中国でお茶の栽培の北限になる山東省。
山東省日照市の茶園では、清明節となる4月4日に茶摘みが少量始まったそうです。
日照緑茶は全国に名前が知られており、かねてより”葉が厚く、味わいが濃く、薫り高くて、煎が効く”という特色があります。春茶は日照緑茶の中の極上品で、清明節前後に摘まれる最初の春茶は極めて稀少で、その芽葉は肥えていて柔らかく、色は翠色で、香りは優雅で、味に厚みがあって形が美しく、極上品の中の逸品です。
4月4日午前、日照聖谷山茶場では、2021年春茶茶摘み開始式典が開催され、これは最初の露天の春茶がまもなく発売されることを意味し、お茶の好きな人々の味覚を満足させます。
南方の地区の最初の春茶の茶摘み時期は、一般には清明節の前で、明前茶とも呼ばれます。しかし、日照市では、地理的な位置の制限から、明前茶の産量は極めて少なく、一般には清明節を過ぎてからようやく最初の茶葉を摘むことができます。北方の冬の季節の雪は茶葉の養分を十分に蓄積させることができ、この時に目や葉っぱが肥え、アミノ酸の含有量も高くなります。製茶してからお湯に浸すと、葉と芽はしっかり開き、香りも充満して、ゆっくり味わうと、味わいにはうまみと甘みがあって、清らかですっきりしており、戻りの味わいも長く続きます。
春茶は一つのシグナルです。冬のひっそりと静まりかえった季節を過ごし、山の合間からやってきて、まさに万物の最初の目覚めとなる、青く柔らかで、エネルギーに溢れたものを人の身体と精神の中に運んできます。
聖谷山茶場有限公司の2つの茶園、竹園と大梁山有機茶園を訪問しました。2つの茶園はいずれも深い山の中にあり、車を降りると、視界が突然広くなり、遠くを眺めると、空は青く、山並みが続き、茶樹はきれいに並んで山の斜面にあり、目には鮮やかな緑が茂っているのが飛び込んできます。春には満開となる桃の花とレンギョウの花も点々とその景色の中にあり、とても美しく目を楽しませてくれます。
清明節が過ぎれば、日照春茶の最初の茶がそろそろと芽を出してきて、柔らかい緑が出てくる様はとても可愛く、春風が軽く吹くと活き活きと見えます。茶農家たちが心を込めて摘んだ、一芽一葉の柔らかく黄色がかった芽が竹かごの中にあります。
最初の春茶はとても貴重で、今日はまさに茶摘みの初日で、露天の新芽の量は非常に少なく、一日かけても10斤前後の生葉しか摘めず、2斤半の製品茶しかできません。
今年の茶葉は寒波の影響を受け、凍害も深刻で、総産量は少し減る見込みです。日照聖谷山茶場有限公司の董事長である高建華さんによると、茶葉の産量の制限とインフレの影響を受けて、今年の茶葉の価格は少し上がる見込みで、これは南方で既に発売されている茶葉の価格から見ても、今年の値上がりは一種の必然と思える情勢です。このほか、高建華さんによると、今年の露天の春茶は4月中旬~下旬にはまとまった量が発売される見込みで、お茶の愛好家のみなさんは期待してくださいとのことです。
日照聖谷山茶場有限公司は2002年7月に設立され、国家級茶葉特色鎮である日照市嵐山区巨峰鎮にあり、茶葉の栽培、加工、販売、茶葉科学研究と茶文化体験が一体となった現代化された茶葉企業です。
聖谷山は山東省の著名商標で、山東ブランド、山東農産品有名ブランドでもあり、2015年にはイタリアのミラノで、百年万博中国名茶金のラクダ賞を受賞し、2018年には上海協力機構の青島サミットの指定製品にもなりました。2019年8月、聖谷山は日本で開催された世界緑茶コンテストで最高金賞を受賞し、2019年には世界紅茶製品品質で金賞に推薦されました。
聖谷山茶葉が高品質なのは、茶園が人里離れた地域にあり、人工的なコントロールを拒絶し、原始的で素朴な生態環境を留めていることにあります。竹園と大梁山の土壌は未だに開発されたり耕作されたことがなく、地表に植わっている植物は自然に生長したもので、よく野ウサギやキジなどが出没します。茶葉の生長には土壌、大気、雨、太陽光などの自然要素が必要で、これが天然の状態であることが聖谷山の茶葉の高品質さをもたらしています。
聖谷山は茶葉の生長環境について厳格な基準を設け、多くの認証を獲得しています。2012年、聖谷山は山東省の茶葉業界で初めての中国方円有機認証証書を獲得しました。2014年、聖谷山はアメリカのレインフォレストアライアンスの認証を獲得しました。このほか、ほかにもEU、アメリカと日本などの多くの国家や地域の有機認証を獲得しています。
原材料の基準がことのほか高いこと以外でも、聖谷山茶場有限公司は製茶、保存輸送、販売などの部分でも同じように力を入れています。聖谷山では200万元あまりの全自動化スマート生産ラインへ投資し、計量、殺青、碾揉などの製茶環境を全てコンピュータによってコントロールし、厳格に温度、湿度などの条件をコントロールし、最良の緑茶を製造できるようにしています。
日照市の人が最も愛する日照茶は、このような茶の味が日照市の人々の生活の中に既に浸透しており、血液の中に流れているようで、郷愁のようになっています。
静岡で開催された世界緑茶コンテストで最高受賞を受賞した茶園の主催イベントだったようです。
山東省の茶摘みは一般的には穀雨以降になので、今回のものは、あくまで最初の初物、という限定品になるようです。