師たちは天候を見て做青をし、生葉を見て做青することを追求しています」。今シーズンの春茶の製造に当たっては、水分のコントロールに注意し、揺青は重くはできず、軽く揺する程度にしなければなりません。そうしなければ茶葉はすぐに紅くなってしまい、品質の劣る茶になってしまいます。

「今年の摘採期は全体的に前倒しに也、4月22~23日から続々と摘み始めました」と陳藝峰さんは振り返ります。4月24日以前のお茶は含水量が少ないため、出来上がった茶葉の茶湯は総体的に薄っぺらくなっていて、ちょっとした不注意で簡単に紅くなってしまいます。揺青と発酵がやや注意深くなかった葉っぱは、すぐに発酵が行き過ぎて紅くなってしまいます。「4月27日、28日の2日の小雨の後、この4,5日の茶葉の品質は明らかに良くなりました」と泉州市烏龍茶(鉄観音)無形文化遺産伝承人で、裕園茶品質安全技術首席工程師の林茂安さんは言います。この数日の茶葉の原材料は十分に成熟していて、香気が高く豊かで、ここ数年では最も良い出来で、茶人や買い付け人たちも非常に満足しています。

今年の春茶を品評する

乾燥した天候の影響を受け、今年の春茶の生長はどこが、どのような茶樹から作られるものが比較的良かったのでしょうか?劉金龍さんは、山あいの窪地にあって、木が大きく根っこの深い茶樹が良かったと考えています。なぜなら、このような茶樹は乾燥した天候という状況でも、土壌の深くから栄養成分を吸収することができ、乾燥した天候の影響を受けることが比較的少ないからです。喜ばしいことに、この数年ほど前から、安渓県の政府部門は土地の余力を残す程度に適度に植えることや、茶樹を高くすることを推奨していて、安渓県政府部門はかつてエコ発展専門サポート資金を500万元ほど拠出しました。それぞれのレベルの生産に携わる組織に、ある程度の規模(50畝以上)は適度にまばらに植えることや、茶樹の高さを保つこと、区画に草を残し、化学肥料を有機肥料に置き換えるなどのエコな栽培措置を実施し、基準に達した茶園には1畝当たり1000元を超えない程度の補助を実施しました。茶園の地力を向上させる関連技術の研究を展開し、50万元を投じて、県レベルの”十大優良茶園”のコンテストイベントなども実施しました。多くの茶園がこれによって改良を進め、挙源茶葉専業合作社を例にとると、この合作社の茶樹は高さを80~120cmに保ち、茶樹を間引く改良を行い、本来であれば1畝当たり3000株があった茶園を、1畝当たり600株に減らしました。安渓県政府の転ばぬ先の杖が、今回の春茶の品質を作る基礎にもなっていたのです。

 

今年の安渓鉄観音の春茶ですが、台湾と同様に冬から乾燥した天候が続き、これによる影響が大きく出ていたようです。
乾燥の影響で、少し早く茶摘みを始めたケースが多かったようですが、少し雨が降った後のお茶の品質はここ数年でもトップレベルとのことです。
ここ10年ほど、安渓県政府は量より質を求めるための茶園の改良に補助金を投じており、茶樹の間引きや樹高の維持などで干ばつに耐えうる茶園が増えていたことも大きかったようです。
このあたりの安渓の茶園の改革については、案外知られていないかもしれません。

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