湖北省の名茶として挙げられる恩施玉露。
こちらも新型コロナウイルスの影響を大きく受けた地域ですが、今年の新茶の出荷が始まっているようです。
「みんな頑張って、できるだけ早く天津の人たちに私たちの新鮮な恩施玉露を飲んでもらうんだ」3月21日の夜10時、恩施市屯堡郷花枝山生態農業股份有限公司の工場内では、煌々と灯りがともり、会社の責任者である劉小英さんは、まだ残ってスタッフに摘んだばかりの富硒茶の加工と包装を指導していました。
以前、天津市が援助した恩施医療チームは屯堡郷花枝山村で病気の流行予防対策を行っていたときに、ここが玉露茶の主産地の一つで、当地の気候が適しており品質の良い産地であること、恩施玉露が国内外で販売されていることなどを知りました。
茶葉の摘み取りと買い上げ、注文の処理、荷造りと発送・・・天津の医療チームとメディアが陰から糸を引いて、恩施硒茶は天津で大変良く売れ、硒茶の累計販売量は5000斤あまりに達します。
3月19日、天津へ向けて初めて発送された1000斤の保存茶と116本の新茶はその日のうちに天津市民によって購入され、売り切れました。多くのお茶を買えなかった市民たちは、WeChatのグループを立ち上げ、オンラインとオフラインを合わせて注文額は10万元あまりになりました。
病気の流行も春茶の香りを妨げることは出来ませんでした。武陵山茶葉交易センターの臨時市場では、茶の販売店と茶商たちがマスクと使い捨ての手袋をつけて、試飲をし、価格のやり取りをし、取引をするということを秩序だって行っていました。
武陵山茶葉交易センターは2017年に建設が始まり、現在、建設しているところで、竣工すれば武陵山地区の茶葉取引センターと全国の硒茶の取引センターになる見込みです。茶葉の販売の利便性を図るため、毎年、茶摘みが始まるとここには臨時の取引市場が立ち、全国各地からやって来た茶商たちがここで取引を行います。
よその地域からやって来る茶商のために、統一した食堂と宿、出入証書の手続きを行い、3月21日、茶葉交易センターの臨時市場が正式に開場し、茶の生産者と茶商はマスクをつけ、健康QRコードを提示していれば、取引センターに入って自由に取引できるようになりました。
「1日の取引量は3万斤あまりに達し、車は100台あまりも出入りしています」茶葉取引センターの責任者である蔡詩馨さんは言います。市場を開く前には、病気の流行予防ルールに従って、厳格な消毒を行い、市場が開いてからは20人あまりのスタッフで茶葉市場の安全と秩序ある運営を行っています。
恩施富硒茶の品質に対する信頼のため、湖南省の茶商である劉世宝さんは、毎年1千万斤近い硒茶の取引を行います。病気流行の影響を受けて、2月初めから、彼はずっと市の農業局の責任者と緊密に連絡を取り合ってきました。
2月下旬、恩施市は『茶葉会社の秩序ある復旧と具体的な作業に関する通知』を出したあと、劉世宝さんは、市の農業局とすぐに連絡をとって一連の手続きを行い、恩施に来てからは、すぐに300万斤あまりの硒茶を取引し、全国各地へ発送しました。
玉露は活き活きとして、新茶は香ります。11年経営している恩施市凱迪克富硒茶業有限公司は復旧・再稼働して以来、既に富硒玉露を1万斤あまりも販売しています。
復旧の申請を提出し、復旧の証明書を揃え、職員の健康診断を実施し・・・凱迪克富硒茶業有限公司では、病気の流行予防を行いながら、生産を行っていて、病気の流行期間中の茶の生産加工の品質規定を厳格に実行しています。
「最初の恩施玉露を発売したら、数に限りもあり、非常に好評ですぐに売り切れ、予約注文が入りました」。3月4日の夜、凱迪克富硒茶業有限公司の責任者である張巍さんがWeChatに情報を流すと、電話、ショートメッセージが鳴り止まず、全国各地からの注文が続々とやって来ました。
「茶園は全部で1000畝あまりあり、1日に収穫できる生葉は1万斤あまりで、お茶は2千斤出来ます」と張巍さんは言います。会社では従業員の安全と茶の品質を確保することに全力を挙げており、オンラインとオフラインの販路を広げることで、茶農家の利益を確保したいとのことです。
高くて大きい峰々は一面の緑で、一面に広がる茶畑からは香りが漂います。現在までに、恩施市には37.5万畝の茶園があり、既に33万畝あまりは茶摘みに続々と入っていて、総産量は60万kgあまりに達し、販売量は37万kg、取引金額は2億元近くになります。
中国国内では、セレンの含有量が多い富硒茶として、健康面に良いことから人気になっているようです。