浙江省温州市平陽県には、平陽黄湯という黄茶があります。
このお茶は、失われていた製法を近年復刻させた復刻名茶なのですが、これによって貧困問題を解決した村があるそうです。
温州市平陽県には、かつて困窮していた”貧しい山の村”が”一枚の葉っぱ”によって、千万元の産出額を産み出し、”黄湯第一村”となった村があります。
春と夏が入れ替わり、温州市平陽県の新聯村の春茶の茶摘みは”第二春”を迎えました。朝7時、村民の鐘冬影さんと何人かの村人が茶園で茶摘みをしていました。鐘冬影さんたちにとっては、ここにある一枚一枚の茶葉はこの上なく貴重なものです。「私はだいたい夜が明けるころに茶摘みにやって来て、1日に7,8時間摘みます。一日にこうやって百元あまりを摘むのです」
二十数年前、新聯村は平陽県でも名の通った”貧しい山の村”で、ここは海抜600mあまりの山地で、一人当たりの耕地面積が極めて少なく、村民の経済的な収入は主に稲やサツマイモの栽培によるもので、村全体による収入はゼロでした。新聯村の党支部書記の蘭江平氏によると、一枚の茶葉から変化が始まったと言います。1998年、村の初めての茶園が数人の古い党員たちによって始まり、25畝、1万株の茶樹でした。3年後、茶園は生産を開始し、村民たちは貧困を脱する希望が見えました。「農家が計算してみると、あれ、この種類のお茶は確実に他のものよりも効率良く稼ぐことができて、地元のものは1畝数百元なのに、これは1000元以上になるので、50%を越える効率の良さでした。そこで農家が茶葉に対しての積極性が増し、一戸また一戸と栽培が始まったのです」
茶を栽培することの効益を高めるために、この地域では省内でも先駆けて補助政策を打ち出し、一畝の茶園に対し300~500元の補助を行い、茶葉の生産加工機械へ30%の補助を行いました。このほか、平陽県茶葉産業農業合同組合の努力の下、平陽黄湯茶は茶葉有機製品のダブル認証を得ました。平陽県茶産業農道合同組合の会長の李祖波氏によると、ブランドの確立によって製品価値を高めるほかに、茶農家のコスト低減の手助けをしていて、コスト減少後はすこぶる良くなったと言います。「私たちが供銷社の指導のもとで、茶葉産業農業合同組合が前面に出て、平陽県農業銀行と提携を結び、低利息の企業融資で担保が不要にしたのです。さらに大きなメーカーと団体購入をおこない、肥料の品質を保証したのです」
平陽県新聯村の党支部書記の蘭江平氏によると、茶葉の生産水準の向上、ブランドの確立、経営理念のグレードアップを通じて、平陽黄湯は既に村にとっての”豊かになるためのお茶”になっています、と言います。「これは私たちが今年生産したばかりの春茶、平陽黄湯で、1斤は3000元です。私たちは今年、全部で3000畝あまりの茶園があり、4000トンあまりの茶葉を生産できて、産出額は2000万元あまりになるでしょう」
茶産業の成長と同時に、新聯村では茶旅の融合という大きな流れに注目しており、”中国黄湯第一村”を打ち立てようとしています。蘭江平氏によると、「旅行との結びつける上で、私たちは現在、テントホテル、ビジターセンター、品茶エリア、民族ステージなどがあり、質の高い民宿もあります。今後は、古村落、シェ族の文化が感じられるストリート、婚礼用の写真撮影所、茶葉教育機関、茶葉メモリアルホールなどを設けていきます。私たちの最終的な目標は村民たちの生活をより良くすることなのです」
最近の中国で典型的な茶葉によって、豊かになっていく村です。
このことは、習近平主席が浙江省安吉県で茶葉を軸にして農村の収入を拡大したという成功体験がもとになっています。
そのテンプレートのような成功事例なのですが、一番の要になっているのはお茶を高値で販売することができていることです。
お茶の価値を高めるように業界が働きかけを行ってきた結果でもあります。